慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病の有無を問わず、 有益性を示した初めてのSGLT2阻害剤


独立データモニタリング委員会は,有効性が認められたため試験の中止を勧告した.追跡期間中央値 2.4 年間に,主要転帰イベントはダパグリフロジン群 2,152 例中 197 例(9.2%)とプラセボ群 2,152 例中 312 例(14.5%)に発生した(ハザード比 0.61,95%信頼区間 [CI] 0.51~0.72,P<0.001,1 件の主要転帰イベントを予防するための治療必要数 19 [95% CI 15~27]).推算 GFR の 50%以上の低下の持続,ESKD,腎臓が原因の死亡の複合のハザード比は 0.56(95% CI 0.45~0.68,P<0.001),心血管系が原因の死亡または心不全による入院の複合のハザード比は 0.71(95% CI 0.55~0.92,P=0.009)であった.ダパグリフロジン群の 101 例(4.7%)とプラセボ群の 146 例(6.8%)が死亡した(ハザード比 0.69,95% CI 0.53~0.88,P=0.004).ダパグリフロジンの効果は,2 型糖尿病を有する患者と有しない患者とで同程度であった.ダパグリフロジンの既知の安全性プロファイルが確認された.


前回、SGTL2阻害薬が慢性腎臓病(CKD)の適応を取得したという話題について記載させていただきました。 「ダパグリフロ.

腎機能障害のある患者においては経過を十分に観察し、糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討してください。

DAPA-CKD試験の日本の治験統括医師であり、日本腎臓学会理事長の柏原直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病合併の有無に関わらず、腎不全への移行抑制、心血管イベントおよび全死亡に対するダパグリフロジンの有効性が示されました。慢性腎臓病患者さんを対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものです。今回の承認は日本の多くの慢性腎臓病患者さんにとって大きな希望となります」。

LTEPを用いたSGLT-2阻害薬の効果(フォシーガ、ジャディアンス)

2型糖尿病患者さんを対象に心血管イベントの抑制効果、生命予後への影響を検証したSGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)の試験では、顕性アルブミン尿が検出されていた患者さんの腎機能低下速度(eGFR)を、腎機能低下速度を改善しており、通常時の経年低下速度に近くまで改善していました。

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本承認は、慢性腎臓病の患者さんの予後を改善するという当社の目標の実現に向けた重要な一歩となりました。当社は、フォシーガのような新薬によって標準治療を向上させるとともに、時に患者さんを衰弱させ、生命を脅かす慢性腎臓病の予防および早期診断にも取り組んでいます」。

慢性腎臓病患者に対するダパグリフロジン | 日本語アブストラクト

CKDに対してフォシーガが効果を発揮するのは、▽SGLT2を阻害することにより、近位尿細管でナトリウムが再吸収されず、遠位尿細管に到達するナトリウム量が増加することで、糸球体に向かう輸入細動脈が収縮し、糸球体内の圧力が低下すること▽こうした作用が、浸透圧利尿による体液過剰の補正・血圧低下といった作用と組み合わさり、腎灌流を改善すること――が関連している可能性が考えられています。

BMJ Open Diabetes Res Care 2020)。 また、オーストラリアのジョージ国際保健研究所には、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」を通じて、同大の大島恵医員らを派遣し、これまでさまざまな国際共同研究を行ってきた。糖尿病性腎症での貧血の臨床的重要性の国際比較も課題の1つとして位置付けられている。 一方で、SGLT2阻害薬は、近位尿細管に存在するSGLT2の働きを阻害することで尿細管での糖再吸収を抑制し、尿糖排泄量を増加させる。近年の大規模臨床試験の結果から、SGLT2阻害薬の腎臓病および心血管疾患の進行抑制効果が認められている。 また、SGLT2阻害薬により血液中のヘモグロビン値およびエリスロポエチン値が上昇し、赤血球産生の促進効果を得られるという報告がある。エリスロポエチンは、腎性貧血の治療にも使用されている、赤血球の産生を促進する造血因子の1つ。多くが腎臓で産生され、腎機能が低下すると産生が低下し腎性貧血が起こる。 そこで研究グループは、糖尿病性腎症患者で、SGLT2阻害薬の長期的な貧血の発症および進行に対する効果を検討するため、慢性腎臓病を合併する2型糖尿病患者4,401名を対象に、SGLT2阻害薬「カナグリフロジン」の腎保護効果を検討した多施設共同ランダム化比較試験である「CREDENCE」試験のデータを用いて、事後解析を行った。 まず、血液中のヘモグロビン値およびヘマトクリット値に対する「カナグリフロジン」の効果を評価した。その結果、観察期間中央値2.6年間で、カナグリフロジン群ではプラセボ群に比べてヘモグロビン値が0.71g/dL(95%信頼区間0.64〜0.78g/dL)およびヘマトクリット値が2.4%(95%信頼区間2.2〜2.6%)上昇したことが明らかとなった。 これらの上昇は、SGLT2阻害薬の尿量増加作用による脱水にともなう血液濃縮の結果と解釈することもできるが、他の血液濃縮の指標である血液中の総蛋白値およびアルブミン値と変化率を比べても、ヘモグロビン値やヘマトクリット値、赤血球数の上昇率は高値だった。 以上より、SGLT2阻害薬は血液濃縮だけでなく赤血球数を増加させる作用をもつことが示唆された。 研究グループは次に、貧血の発症および進行に関するエンドポイントとして、治験医師により有害事象として報告された貧血の発症に加え、鉄剤やエリスロポエチン製剤、もしくは輸血といった貧血への治療介入を含めた複合エンドポイントを設定し、「カナグリフロジン」の効果を検討した。 観察期間中、573例に貧血関連の複合エンドポイントを認め、その内358例に貧血の発症を認め、343例が鉄剤、141例がエリスロポエチン製剤の投与を開始し、114例に輸血が行われた。 その結果、カナグリフロジン群では、プラセボ群と比べて貧血関連の複合エンドポイントが35%抑制された(ハザード比0.65、95%信頼区間0.55〜0.77、P値 各エンドポイントでも、「カナグリフロジン」は貧血の発症を42%(ハザード比0.58、95%信頼区間0.47〜0.72、P値 この貧血関連の複合エンドポイントに対する効果については、年齢や性別、腎機能などの患者の背景因子で分けた層別解析でも同様の結果が認められた。 これらの結果により、「カナグリフロジン」が慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者で貧血の発症および進行の抑制に関与することが示唆された。 「今回得られた知見により今後、カナグリフロジンが糖尿病性腎症患者の貧血に対する治療戦略に応用されることが期待される」と、研究グループは述べている。

【フォシーガ効果】に関する医師への相談をご紹介。【フォシーガ ..

SGLT2阻害薬(商品名フォシーガ)は、腎臓での糖の再吸収を阻害することによって、糖尿病患者さんの血糖値を下げる薬剤です。しかし、最近の研究では、SGLT2阻害薬が糖尿病だけでなく、慢性腎臓病(CKD)の治療にも有益であることが分かってきました。
SGLT2阻害薬は、腎臓の尿細管で働き、尿中に糖を排出する効果があります。その結果、腎臓にかかる負担を軽減し、腎臓への保護作用があり、CKDの進行を遅らせます。この薬剤は、腎臓における炎症や線維化の進行を抑制する働きがあると言われています。SGLT2阻害薬を開始して1年ほど経つと、CKDの悪化進行速度がゆっくりになることが分かってきました。
有効な薬ですが、SGLT2阻害薬を使用する際には注意が必要です。一部の患者さんには副作用が現れることがあります。CKDの薬でありながら開始直後は腎臓の機能障害を起こすことがあります。CKD治療においてSGLT2阻害薬が適切かどうかは、個々の患者さんの状態によります。またSGLT2阻害薬だけでなく他の腎保護作用のある薬や食事療法との組み合わせが大切です。体調が悪い時は一時休薬することや脱水症に注意して十分な水分をとる事も必要です。eGFRが45未満のCKDステージG3bより進んだ症例に対してSGLT2阻害薬の投与は効果判定や管理が難しく、腎専門医の関与が必要と思われます。

本剤の糖排泄効果は腎機能に依存するため、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した患者では、本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性があります。


「慢性腎臓病(CKD)の定義・原因・治療について」で述べましたが、GFR≒CCrとします。 ..

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患で、多くの場合、心疾患や脳卒中の発症リスクの増加と関連しています 2-4。世界で8億4,000万人以上、日本では約1,300万人が罹患していると推定されています 5,6。しかしながら、その診断率は低く、90%の患者さんは罹患していることに気が付いていません 4。フォシーガは、日本で初めてのCKDの治療薬として承認された薬剤です 7,8

フォシーガとは?(SGLT-2阻害薬:腎臓病の新しい治療薬として)

柏原氏によると、フォシーガによる治療の対象となるCKD患者はおよそ300万人。「最終的にはガイドラインにきちんと位置付ける作業が必要」としながらも、個人的見解として「有効性と安全性において既存の標準治療薬であるARBやACE阻害薬に優っていると思う。おそらく標準薬になっていく、ファーストラインになっていく可能性が高いと予想している」と話しています。

[PDF] JP-49038_FXG_Print (LB)_CKD Patient material

SGLT2阻害薬の試験結果から、慢性腎臓病(CKD)患者さんにSGLT2阻害薬を使用することで、SGLT2阻害薬を使用していない患者さんよりも、腎臓の機能が低下する速度を抑える可能性がある事がわかりました。SGLT2阻害薬の使用により腎不全(透析開始)に至るまでの期間を先延ばしにできる可能性があります。

効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者

腎機能障害のある患者においては経過を十分に観察し、糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討してください。

GFR、糸球体濾過量)の初期低下(イニシャルドロップ/イニシャルディップ ..

DAPA-CKD試験の結果について柏原氏は「CKD患者を対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものだ」と指摘。国は、2016年に3万9000人だった年間の新規透析導入患者数を28年までに3万5000人以下に減少させることを目指しており、柏原氏は「フォシーガの承認が、目標達成への転換点となることを期待している」と話します。

図1はSGLT2阻害薬ダパグリフロジン(商品名フォシーガ)の腎保護 ..

患者さんから腎臓病の治療として注目を集めているフォシーガという薬についてご相談を頂くことが多くなってきたので触れたいと思います。

SGLT2 Inhibitors and Kidney and Cardiac

第Ⅲ相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB) との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させました (絶対リスク減少率 [ARR]=5.3%, p 9。フォシーガの安全性と忍容性は、これまでに確認されている安全性プロファイルと一貫していました。

GFRが上昇し、蛋白・アルブミン尿が糸球体から染み出し、蛋白・アルブミンが検出 ..

※長らくCKDの新たな治療薬は出てこなかったので、フォシーガの登場に関して腎臓専門医の世界では大きな注目を集めることになりました。

CKD の診断と重症度分類には GFR とアルブミン尿検査を行います。実際はGFRの ..

フォシーガ は、 および においても2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDの治療薬として承認を取得しており、現在世界のその他の国においても審査が進行中です。フォシーガは2型糖尿病成人患者さんの血糖コントロールを改善する食事および運動療法の補助療法、および1型糖尿病 の成人患者さんに対するインスリンの補助療法を適応としています。また、本剤は2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した慢性心不全の成人患者さんの治療薬としても承認されています。

このGFRの値により大きく5つのステージに分類されます。GFR 15 mL/min ..

CKDではフォシーガに続く新薬候補が複数、国内で開発の最終段階に入っています。SGLT2阻害薬では、ジャディアンスとカナグルがいずれも国内でP3試験を実施中。ジャディアンスはフォシーガと同様に糖尿病の有無を問わず、カナグルは糖尿病性腎症を対象に開発を進めています。田辺三菱は2022年度の承認取得を目指しています。

[PDF] 糖尿病治療薬の比較・切り替えについて 注射薬(付表 ..

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)と小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁)は、アストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ®錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)」について、2型糖尿病合併の有無に関わらず、「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」の効能又は効果の追加承認を、8月25日に取得しましたので、お知らせします。

腎機能障害患者への投与は?[重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者(慢性心不全)]

アストラゼネカの子会社であるアストラゼネカ株式会社は、2013年、フォシーガに関して、小野薬品工業株式会社 と日本におけるコ・プロモーション契約を締結しました。本契約に基づき、小野薬品工業株式会社はフォシーガの日本における流通および販売を担い、アストラゼネカ株式会社と2型糖尿病、1型糖尿病および慢性心不全においてコ・プロモーションを実施しています。両社は慢性腎臓病においてもコ・プロモーションを行います。

フォシーガの副反応は以下のようなものがあります。

フォシーガに限らずSGLT-2阻害薬の作用とは尿細管におけるブドウ糖の再吸収を抑える事で、尿中にブドウ糖を強制的に排泄させるようにする薬剤です。

05 フォシーガ®錠による慢性腎臓病(CKD)治療

フォシーガは糖尿病の治療薬なので糖尿病(血糖値)を改善させる事も含めて以下の作用が期待出来ます。