浮腫予防:投与後約 12 時間おきにデキサメタゾン 4mg を経口投与
(リツキサン)やトラスツズマブ(ハーセプチン)などの分子標的薬で起こることのあるinfusion reaction(インフュージョンリアクション)でも反応と似た反応が見られます。しかし、infusion reactionは投与回数が増えるごとに軽減する傾向にありますが、アナフィラキシー反応はより重篤になっていくため注意が必要です。
欧米ではドセタキセル(DOC)による過敏症や浮腫を軽減する目的で、投与前日からデキサメタゾン(DEX) ..
化学療法に入るタイミングを説明したものが、上の図です。転移(進行)がんでも、いきなり化学療法に入ることはありません。まずホルモン療法から始めます。
ホルモン療法を行っても、薬が効かなかったり、最初は効いていたのに、使っているうちにだんだん薬が効かなくなったりすることがあります。薬の効果はPSA値で判断します。PSA値が十分に下がれば効果ありと判断しますが、十分に下がらなかったり、逆に上がったりした場合は効果なしと判断します。
ホルモン療法で一般的な治療は、LH-RHアゴニスト(酢酸ゴセレリン/商品名ゾラデックス、酢酸リュープロレリン/商品名リュープリン)と、抗アンドロゲン薬(ビカルタミド/商品名カソデックス、フルタミド/商品名オダインなど)を併用するCAB療法です。LH-RHアゴニストの代わりに精巣摘除術を行う場合もあります。
CAB療法でPSA値が十分に下がった場合は、そのまま治療を続けます。多くの人がCAB療法でPSA値が十分に下がるので、すぐにドセタキセルで治療を始めることにはなりません。
ただし、少数の患者さんでPSA値が十分に下がらなかったり、上がったりすることもあり、その場合はドセタキセルによる治療を始めます。
一方、PSA値がある程度下がった場合は、そのままCAB療法を継続しますが、2、3年たって効果が落ちてきた場合は、抗アンドロゲン薬の種類を変えます。これを抗アンドロゲン交替療法といいます。
抗アンドロゲン薬を変えてもPSA値が上がる場合は、ドセタキセルによる治療を開始するか、もしくは女性ホルモン薬と抗がん薬の作用をあわせもったエストラムスチン(商品名エストラサイトなど)や、副腎皮質ステロイド薬などによる治療に切り替えます。
抗アンドロゲン薬を変えてPSA値が下がった場合は、そのまま治療を続けますが、薬が効かなくなってきたら、エストラムスチンや副腎皮質ステロイド薬などによる治療に切り替えます。この治療が奏効しない場合も、ドセタキセルによる治療を始めるタイミングとなります。
現在のところ、ドセタキセルを使った化学療法は最後の手段と考えられているので、ホルモン療法である程度効果があればなるべく続けるようにし、どうしてもがんの進行が止められないと判断した場合に、ドセタキセルを使った化学療法に踏み切るという流れになっています。
前立腺がんの化学療法は、精巣腫瘍(せいそうしゅよう)や膀胱(ぼうこう)がんの治療と違って、根治をめざすものではありません。抗がん薬を使いながら、がんの増殖や痛みを抑え、がんと上手につきあっていく治療法です。
化学療法の対象となるのは、転移(進行)がんの患者さんで、ホルモン療法を続けた結果、薬の効き目が悪くなってきた場合です。限局がんや、局所進行がんの患者さんは対象にはなりません。また、転移(進行)がんであっても、初めから化学療法を行うことはありません。ホルモン療法だけで十分対応できる場合もあるので、最初にホルモン療法を試してみることが大切です。
前立腺がんの化学療法に使う抗がん薬はドセタキセル(商品名タキソテール)という点滴用の薬で、日本では2008年に前立腺がんに対して健康保険が適用されました。
ドセタキセルは微小管阻害薬とも呼ばれています。細胞の分裂には細胞中にある微小管というたんぱく質がかかわっていますが、ドセタキセルはこの微小管の働きをじゃまする性質をもつ薬です。ドセタキセルによってがん細胞は分裂できなくなり、死滅します。
また、ドセタキセルはアンドロゲン受容体の働きを抑える力もあるとされています。アンドロゲンは男性ホルモンの総称で、男性ホルモンであるテストステロンは、細胞の男性ホルモンの受け皿であるアンドロゲン受容体を介して作用するしくみになっていますが、その働きを抑えてしまうのです。前立腺がんは男性ホルモンで増殖する性質があり、ドセタキセルはこの経路も抑えることで、より効果を高めているのです。
さらにドセタキセルには骨転移によっておこる疼痛(とうつう)をやわらげる働きもあると考えられています。
ドセタキセルは抗がん薬のなかでは副作用の少ない薬ですが、手足のしびれやむくみ(浮腫(ふしゅ))などがみられるため、この副作用対策として、副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬のプレドニゾロン(商品名プレドニゾロン、プレドニンなど)、あるいはデキサメタゾン(商品名デカドロンなど)を併用するのが一般的です。
ドセタキセルを投与中の患者さんの中に、身体の浮腫(むくみ) ..
誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害などの重い副作用があらわれることがあります。
この治療法は、多くの方が最終的には外来での治療が可能になる程度の、比較的副作用の少ない治療法です。しかし、抗がん剤であることには変わりなく、まれですが副作用による死亡例も報告されています。
抗癌剤のドセタキセルと「プレドニン」という副腎皮質ステロイド(内服)との併用で入院または外来化学療法センターにて治療します。
治療開始のタイミングにも、指標があります。 ドセタキセルの副作用を抑えるため、薬の分量を減らし、投与間隔をあける工夫をしています。
抗癌剤のドセタキセルと「プレドニン」という副腎皮質ステロイド(内服)との併用で入院または外来化学療法センターにて治療します。化学療法1コースは下図のように3週間となります。問診や採血などで手注意深く副作用の有無をチェックしながら継続します。
ドセタキセル点滴投与開始 10 分は速度を遅めにして、全身状態を
抗がん剤投与後に突然発症し、急激に増悪する場合が多く、疼痛を伴う肝腫大、急速に貯留する腹水、体重増加、ビリルビンの急激な上昇などをきたします。
前立腺癌に対するホルモン療法は、ある程度の期間(この期間には個人差があります)継続すると効きにくくなる場合があり、このような病態を去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼びます。去勢抵抗性前立腺癌に対しては、通常、外来にて内服薬の追加、変更あるいは対症療法などが用いられます。しかし、種々の外来治療でも病状が進行する場合は、抗癌剤による化学療法が必要になることがあります。
発現前 1 ヶ月間のステロイド投与量はデキサメタゾン 6.6mg が
次に、ドセタキセル(タキソテール)と同じ系統の抗がん剤で「パクリタキセル(ソール)」がありますが、投与する薬剤の種類に間違いがないかチェックします。投与の際には、をチェックして開始します。多くの施設で、ドセタキセル(タキソテール)の投与開始前に、のデキサメタゾン(デカドロン)が投与されます。
に気をつけてください。 症状に応じて、利尿剤やステロイド剤を使用します。 眼障害
また、ドセタキセルの総投与量が、300から400mg以上になると、浮腫が出現しやすくなるとも言われています。
[PDF] タキソイド系抗悪性腫瘍剤 日本薬局方 ドセタキセル注射液
G-CSFによって骨髄中の顆粒球が増加し、結果として顆粒球の一種である好中球が末梢血中に増加します。G-CSF自体に腫瘍を抑制する効果はありませんが、G-CSF製剤の投与によって化学療法の有害事象(副作用)である好中球減少症を予防、または改善することができます。
ては、デキサメタゾン(16mg/日、8mg1日2回)等を、本剤 ..
ドセタキセルを受ける人の2人に1人が、浮腫を経験すると言われています。
[PDF] 管理 No.405 【DTX療法】 2023 年 12 月 14 日改訂
アルコールアレルギーの有無、実際の投与中のアレルギー反応の有無については必ず伝えましょう。投与後は、どの副作用があって、どの程度困っていて、どのような対策を行っているのかを申し送ることが大切です。
それ以外には、以下の方法があります。 1、投与夕方から2日間、デキサメタゾン8mgを内服.
ドセタキセルの浮腫によって、以下のような症状に悩まされる方がいらっしゃいます。
[PDF] ドセタキセル点滴静注液20mg1mL・80mg4mL「NK」 .indd
ドセタキセル療法3コース目の10日目です。3コースとも投与中の副作用は特になく、バイタルサインの変化も見られませんでした。
1、2コース目は、投与後から便秘が強くみられましたが、今回は酸化(マグミット)とセンノシド(プルゼニド)の投与により、特に便秘は見られていません。
昨日の採血で好中球減少が見られたため、G-CSF製剤(フィルグラスチム〈グラン〉)を投与中です。発熱は見られませんが、体温(腋窩温)が37.5℃を超えたら発熱性好中球減少症(FN)として治療の必要があるので、発熱に注意が必要です。
[PDF] ドセタキセル点滴静注「EE」による 治療を受けられる方へ
本日は、ドセタキセルの副作用の1つである浮腫の解決法についてお話していきますね。
また、浮腫に関しては次のような報告がある〔8.3、9.1.3、11.1.13参照〕。 ..
さらに、投与中の副作用があったかどうか、あった場合には現在どのような状況なのか、の情報が必要です。現在のバイタルサインだけではなく、消化器症状や疲労感、呼吸器症状の有無といった自覚症状の有無、爪の変化や浮腫の有無や強さを具体的に記載しておきましょう。
[PDF] 独 政法 国 病院機構 四国がんセンター がん化学療法委員会
「ドセタキセルの副作用でしょうか?」
⇒まさに、その通りです。
おそらく、ドセタキセル3回目位から「自覚」されていたと思います。
徐々に改善してきます。
抗がん剤終了後、2カ月位すればほとんど改善するでしょう。(これに対してパクリタキセルによる痺れは結構長期化します)
「それとも、骨転移が疑われるのでしょうか?」
⇒全く違います。
「2ヶ月前に測った、マーカーはお伝えしたように下がっていたのですが」
⇒(今までの)マーカーは気にする必要はありません。
術後、この時点のマーカー(CEAとCA15-3の2種類で十分です)を「ご本人の基準値」として、みていけばいいのです。
[PDF] 抗がん剤治療を 受けられる方へ 【ドセタキセル療法】
ドセタキセル療法は、副作用の強さによっては2コース目から外来での投薬が行われるため、服薬管理を患者さん自身が行うことができるか、観察しておくことが必要です。特に、ステロイドを使用している場合には、急な服用中断によって体調を崩すことにつながるため、観察して自宅での服薬管理を可能にするよう退院前に対策を立てておくことが必要になります。
[PDF] ドセタキセル・シクロホスファミド (TC)療法 を受けられる方へ
こんにちは。田澤です。
ドセタキセルの副作用ですね。
タキサン系の共通する副作用としては「全身倦怠感」があるのですが、2つを副作用で区別するとしたら
○毎回の副作用
ドセタキセル (大きな筋肉の)筋肉痛、爪下炎
パクリタキセル 痺れ
○(比較的)蓄積されて出てくる副作用
ドセタキセル 浮腫(むくみ)
パクリタキセル 痺れ(持続)
のような印象があります。(全ての方に当てはまる訳ではありませんが)
デキサメタゾン(16mg/日、8mg1日2回)等を、ドセタキセル製剤の投与前日 ..
投与中や投与後の副作用が見られたら、副作用の種類や強さ、対策を記録しておくと、外来での化学療法中に連絡があった際の対応がスムースになるでしょう。
*注射の針を刺している部分に違和感や浮腫、痛みなどがありましたら、すぐにお知らせください。
田澤先生、いつもお世話になります。
またご質問したい事があります。
度々で申し訳ございません。
母は、ドセタキセル4クールを完遂したのですが
最近、全身のむくみが酷いです。
気になるのは、太ももや、股関節周りが痛むそうです。
歩いたり、立っているのも、ダルい、重い、痛いと言い、階段を上がるのが特に
辛いそうです。
最後に抗がん剤投与したのは、3週間ちょっと前です。
ドセタキセルの副作用でしょうか?
それとも、骨転移が疑われるのでしょうか?
2ヶ月前に測った、マーカーはお伝えしたように下がっていたのですが。
一難去ってまた一難と、母も辛そうで、心配です。
宜しくお願いします。
本研究の有害事象のデータでは,WHO基準で分類された中等度から高度の浮腫は,
抗がん剤による腎障害の発症機序としては、薬剤による直接障害作用のほか、腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome:TLS)のような二次的作用があげられます。