糖尿病の薬(SGLT2阻害薬)~スーグラ、フォシーガ等~
SGLT2阻害薬 (内服薬)には、低血糖やケトアシドーシス、尿路感染症などの副作用が起きることがあります。
ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。
一方のジャディアンスは、22年の売上高が薬価ベースで448億円(前年比31.3%増)となりました。単剤ではフォシーガに水をあけられていますが、DPP-4阻害薬「トラゼンタ」との配合剤「トラディアンス」は237億円(27.8%増)を売り上げており、ジャディアンスファミリーとしては685億円(30.0%増)に達しています。成長を支えたのは糖尿病の適応で、21年11月承認の慢性心不全はこれから貢献してくると見通しています。
解析対象の母体は、SGLT2阻害薬服用歴がなく、エンパグリフロジンかダパグリフロジンを開始した患者2万例である。北米を中心とする民間診療情報データベースから抽出した。
今回はここ数年で話題となったSGLT2阻害薬を取り扱ってみようと思います。
そこで研究グループは、国内最大規模のレセプトデータベースである「JMDC Claims Database」を用いて、糖尿病に対して新規にSGLT2阻害薬が処方された症例を対象に、個々のSGLT2阻害薬の薬剤間で腎機能の経時的な変化量を比較した。
SGLT2阻害薬は数製品発売されており、配合剤も発売されていますので、その一覧についてもまとめてご紹介します。
(SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation 2014.6.13より)
臨床現場でのニーズが高まったことから、SGLT2阻害薬の処方数は増加している。国内では現在6種類のSGLT2阻害薬が糖尿病への適応を有しているが、SGLT2阻害薬の薬剤間で腎保護作用を比較した研究は少なく、SGLT2阻害薬の腎保護作用が、クラスエフェクトと考えて良いのかについては議論が分かれるところだった。
2005年1月~2021年4月に登録され、登録後に4ヵ月以上が経過してから、糖尿病に対してSGLT2阻害薬が処方され、透析治療歴のない1万2,100症例(年齢中央値53歳、84%が男性、HbA1c中央値7.5%)を解析対象とした。
SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。
6種類のSGLT2阻害薬について、それぞれ、ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン)は2,573症例、フォシーガ(同:ダパグリフロジン)は2,214症例、カナグル(同:カナグリフロジン)は2,100症例、それ以外のSGLT2阻害薬は5,213症例[スーグラ(同:イプラグリフロジン)2,636症例、デベルザ(同:トホグリフロジン)1,467症例、ルセフィ(同:ルセオグリフロジン)1,110症例)]に対して処方されていた。
(注3)クラスエフェクト:
個別の薬剤で薬効が異なることなく、薬剤全般に共通する効果。本研究の場合、SGLT2阻害薬の各薬剤間では効果に差がない
ことが考察され、その効果はSGLT2阻害薬全般に共通するクラスエフェクトと考えられます。
ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として開発されたが、大規模臨床試験で(糖尿病の有無に関わらず)腎保護作用を有していることが示され、2021年以降にSGLT2阻害薬の適応は慢性腎臓病に対しても拡大されている。
SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。
慢性心不全の方を対象とした臨床試験では、ジャディアンスの服用で心血管死や心不全による入院のリスクが低下することが確認されています。この効果は、試験開始直後からあらわれ始め、治療期間を通して維持されたとのことです。
フォシーガは選択的SGLT2阻害剤と呼ばれる1型・2型糖尿病治療薬です。
平均観察期間773±477日の間に、年齢や性別、併存疾患やその他の糖尿病治療薬で補正した解析で、エンパグリフロジン、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、その他のSGLT2阻害薬の間で、腎機能の指標である推算糸球体濾過量(eGFR)の年次変化量を比較した。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
今回は「2型糖尿病」とその治療薬の一つであるSGLT2阻害薬の作用機序を中心にご紹介します。
そのためSGLT-2阻害薬を飲んでいるときは、しっかり水を飲みましょう。
両群の背景因子は、阻害薬服薬開始前1年間の値を、傾向スコア最近傍マッチング(通常のマッチングよりも厳密ではない)で揃えた。その結果、エンパグリフロジン群例()、ダパグリフロジン群例(9%)を除外した各群万例ずつで、服用開始後1年間の「総死亡」と「全入院」のリスクが比較された。
そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。
慢性心不全では昨年11月、フォシーガがこのクラスの薬剤として初めて承認を取得し、ジャディアンスも適応拡大を申請。慢性腎臓病では、フォシーガが昨年12月に申請を済ませ、ジャディアンスも臨床第3相(P3)試験を行っています。カナグルは糖尿病性腎症を対象にP3試験を実施中です。
SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。
心不全の適応では、ジャディアンスが22年4月、フォシーガが23年1月に添付文書を改訂し、左室駆出率を問わずに使用できるようになりました。
SGLT2阻害薬にもいくつかがありますが、配合剤は、上記使用できます。
フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。
ジャディアンスもフォシーガ同様、SGLT2阻害薬に分類される薬です。
体重が減りやすい糖尿病治療薬には、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬があります。
SGLT2阻害薬(単剤)の一覧を以下に示します(2024年2月時点)。
その結果、薬剤間で有意な差は認められなかった。この結果は、SGLT2阻害薬の腎保護作用が薬剤間で共通しているクラスエフェクトであることを示唆している。
SGLT2阻害薬(配合剤)の一覧を以下に示します。(2018年10月1日時点)
「本研究は、糖尿病だけでなく慢性腎臓病や循環器疾患に対する主要な薬剤としてSGLT2阻害薬への期待が高まるなかで、SGLT2阻害薬の各薬剤間での腎保護作用が同等である可能性を、大規模なリアルワールドデータで示したものです」と、研究グループは述べている。
SGLT2阻害薬は有効成分として6成分(7製品)が販売されています。
SGLT2阻害薬のうち、フォシーガ(ダパグリフロジン)及びジャディアンス(エンパグリフロジン)については、
SGLT2阻害薬の大きな補助効果としてもう1つ注目されているのが、
SGLT2阻害薬とともに市場成長が際立つのがGLP-1受容体作動薬です。糖尿病治療薬市場全体におけるシェアは年々高まっており、リベルサスの登場がこれを加速させています。
お年寄りでやせすぎた場合は、SGLT2阻害薬は中止する場合もあります。
③の体重増加がないことも大きな利点です。過体重の患者さんの糖尿病治療において、減量は根幹をなしますが、インスリン治療やSU剤などは体重増加をきたします。メトホルミンは体重増加を来さず、むしろ少し体重を減らすので有利です(ちなみに、下記で紹介するSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は両方とも体重を大幅に減らします)。
代表的な注射薬はインスリン注射で、主に以下の場合に使用されます。
慢性心不全()に対する標準薬となった阻害薬だが、薬剤間で有用性に差はあるだろうか。ランダム化比較試験()データの比較では否定的だ。一方、実臨床データからは、エンパグリフロジンがダパグリフロジンよりも有用である可能性が示唆された。ボストン大学(米国)の氏らがした。
[PDF] 糖尿病治療薬の比較・切り替えについて 注射薬(付表 ..
国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。
今、期待のお薬 vol.2 SGLT2阻害剤 余分な糖を尿から捨てるお薬
腎臓が悪いときに、それ以上の腎機能の悪化を防ぐ薬が、SGLT2阻害薬(フォシーガなど)です。