ただし、添付文書には以下の記載がありますので、eGFRには注意が必要です。
「フォシーガ錠5mg」および「同錠10mg 」(一般名: ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)は、▼2型糖尿病▼1型糖尿病▼慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)▼慢性腎臓病(ただし、末期腎不全または透析施行中の患者を除く)—に対する効能・効果が認められています。
米で心不全適応が拡大 左室駆出率を問わず使用可能に | 日刊薬業
■心不全にもフォシーガ
フォシーガは左室駆出率が低下した慢性心不全の成人患者さんの治療薬としても承認されています。ガイドラインでは、心臓のポンプ機能の目安となる左室駆出率が40%未満の心不全においてフォシーガの使用が推奨されています。
このうち「慢性心不全」の対象については、これまで「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性・安全性は確立していない」とされ、「左室駆出率の低下した慢性心不全患者」のみが投与対象となっていました。
SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野
しかし今般、臨床試験の結果「「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性・安全性」が確立されたことから、次のように「効能または効果に関連する注意」に見直しが行われました。
▽「効能または効果に関連する注意」の項において、慢性心不全に関する「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性・安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与する」旨の記載を削除する
「フォシーガ」、米で左室駆出率が低下した心不全の適応追加 英AZ
▽「臨床成績」の項において、「左室駆出率の保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第III相試験(DELIVER試験)の結果」を追記する
慢性心不全の適応取得の根拠となったDAPA-HF試験の試験成績を動画で紹介いたします。
SGLT2阻害薬である「フォシーガ錠 5mg、10mg」は「1型糖尿病」「2型糖尿病」を適応 ..
つまり、従前は投与が認められていなかった「左室駆出率の保たれた慢性心不全」患者にも本剤を投与することが可能になっています。
心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します1。全世界で約6,400万人が罹患しており、非常に高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です2,3。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています4。心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類されます5。心不全患者さんの約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、予後を改善する薬物治療の選択肢がほとんどないのが現状です5,6。
低左心機能(左室駆出率 40%以下)かつ糖尿病あるいは慢性心不全のため SGLT2 阻害薬投与
出典:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018、日本腎臓学会。
2021年 JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療. 日本循環器学会 / 日本心不全学会合同ガイドライン。
下の表のようにステージCにおける慢性期治療は左室駆出率LVEFに応じて選択します。 ..
DAPA-CKD試験の日本の治験統括医師であり、日本腎臓学会理事長の柏原直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病合併の有無に関わらず、腎不全への移行抑制、心血管イベントおよび全死亡に対するダパグリフロジンの有効性が示されました。慢性腎臓病患者さんを対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものです。今回の承認は日本の多くの慢性腎臓病患者さんにとって大きな希望となります」。
RCT の対象患者は主に心不全の NYHA 分類Ⅱ度(7.5-8 割)、Ⅲ度(2-2.5 割)であり、左室駆出率が 50%以下.
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧を含むすべての併存疾患に対する各地域における標準治療]への追加治療として1日1回投与されました。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが実薬群とプラセボ群に 無作為化されました。
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、8カ月時点でのKCCQの総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです。
左室駆出率(LVEF)の低下した心不全(HFrEF)においては、心拍出量や血圧低下 ..
慢性心不全の適応取得の根拠となったDAPA-HF試験と日本人集団のサブグループ解析結果について動画で紹介いたします。
臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、収縮期血圧
これを受け、保険診療の中で本剤を慢性心不全患者に使用する場合の留意事項においても次のような見直しが行われました。
左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)では、β遮断薬、アンギオテンシン変換酵素 ..
【従前】(編集部で一部改変)
慢性心不全
▽効能または効果において「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」とされているので、使用に当たっては十分留意する
▽効能または効果に関連する注意において「左室駆出率が保持された慢性心不全における本薬の有効性・安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与する」とされているので、投与開始に当たっては、左室駆出率の計測年月日および左室駆出率の値をレセプトに記載する
▽他の医療機関で左室駆出率を測定した場合には、当該測定結果・医療機関名をレセプトに記載することで差し支えない
型糖尿病の合併・非合併および左室駆出率にかかわらず、心不全イベントの抑制が報告.
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景として、フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する予防と抑制効果、臓器保護効果が示されています。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります。
[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について
フォシーガは、成人および10歳以上の小児(日本では成人にのみ承認)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、成人におけるCKDの治療薬としても承認されています。
SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加 ..
アストラゼネカのバイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本承認は、慢性腎臓病の患者さんの予後を改善するという当社の目標の実現に向けた重要な一歩となりました。当社は、フォシーガのような新薬によって標準治療を向上させるとともに、時に患者さんを衰弱させ、生命を脅かす慢性腎臓病の予防および早期診断にも取り組んでいます」。
2021 年 急性・慢性心不全診療ガイドライン フォーカスアップデート版において、
急性心不全の初期対応から急性期病態に応じた治療の基本方針
適応拡大(左室駆出率の低下した慢性心不全のみ) 2021年8月に「慢性腎臓病」の ..
心不全は心臓のポンプ機能が障害された結果出現するため、心外膜、心筋、心内膜疾患、弁膜症、冠動脈疾患、大動脈疾患、不整脈などさまざまな要因により発症する。しかし、心不全の多くの症例に左室機能障害が関与し、左室機能によって評価法や治療が異なるため、左室駆出率(LVEF)による分類が多用されている。
[PDF] 左室駆出率の軽度低下または保持 不全、ダパグリフ ロジンが有効
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)は、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害する薬剤です。
SGLT2とは、腎臓の近位尿細管におけるグルコース(糖)の再吸収で重要な役割を担う輸送体です。フォシーガは、SGLT2を競合的かつ可逆的に阻害してグルコースの再吸収を抑制し、尿中グルコース排泄を促すことにより、血糖コントロールを改善します。
また、体液量の補正や血圧低下、血行動態の改善などさまざまな作用により、慢性心不全や慢性腎臓病を改善する効果も期待できます。
なお、「フォシーガ(forxiga)」という名称は、患者さまのため・患者さまの家族のため・医師のためを表す「for」と、inhibit glucose absorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字の「iga」を掛け合わせる(x)ことで、既存の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現しているそうです。
左室駆出率が軽度低下した⼼不全(HFmrEF)または保持された⼼
【見直し後】(編集部で一部改変)
慢性心不全
▽効能または効果において「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」とされているので、使用に当たっては十分留意する
(後段の留意事項を削除)