糖尿病の薬と言ってもそれぞれ作用が違い、以下のように分類されます。
1.経口糖尿病剤
◆スルホニル尿素剤:
膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進したり、インスリン受容体の数を増加させたりします。そのほか血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌も抑制します。
主な副作用として、低血糖(薬が効きすぎて血液中のブドウ糖濃度が下がりすぎること)になると強い空腹感、脱力感、発汗、手足のふるえなどが起こります。溶血性貧血(血液中の赤血球が壊されて起きる貧血)が起きることもあります。また、光線過敏症、胃腸障害などが生じることがあります。
◆ビグアナイド剤:
スルホニル尿素剤だけでは血糖値が下がらない時に併用される薬で、末梢でのインスリン作用を増強すると考えられます。
主な副作用として、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が現れることがあります。まれに乳酸アシド-シスが起こることがあります。乳酸アシド-シスとは、血液中に多量の乳酸がたまり、体液が著しく酸性に傾いた状態です。症状としては吐き気や嘔吐が現れます。低血糖にも注意が必要です。
◆α-グルコシダ-ゼ阻害剤:
食事中の炭水化物の消化を遅らせる働きがあります。ブドウ糖や果糖への分解が遅くなり食後の急激な血糖の上昇を抑えます。必ず食事の直前に服用して下さい。
主な副作用として、腹部膨満感や排ガス(おなら)が増えたりします。低血糖にも注意が必要です。強い空腹感、脱力感、手足の震え、発汗などが起こった時は砂糖ではなくブドウ糖をとって下さい。
◆インスリン抵抗性改善剤:
体のインスリン受容体の感受性を高め、また受容体の数を増やすことによってインスリンの作用効率を高める働きがあります。
主な副作用として、低血糖が起こることがあります。こんな時には砂糖をとって下さい。貧血や浮腫が起きたり、吐き気、嘔吐、下痢などが現れることがあります。
◆インスリン分泌促進剤:
従来のスルホニル尿素剤と異なる構造を持ち、インスリンの分泌を促進します。吸収が早く、短時間に作用が消失することから、主として食後の血糖の上昇をおさえる目的で使われます。服用後、速やかに効果が発揮されるため、毎食前10分前にのむようにして下さい。
副作用として、低血糖が起こることがあります。このような時には、砂糖又はブドウ糖をとって下さい。その他には、お腹がはる、おならがでる、下痢、軟便などの消化器症状が起こることがあります。
2.インスリン
◆インスリン製剤-注射-:
インスリンは体の中でできるホルモンの1つです。筋肉や脂肪組織でのブドウ糖の取り込みを増加させたり、肝臓からのブドウ糖の放出を減少させることによって血糖値を下げます。インスリン製剤は、体の中のインスリン不足を補います。原則として患者本人が自分で注射します。インスリンの種類、量、注射の時刻については主治医の指示に従って下さい。
主な副作用として、インスリンの注射量が多すぎたり、規則正しい食事をとらなかったり、激しい運動をした時などに低血糖が起こることがあります。
3.合併症治療剤
◆アルド-ス還元酵素阻害剤:
血糖値が高いと、アルド-ス還元酵素の働きが高まって糖(ソルビト-ル)が末梢神経に蓄積し、手足のしびれや痛みの症状が起こります。そこでアルド-ス還元酵素の働きをおさえて症状を改善します。
主な副作用として、過敏症として皮膚の発疹のほか、下痢や吐き気、嘔吐などが現れることがあります。また、尿が黄色から赤色がかってきますが心配ありません。
これに加え、 ・(異なる作用をもつ複数の薬を合わせた薬)もあります。
GLP-1とは、小腸から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあるインスリンを分泌させる作用があります。
これまでもGLP-1受容体作動薬は存在していましたが、注射によるものしかありませんでした。しかし、これを経口投与(口から飲める)できるように開発されたのがリベルサスです。リベルサスの有効性と安全性は広く認められており、2型糖尿病患者の治療薬として日本でも承認されています。
リベルサスは、GLP-1受容体作動薬の一種(2型糖尿病治療薬)で、減量に有効とされる成分「セマグルチド」が含まれています。血糖値を下げるインシュリンの分泌を促進したり、胃腸の働きを調整したり、食欲を抑制する飲み薬です。
糖尿病の治療で、まずはじめに使われる薬は、下記のいずれかです。
糖尿病の飲み薬は、その作用から大きく分けて3つに分類することができます。
糖尿病治療で使用する薬は、その作用ごとに、大きく以下のように分類されます。
リベルサスによる体重減少作用には以下の機序があると考えられています。
低血糖の症状が現れたら、すぐに糖分(ジュースや砂糖)を補給してください。(薬剤名:グルコバイ、アカルボース、ベイスン、ボグリボース、セイブルを服用されている方はブドウ糖を補給してください。)症状が治まらない場合はすぐに受診してください。糖分、ブドウ糖などは常に携帯してください。
リベルサス(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))は、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬剤です。
GLP-1はホルモンの一種で、膵臓のβ細胞に存在するGLP-1受容体と結合してインスリン分泌を促し、血糖を降下させます。内因性のGLP-1はDPP-4という酵素によりすみやかに分解されますが、GLP-1受容体作動薬由来のGLP-1は分解されにくいため、良好な血糖コントロールが期待できます。
なお、リベルサスの成分(セマグルチド(遺伝子組換え))は、2型糖尿病治療薬の注射剤「オゼンピック」の成分と同じです。
あくまでも、糖尿病の治療薬であるということを忘れてはならないでしょう。
アライは、ダイレクトOTC(医療用医薬品での発売を経ずに市販される医薬品)となり、医師の処方箋なしで市販薬としてやで購入可能ですが、要指導医薬品であるため、誰でもすぐに買えるわけではありません。購入時には、アライを安全に使用するための適切な指導を受けるために、少なくとも一か月前からの「食事内容、運動習慣、体重、腹囲」に関する記録を薬剤師に提出する必要があります。
GLP-1には自然と食欲をおさえられる効果があります。リベルサスに含まれる「セマグルチド」という成分が胃腸のはたらきを調整するために、食欲をおさえられます。加えて、満腹中枢に働きかける効果もあるため、少量の食事で満腹感を得やすくなります。これが、「リベルサスでは食事制限がいらない」と言われる理由です。食欲にあらがいながら食事を我慢する必要がないのです。
GLP-1には太りにくい体質にする効果があります。GLP-1によりインスリンが分泌されると血糖値が下がります。これによって、エネルギー源である糖分を消費しやすくなります。また、脂肪を燃焼させる働きがあり「ヤセ体質細胞」とも呼ばれる褐色脂肪細胞にアプローチするため、カロリーを消費しやすくなります。これらの作用によって、そもそも太りにくい体質になりやすくなります。
GLP-1受容体作動薬はもともと皮下投与製剤(皮下注射)の薬しかありませんでした。しかし、デンマークのノボ ノルディスク社が経口投与(口から飲める)の薬を開発し、より多くの人が服用しやすくなりました。
リベルサスの効果や副作用については、以下の記事をご覧ください。
「アライ」は内臓脂肪と腹囲を減少させるために脂肪の吸収を阻害します。この薬の主成分であるオルリスタットは脂肪分解酵素リパーゼの働きを抑えることにより、摂取した脂肪の約25%が未消化のまま便として体外に排出されることになります。この作用により、体内の脂肪吸収が減少し、脂肪の蓄積を抑制します。
リベルサスの主成分であるセマグルチドは、脳の満腹中枢に作用します。
糖尿病薬はすい臓に作用するものがよく知られていますが、今回は腸に作用して血糖値を下げるお薬について紹介します。
リベルサスの副作用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
今回は、2型糖尿病の治療薬として注目されるGLP-1受容体作動薬、リベルサス(セマグルチド)とマンジャロ(チルゼパチド)の比較を行います。これらの薬は血糖値のコントロールだけでなく、体重減少効果も大きな話題となっています。リベルサスとマンジャロの違いや、それぞれの効果について詳しく解説します。
ここまで、リベルサスの危険性や副作用、注意点について解説しました。
このブログを読んでいただくことで、薬のデメリットや怖い副作用について知っていただき、日々の生活に役立てていただければ幸いです。
アカルボースは医薬品なため、以下の副作用が起きる可能性があります。
GLP-1受容体作動薬は、日本で2010年頃から販売が開始された糖尿病治療薬です。インスリンの分泌を促進させる他、食欲抑制効果によって体重を減らす働きがあります。2型糖尿病の治療でのみ使用され、1型糖尿病の治療に使用されません。その理由は、1型糖尿病がすい臓のインスリンの分泌がほとんどない状態のため、GLP-1受容体作動薬自体の「インスリンの分泌を促進させる」という効果では回復が望めないためです。
一方で、2型糖尿病が発症する原因はインスリンの分泌が不足していることや、インスリンの働きが悪くなっていることであるため、GLP-1受容体作動薬によって原因を解消できます。また、GLP-1自体はそもそも人体に備わっており、主に食事をすることで小腸から分泌されるホルモンです。分泌されたGLP-1はすい臓に働きかけてインスリンの分泌を促進させる効果がありますが、小腸から生成されたGLP-1は体内で分解されやすいという特徴があります。これに対し、GLP-1受容体作動薬のGLP-1は体内で分解されにくい性質を持ち、効果的にインスリンの分泌を促進させることが可能です。
SGLT2阻害剤は、2014年から日本でも使われるようになった糖尿病のお薬です。
経口投与できるリベルサス錠は、日本を含む先進諸国で認められています。国内外におよぶ一連の臨床試験プログラムを通じて、2型糖尿病患者における1日1回1錠投与による有効性・安全性が報告されています。また、このプログラムには日本人を含む国際共同試験と国内臨床試験が含まれています。
現在では、米国、カナダ、デンマーク、スイス、オランダ、スウェーデン、英国など、19カ国で販売されており、日本でも「2型糖尿病」への効能又は効果として製造販売が承認され、販売されております。
一つ注意が必要なのは、日本では「糖尿病」の治療として厚生労働省に認められていますが、「ダイエット目的」の使用では承認されていないため、ダイエット目的では保険適用外の自由診療になることです。しかし、アメリカのFDA(食品医薬品局・日本の厚生労働省)をはじめとして、EU諸国や韓国のMFDS(食品医薬品安全庁)では肥満治療薬として認められています。肥満は「薬で治療するもの」という認識が一般的だからです。日本の姿勢が良い悪いということではなく、先進諸国では肥満に対する薬として認められているということです。
リベルサスの副作用についてです。多いのが以下の胃腸系の副作用です。
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが低下したり、分泌量が不十分なために血糖が高い状態が持続する病気です。
糖尿病はインスリンの分泌量が絶対的に不足する「インスリン依存型」とインスリンの分泌はあるものの、その働きや量が不十分なために起こる「インスリン非依存型」の二つに大別されます。
いずれの場合でも高血糖が続くと細い血管が障害を受け、腎臓、末梢神経の障害や眼底出血などの合併症が起こりやすくなったり、脳血栓や心筋梗塞も起こりやすくなります。
おならの副作用対策としては、『夕食時のみに使用する』という方法もあります。
小腸からの糖分の消化・吸収を遅らせて食後の高血糖を抑えます。ほかの薬との併用が適していると考えられています。主な副作用として、胃腸障害、おならの増加、お腹の張り、下痢があります。
糖尿病という病気だけあって、おしっこに副作用が出ることもあります。
リベルサスは、経口で服用できる唯一のGLP-1受容体作動薬です。注射が必要な他のGLP-1薬とは異なり、飲み薬としての利便性が高く、特に注射が苦手な患者様には優れた選択肢となります。
ビグアナイド系は糖尿病治療薬の中でも歴史の長いお薬になり、です。
GLP-1受容体作動薬(リベルサス・オゼンピックなど)とアライは、肥満治療に用いられるが、作用機序、効果、副作用において異なる特徴を持っています。
一口に糖尿病の薬と言っても、本当に様々な作用があるんですよね。
2型糖尿病の治療として使用する場合は保険適用可能ですのでご安心ください。
GLP-1受容体作動薬は美容クリニックなどでダイエットを目的として処方されることがありますが、その場合保険の適用はできません。
また、当院ではダイエットを目的とした患者様へのGLP-1受容体作動薬の処方は行っておりませんので、予めご了承ください。
その上で、リベルサスの副作用としては、内服後、嘔吐、吐き気、下痢、胸やけなどの胃腸障害、めまい、味覚異常、消化不良などがあります。
尿の中に糖を出して血糖を下げます。比較的新しい薬で、心血管疾患を抑えることができるという研究結果もあり、近年はSGLT2阻害薬が処方される割合が増えています。糖尿病だけでなく心不全の患者さんにも使えるようになりました。ただし、高齢者、腎臓機能の低下がある方、利尿剤を使用している方は、脱水や血栓・塞栓症などに注意が必要です。主な副作用として低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状などがあります。
小腸からの糖分の消化・吸収を緩やかにする。 副作用, ・腹部膨満感・おなら(の増加) ・下痢 等
肥満治療薬として保険適用になった新薬「ウゴービ」。本薬の副作用や効果、どのようにして痩せるのかについても解説します。