[PDF] 小児副鼻腔炎に対するマクロライド少量長期投与療法の
3年余りも苦しまれ、大変だったこととお察しします。聞き慣れないとは思いますが、後鼻漏は「鼻汁が喉へ流れる」状態をいいます。正常でも1日2リットル近い分泌物が鼻腔(びくう)(鼻の穴の中)や副鼻腔(鼻腔周辺の空洞)で作られ、無意識に飲み込まれています。しかし、分泌量が極めて多くなったり、粘り気が増えたりすると、後鼻漏として感じるようになります。
慢性的に後鼻漏が起こる病気を紹介します。まずは「慢性副鼻腔炎」。いわゆる慢性蓄膿(ちくのう)症で、副鼻腔に炎症が起こって粘性の分泌物が出ます。細菌感染を起こすと、膿(うみ)が出ることもあります。
「アレルギー性鼻炎」および「血管運動性鼻炎」は鼻の粘膜が過敏になり、鼻汁が多くなる病気です。通常はさらさらの鼻汁が鼻の外へ流れ出ますが、感染やアレルギー治療薬の副作用で粘度が増すことにより、後鼻漏となります。
「萎縮性鼻炎」とは、鼻粘膜などの萎縮が原因で、どろどろした黄色い鼻汁やかさぶたを伴います。鼻腔と喉の境目にある上咽頭に起こる炎症が「慢性上咽頭炎」。長期化しやすく、他の鼻の疾患から二次的に発症することもあります。
「ソーンワルト病」は胎児期に体内にできる小さな管(鼻咽頭嚢(びいんとうのう))が消失せずに残り、炎症を起こす病気です。CT検査など画像で診断できます。
後鼻漏の有無や症状、発生部位、原因などを調べるには内視鏡検査が有用です。分泌物を採取して細胞を検査すると、副鼻腔炎かアレルギー性鼻炎か、大まかに判断できます。アレルギー性鼻炎の疑いがあれば、血液検査でアレルゲンを調べることもあります。副鼻腔炎が考えられる場合、画像診断をして病変の部位や程度を確認します。
さて、ご質問の文面だけで判断するのは難しいですが、症状や検査結果からアレルギー性鼻炎や萎縮性鼻炎は考えにくいでしょう。手術が必要なほど重い慢性副鼻腔炎やソーンワルト病も違うと思います。恐らく、後鼻漏の症状を主とした潜在的な慢性副鼻腔炎があり、二次的に上咽頭や咽頭の炎症が持続していることが考えられます。
治療には▽血管収縮薬で鼻粘膜を収縮させ、鼻腔内にある粘液などを吸引する(鼻処置)▽鼻腔内の洗浄▽薬を霧状にして吸入(ネブライザー吸入)▽抗菌▽抗炎症作用などがある内服薬による保存療法(マクロライド少量長期投与療法)-などがあります。綿棒を用いて丹念に鼻処置をすることで、鼻洗浄やネブライザーの効果は高まります。
マクロライド療法は内服薬の通常使用量の半分を3~6カ月にわたって毎日服用するもので、投与した方の約70%に効果がみられます。上咽頭炎には、水100ccに重曹1グラムを溶かした重曹水でうがいすることをお勧めします。重曹水は長時間放置すると効果がなくなるので、その日のうちに使い切りましょう。
これらの治療内容や手技は医師によって異なりますので、一度専門医に相談してみてください。日頃からマスクなどで鼻を保温、保湿するとともに、水分を十分取ることも大切です。焦らずに、根気強く治療を続けてください。
1)びまん性汎細気管支炎や慢性気管支炎に伴うクラリスロマイシン不応性の
鼻水は鼻の症状の中でも最も一般的です。
では鼻水の色に注目したことがあるでしょうか?普段はほとんど鼻水が出ない方もおられるでしょうし、花粉症などでは透明な鼻水が大量に出る場合もあるでしょう。
でも黄色い鼻水はどうでしょうか?今回は黄色い鼻水の原因とその治療法についてお話します。
抗生剤は第一選択はペニシリン系(アモキシシリン)になります。
重症度は年齢(2歳以下は重症度が高くなります)症状(耳痛 、発熱、機嫌)鼓膜所見(膿のたまり具合、耳だれ)によって判断されます。
抗生剤の投与期間の目安は、重症度にもよりますが、2歳以下では免疫的に未熟なため、反復化、遷延化しやすく、7~10日間の投与が推奨されます。
鼻咽喉科では3か月におけるマクロライド少量長期投与療法(ML 療法)を行った。画像検査における
【質問】マクロライド少量長期投与について質問です。 「少量」というのは半量なのか、回数を減らすのか、どちらが一般的なのでしょうか? また、効果の判定はどの程度の期間が一般的ですか?
14員環RXMの慢性気道炎症(上気道ならびに下気道)への有効性については,1990年代にエリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン(CAM)と同様に「有効」とする報告があります1)。インターネットを駆使した「現在のEM療法」としては,EMにより始め,効果不十分な場合はRXM,CAMに変更すると述べられています2)。特にRXMは耳鼻咽喉科領域で,慢性副鼻腔炎を対象とした自・他覚症状の改善効果が報告されています3)。上下気道をone-airwayと考え,RXM 150mg/日の少量で効果が確認されています。
う15例の重症児におけるエリスロマイシン (EM) の少量長期投与についてレトロスペクティブ ..
【A】「マクロライド少量長期投与」は好中球性炎症性気道疾患に対して保険適応になったこともあり、徐々に認められてきました。
マクロライド少量長期投与は「エリスロマイシン400〜600mg / 日」、「クラリスロマイシン200〜400mg / 日」が一般であると考えられます。ただし、これらの用量は経験則によるものとされています。
症例案に「エリスロマイシンの少量長期投与で軽快した例」を追記した。
適切に治療することができれば、大半の方は慢性化せずに治療することができます。(しかし、副鼻腔にカビがある場合は治療に時間がかかります。)
発症してから1週間は集中的に通院をしてください。毎日通う必要はありませんが週に2~3回通院し、集中的に治療を行うことが大事です。発症後、時間がたってから治療を行っても効果はあまり高くなく、また治療が中途半端だと慢性化することが多いです。そうなってしまうと、手術が必要となる場合があります。
治療は、当院での鼻の処置・ネブライザーでの薬の吸入、薬局から処方された薬の服用です。基本的には1ケ月以上の抗生物質、粘液溶解剤などの内服が必要となります。長期間にわたって内服が必要となる場合は、マクロライド系の抗生物質を少量投与療法によって行います。マイクロライド系の抗生物質は新しい治療法で、長期間内服しても安全です。
急性副鼻腔炎は花粉症・風邪・歯の炎症等を原因に発症します。花粉症の場合は花粉症の治療、歯の炎症の場合は歯科的治療も併せて進めていくことが必要になります。
治療の完了は症状の改善、消失により鼻の中を確認して判断しまので、自己判断で治療を中断しないようにしてください。
びまん性汎細気管支炎は、気管支の粘膜が慢性的に炎症を起こす呼吸器疾患です。1969年 に、日本が新しい病気として初めて提唱しました。 今では、世界中で認められている病気になります。
の治療にマクロライドの少量長期投与療法が行われ優れた治療 ..
当院では急性中耳炎のガイドラインをもとに重症度に応じて科学的に証明された診断と治療を選択し、なるべく早く安全に治すことを第一目標にしています。しかしながら、中耳炎をひきおこす細菌が年々強くなり、抗生剤がなかなか効かなくなってきました。抗生剤が効かない場合、耳鼻咽喉科医しか行えない鼓膜切開を行い、なるべく早く細菌を体から排出させる治療を行っています。
イシンやクラリスロマイシンを長期投与しているCOPD 患者では、増悪を起こしやすい.
内視鏡を使用してより安全で低侵襲(傷が少ない)な手術を行っております。手術操作はすべて鼻の穴から行い、鼻茸を切除し罹患している各副鼻腔の病的な粘膜を除去し、各副鼻腔を鼻腔に大きく開放して副鼻腔炎が再発しにくくします。
(マクロライドの少量長期投与) アレルギーが原因となっている場合、抗 ..
お薬の治療で鼻の症状、所見ともにきれいになって、暫く安定すれば、治ったかどうかのレントゲンを再度お撮りして副鼻腔が正常な状態になっていれば治癒したと判断致します。
マクロライド系抗菌剤の小量長期投与を行う。 ガイドライン(試案)に基づく投与 ..
急性副鼻腔炎は抗菌薬による治療を行います。
慢性副鼻腔炎に対しては病態(病状のタイプ)にあわせた薬物を組み合わせます。
慢性副鼻腔炎にはがよく用いられます。これは14印環という構造を持つマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)を通常量の半量で長期間(2週間から数ヶ月間)服用する治療です。抗菌作用の弱い抗生物質をさらに半量で用いるので長期間服用しても安全です。マクロライド少量長期療法は細菌に対して働くのではなく、鼻・副鼻腔粘膜の慢性の病的状態を正常化し鼻汁や後鼻漏を徐々に改善します。
CAM)200mg/day の少量長期投与を開始した.20XX
マクロライド少量長期療法は,エリスロマイシン少量長期投与が致死的疾患であったびまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis;DPB)の予後を画期的に改善させたことを端緒とする.その後の研究により,この効果が直接的な抗菌作用でなく,14員環ないし15員環マクロライドの持つ抗炎症作用をはじめとするいわゆる「マクロライド新作用」によるものであることが明らかとなった.
DIクイズ3:(A)COPDへのマクロライド少量長期療法:日経DI
内視鏡下鼻内副鼻腔手術の全国への普及であり、2つめはマクロライド(少量長期投与)療法の有効性が確認、確立されたことでした。さらに、病態理解の点では、上下気道の慢性炎症性疾患をUnited Airway Diseaseとして関連づけて理解し治療する考え方が定着してきました。最も古典的なものとしては、下気道のびまん性汎細気管支炎を
ける改善が見られるということもあるかと思いますが、これより他の薬剤、たとえばクラリスロマイシン、レボフロキ.
マクロライド系抗菌薬ロキシスロマイシン(RXM,ルリッド®錠,150mg)は14員環なので,びまん性汎細気管支炎や副鼻腔炎の少量長期投与療法に用いられてよいと思うのですが,講演会などでもあまり取り上げられません。実際の有効性はどうでしょうか。
ンを 1 日 400〜600 mg)で著効を示したことに端を発し
個人的には実際の臨床現場において「クラリスロマイシン200mgを1日1回」で投与されるケースが散見されます。
投与期間については、慢性副鼻腔炎に用いる場合は3〜6ヶ月と報告されていますが、COPDや中耳炎に関しては明確にはされていません。
薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2006年1月)
1980年代当初,緑膿菌を主因とする難治性呼吸器疾患に対し,14員環マクロライドの長期投与が患者の病態を著しく改善させる可能性が指摘された。工藤ら1)は,びまん性汎細気管支炎を中心にエリスロマイシンの大規模臨床試験の調査を実施し,これを契機にエリスロマイシンの抗菌活性以外の新たな薬理作用の研究が始まった。現在では,14員環マクロライドであるクラリスロマイシンや15員環であるアジスロマイシンの抗菌作用以外の薬理作用について多数の成果が報告され,マクロライド少量長期療法として各種慢性気道感染症に適応が広がっている。また慢性副鼻腔炎の治療にもマクロライドの長期投与療法が行われ,優れた治療効果を発揮している。そのほか,びまん性汎細気管支炎以外の慢性気管支炎や気管支拡張症,一部の気管支喘息に対する有効性などが報告され,未熟児肺傷害,滲出性中耳炎にも効果があるとの報告が相次いだ。このようにマクロライドは,上気道,下気道を問わず気道粘膜の慢性炎症疾患に対して広く用いられるようになっている。世界有数の治療成績を誇る日本の新生児医療の進歩により,在胎週数の非常に未熟性が強い今までは助からなかった24週未満の児が救命できるようになり在宅酸素療法で退院している赤ちゃんが増えている現状がある。慢性肺疾患(CLD)の赤ちゃんに対して感染予防でのマクロライド少量長期療法を行っている施設もある。また,在宅呼吸サポート療法を必要とする気道病変を有する患者や,気管切開を施行したうえで在宅管理に移行する患者においても使用されることが多くなってきている。ここにマクロライド少量長期療法について解説する。
マクロライド少量長期療法が基本です。発症早期ほど効果が良いとされています ..
左右の鼻腔を仕切りする鼻中隔は誰でも多少は曲がっていますが、その曲がりの程度が強いと鼻閉や副鼻腔炎、また嗅覚低下・障害の原因となります。手術は鼻内から行い、曲がっている部分の鼻中隔軟骨・骨を摘出して鼻中隔をまっすぐにします。
細菌感染により増悪した時は、原因となる細菌に対する抗菌薬の投与が必要です。
などがあります。この病気の本質はまだまだ未解明の部分が多く、したがって根本的な治療法も確立されていませんが、感染による好中球炎症を主体とした副鼻腔炎と異なり、マクロライド系の抗生物質はあまり効かないため薬物療法に多くは期待できません。喘息や嗅覚障害を合併した重症例も多いために現時点では内視鏡下手術を施行し、術後ステロイドの内服や局所投与、局所の洗浄を行いながら、ポリープが再発したときにはあまり大きくならないうちにもう一度摘出するといったところが一般的です。再発率が高いといっても鼻閉や後鼻漏が少なくなり、喘息症状が著明に改善する場合も少なくありません。むしろマクロライド療法に多くを期待できない分、手術療法が果たす役割は大きいと考えています。
[PDF] 〈総 説〉 肺炎治療におけるマクロライド系薬の併用療法を考える
この記事では、びまん性汎細気管支炎の原因、症状、検査と診断、治療、予後について詳しく解説します。
慢性副鼻腔炎, 小児, マクロライド少量長期療法, Waters撮影 □要旨 ..
蓄膿症は副鼻腔炎とも呼ばれる病気で、鼻の奥にある副鼻腔という空洞部分に膿が溜まってしまう病気のことをいいます。副鼻腔に膿が溜まることで、鼻が詰まったり、不快な匂いがしたり、鼻水がノドに垂れ込む症状(後鼻漏)が出たりして、日常生活にも支障が出てきます。
副鼻腔炎には急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の2種類があります。急性副鼻腔炎は風邪などが原因で起こる一時的な炎症です。その状態が長引いたものが(一般的には2~3ヶ月が目安になります)慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症です。
蓄膿症は特殊な病気ではなく、20代から60代の方のうち約12%が蓄膿症になった経験があるという統計もあります。症状が長引く場合、薬による治療で効果が見られない場合は、手術による治療が必要になることもありますので、症状が表れたらなるべく早期から治療を開始することをおすすめします。