レクサプロの薬の説明書(添付文章・インタビューフォーム)をみてみると、
新しいSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)として、レクサプロは脳内のセロトニンレベルを高めることで作用し、気分の調節に関連する神経伝達物質です。この機序により、うつ病と不安の症状を緩和し、これらの状態からの救済を求める多くの患者にとって重要な選択肢となっています。
海外では、日本よりも幅広くレクサプロの適応が認められています。
ドグマチールは生理不順になったりすることが多く、母乳へも薬が出ていきやすいので、妊娠出産を考える女性には使いにくいお薬です。昔からある三環系・四環系抗うつ薬では、大量に使った時に奇形の報告もされているので、妊娠中の安全性は劣ります。特にアナフラニールでは、心血管奇形が増えるという報告もあり注意が必要です。
SSRIでは、大きな奇形がみられたという報告はなく、ほとんど影響がないといわれてきました。最近になって、パキシルでは心室中隔欠損という心臓奇形が増加する可能性が指摘されています。否定的な報告もあり、まだはっきりとわかっていませんが、妊娠を考える時は避けた方が無難です。ルボックス/デプロメールは、相互作用が強く、他の薬の成分の血中濃度を上げてしまいます。その結果、他の薬と合わせて使った時にリスクが高まってしまうため使わない方がよいといわれています。レクサプロとジェイゾロフトは、比較的安全と考えられています。
はじめにレクサプロが承認されたスウェーデンが含まれるEUでは、
レクサプロの半減期は24.6~27.7時間、最高血中濃度到達時間は4時間です。抗うつ薬は半減期が短いと効果が切れやすくなるため、飲み忘れたときなどに中断症候群という、ふらつきや不眠などの症状が出てしまうこともあります。レクサプロは他のSSRIに比べて半減期が長いので、1日1回の服用が可能です。
また、飲み続けていくことで安定します。半減期からおよそ4~5倍の時間で安定するといわれていますので、安定には5日~1週間ほどかかります。
これまで研究において、妊娠中の母親の抗うつ薬使用が、子供の自閉スペクトラム症(ASD:autism spectrum disorder)のリスクを高めるかを調査したが、その結果は矛盾していた。米国・マウントサイナイ医科大学のA. Viktorin氏らは、妊娠中の抗うつ薬治療による子供のASDリスクについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年5月22日号の報告。
2006、07年に誕生した子供179例の集団ベースコホートを対象に、子供たちが7、8歳となる2014年までフォローを行った。Cox回帰を用いて、妊娠中に抗うつ薬に曝露された子供におけるASDの相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を推定し、また特定の9種の抗うつ薬についての分析も行った。解析では、潜在的な交絡因子の調整を行い、全サンプルとうつ病または不安症の診断を有する母親の臨床的に適切なサブサンプルにおいて実施した。
主な結果は以下のとおり。
・妊娠中に抗うつ薬を使用した母親の子供におけるASDの調整RRは1.23(95%CI:0.96~1.57)、うつ病または不安症の診断歴のある女性で1.07(95%CI:0.80~1.43)であった。
・特定の抗うつ薬の分析では、citalopramおよびエスシタロプラム(RR:1.47、95%CI:0.92~2.35)と、クロミプラミン(RR:2.86、95%CI:1.04~7.82)においては、子供のASDのRRが増加した。
著者らは「妊娠中の抗うつ薬使用は、子供のASDリスク増加と関連があるとは考えられない。代わりにこの結果は、精神障害への感受性に関連する要因によって説明されることを示唆している。これらの知見に基づき、子供のASDリスクのために一般的に使用されている妊婦に対する抗うつ薬治療を控える必要はない」としている。
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レクサプロは、妊娠・授乳中の安全性は比較的高いといわれています。
ですが、万が一、服薬中に予想外の妊娠がわかったときも、過度に心配しないでください。リスクが報告されているお薬も、です。
レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)は、その選択性作用機序と主要うつ病および全般性不安障害の治療における有効性により、抗うつ薬の世界で際立っています。医療提供者の間で人気があるのは、その確立されたプロファイルと、古い抗うつ薬に比べて比較的好ましい副作用プロファイルによるものです。
レクサプロの特徴としては、効果と副作用のバランスが良いことがあげられます。
SSRIは、世界中で最も一般的に処方される抗うつ薬である。しかし、うつ病をとくに発症しやすい期間である妊娠中のSSRI使用は、過去数十年に胎児の成長といった安全性の面で患者や医療者における大きな懸念点となっている。カナダ・BC Women's Hospital and Health CentreのSura Alwan氏らは、妊娠中のSSRI使用に関するレビューを行った。CNS drugs誌オンライン版2016年5月2日号の報告。
主な内容は以下のとおり。
・妊娠中のSSRI曝露は、流産、早産、新生児合併症、先天異常(とくに先天性心疾患)、小児期における神経発達障害(とくに自閉症スペクトラム障害)と関連している。
・個々のSSRIの効果に関する研究では、妊娠中のfluoxetineやパロキセチン使用は、先天異常リスクは小さいけれども高いことが示されている。絶対リスクは小さいが、一部の患者にとって懸念となるかもしれない。
・また、出産前のうつ病は、それ自体が好ましくない周産期アウトカムと関連しており、妊娠中に抗うつ薬を中止すると、うつ病再発の高リスクと関連する。
・観察された胎児への好ましくない影響が、母親の薬物使用や基礎疾患と関連しているかを判断するのはいまだ困難である。
・SSRIや同様の治療を受けているすべての妊婦に対し、母親と子供の両方にとっての未治療リスクと治療リスクを慎重に検討し、治療することが重要である。
・サーベイランスやタイムリーな介入のために、有害アウトカム発生の高リスクを認識することが重要である。そのため、妊婦に対しては、妊娠初期に任意のSSRIを使用する場合は、超音波検査や胎児心エコー検査により先天異常を検出する出生前診断のオプションを用いることが推奨される。
・妊娠初期には、漸減や他の治療法への切り替えなど、ケースバイケースで検討する必要がある。
関連医療ニュース
妊娠後期のSSRI服用による新生児への影響としては、新生児薬物不適応症候群や新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)が挙げられます。
妊婦1906人)からの報告でも、奇形全体の発生率は3.5%で自然発生と有意 ..
また、妊婦の自殺の35%、産褥期の自殺の33%がうつ病に関連していることからも、妊娠中のうつ病治療の重要性が理解できます。
−(レクサプロ錠:2011年4月22日承認、CTD2.6.4.4.3、
新生児薬物不適応症候群は妊娠後期に母体が抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬、抗てんかん薬、または麻薬性鎮痛薬などを服用していた場合に、新生児に生じる一過性の症状のことを指します。
レクサプロ®3ヶ月間内服した後、精子濃度(2640万 /mL vs 6890万/mL ..
妊娠中のうつ病に対しても、非妊娠時と同様に重症度に応じた治療が行われます。軽症うつ病には、支持的精神療法や心理教育などの基礎的介入に加えて、SSRIなどの新規抗うつ薬による治療が推奨されます。中等度以上のうつ病では、基礎的介入に加えて、新規抗うつ薬や三環系抗うつ薬による治療が検討されます。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を ..
新生児薬物不適応症候群は、過敏性、震え、過呼吸、嘔吐などの非特異的な症状を生じる場合がありますが、ほとんどは軽症で1週間以内に自然と回復することが多いです。そのため必要はありません。むしろ中止による妊婦の精神状態の悪化や急な中断による離脱症状を回避するべきです。
【レクサプロの詳細な妊娠時の危険性情報は以下の通りです(医薬品添付文書より)】
妊娠での薬の危険性をまとめたものは、日本では公的なものがありません。薬の説明書(添付文章・インタビューフォーム)を参考にした山下の分類というものがあります。この分類では、「A・B・C・E・E・E+・F・-」の8段階に分類しています。妊娠と授乳をひっくるめて分類しています。
[PDF] CQ 9. 妊娠中の抗うつ薬による薬物療法のリスクとベネフィット は?
レクサプロの有効性は、気分調節における重要な神経伝達物質であるセロトニンの再取り込みを選択的に阻害することから来ています。他の抗うつ薬が複数の神経伝達物質に影響を与えるのに対し、レクサプロの選択性は、より少ない副作用でうつ病と不安の症状を改善させることができます。
○この薬には併用してはいけない薬[MAO 阻害剤〔セレギリン塩酸塩(エフピー)、
「授乳中の婦人には投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること」
[PDF] レクサプロ錠 10mg、20mg に係る医薬品リスク管理計画書
レクサプロは、抗うつ薬として広く使用されている薬物です。これは過度のストレスや不安、うつ病の症状を軽減するのに役立つことで知られています。レクサプロは、精神的な不調を改善し、日常生活の質を向上させるために医師の指導のもとで使用されます。
(商品名:レクサプロ)とは エスシタロプラムはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)に分類される抗うつ薬で「レクサプロ ..
レクサプロの一般的な軽度の副作用には、吐き気、疲労、口の渇き、不眠、および発汗の増加が含まれます。これらの症状は、数週間で体が薬に慣れるにつれてしばしば減少します。
に関する多くのコホート研究 3-6) は、「服薬しない健常群:一般集団」を比較対
レクサプロについて、薬の効果や副作用、服用時の注意点など、詳しく説明しています。
同一成分薬: レクサプロ錠 10mg、レクサプロ錠 20mg(持田製薬株式会社).
となっています。ですが、海外のガイドラインなどをみてみると、授乳への安全性は高いといわれています。レクサプロは母乳に出ていってしまうことがわかっていて、他のSSRIと比較すると出ていきやすいです。ですが、これによる赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられています。
日本では、レクサプロの薬剤名(商品名)で処方されています。 保険適応 ..
適応は主にうつ病、不安障害、パニック障害、強迫性障害などで、他の抗うつ薬に比べて副作用が少なく、忍容性が高いとされています。ただし、服用初期には吐き気や下痢、眠気、性機能障害などが現れることもあります。
実名の精神科医・臨床心理士がQ&A方式で発達障害(自閉症・アスペルガー・ADHD・学習障害)・うつ・不登校など、心の悩み答えます。
まれですが、レクサプロはセロトニン症候群、顕著な体重変化、および性機能障害など、より深刻な副作用を引き起こすことがあります。これらの効果は、直ちに医療的な注意を必要とし、おそらく薬物治療の再評価が必要です。
レクサプロ | ウェルメッド ベスト バンコク クリニック 2025
※以下では「レクサプロ」として、エスシタロプラムの効果や副作用をお伝えしていきます。
レクサプロ錠20mg(持田製薬株式会社)| 処方薬 | お薬検索
抗うつ剤は妊娠にどう影響するのでしょうか?飲みながら妊娠するときは何に注意したらいいのでしょうか?
妊娠または授乳中他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする ..
抗うつ薬療法を検討する際、個々のニーズと医療歴に最適なオプションを決定するためにオプションを比較することが重要です。レクサプロは、その有効性と耐容性でしばしば際立っていますが、他の人気のある抗うつ薬と比較してどのように異なりますか?