なぜ、SGLT2阻害薬でDKAが起こるのか、具体的に説明します。
抗血小板薬、抗凝固薬、低用量ピル(経口避妊薬・一部の月経困難症治療薬)、経口糖尿病薬、一部の骨粗鬆症治療薬は手術前に投与中止が必要です。
※投与中止期間は目安のため、手術の種類、侵襲の程度、患者リスクによって異なる場合があります。
※抗血小板薬、抗凝固薬中止基準は、麻酔科学会のガイドラインの推奨に基づいています。
※消化器内視鏡検査前の抗血栓薬中止基準は、学会のガイドラインの推奨に基づいています(詳細は内視鏡部へご確認ください)。
最後に、手術前に休薬すべきSGLT2阻害薬をリストにまとめました。
最後に、これは医療者側が留意することなのですが、前回・前々回のブログで取り上げた「インスリン分泌不全タイプ」、つまり、体質的・遺伝的に血糖値を下げる物質であるインスリンを自前で作る力が弱い人に阻害薬を投与すると、前述の「ケトアシドーシス」のリスクが高まるため、慎重に投与することが重要です。私はそのような患者さんでは、インスリンの注射、あるいは体内でインスリンを作るのをサポートする飲み薬を併用するようにしています。ちなみに、インスリンは自前でたくさん作れるがそれがうまく活かせていない「インスリン抵抗性」タイプではあまりこの心配はありません。
SGLT2阻害薬の副作用で、脱水に次ぐ特徴的なものに尿路や性器の感染症がある。
[PDF] 糖尿病用薬(ビグアナイド製剤,SGLT2阻害薬)の術前休薬期間
余談ですが、阻害薬は余分な糖の排泄、尿量増加によるダイエット効果が期待できるため、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。
SGLT2阻害薬が処方されている患者で、泌尿器科も受診しているような患者がいたら要注意です。
[PDF] 手術・検査前に休薬を要する薬剤(内服薬)一覧(2024年7月現在)
毎回出している「型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を見ると、肥満・非肥満によって薬物選択の優先順位が少し異なることがわかります。
前々回のメトホルミンを扱ったブログで「歳以上のご高齢の患者さんはシックデイリスクが若い患者さんより高いため、メトホルミンは慎重投与、歳以上の方に新規で開始することは避けている」と記載しましたが、この阻害薬については、後述の通り心臓・腎臓といった高齢者で機能低下を起こしやすい内臓に非常に良い効果がもたらされることが実証されているため、ある程度お元気な高齢者では慎重に投与するケースもあります。
術前4週~術後2週まで休薬、産後4週以内及び⾧期間安静状態の患者は禁忌(添付文書 ..
さらに、これは前々回のメトホルミンと同様なのですが、「シックデイ」と呼ばれる、食事が摂れないほど体調が悪いときは、「ケトアシドーシス」と呼ばれる合併症リスクが上昇するため、休薬が望ましいです。少し鼻水が出る、のどが痛い、微熱がある、程度で食事は問題なく摂れる、ということであれば無理に休薬する必要はありません。
しかし、「手術前にSGLT2阻害薬を止める、その理由は……?」と聞かれたらどうでしょう。私もこの記事を書くまでは答えられませんでした。
ん、手術(麻酔)の手技・内容・出血リスク等により判断基準・休薬期間・再開基準はそれぞれの医療機関で異なりますし、ここに示していな
「心不全患者にSGLT2阻害薬を使用する場合には、本Recommendationをもとに、心不全診療ガイドラインや、日本糖尿病学会および日本腎臓学会のSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationもあわせて参考にしていただきたい」としている。
抗血小板薬、抗凝固薬、低用量ピル(経口避妊薬・一部の月経困難症治療薬)、経口糖尿病薬、一部の骨粗鬆症治療薬は手術前に投与中止が必要です。
このように、SGLT2阻害薬は、注目度アップにより処方量が増加傾向です。手術を受ける患者さんがSGLT2阻害薬を服用しているケースも多くなっています。
[PDF] SGLT2 阻害薬 1 内服中に 全身麻酔下の手術を受けた患者さんへ
SGLT2阻害薬は前述のGLP-1受容体作動薬と並んで、所謂”やせ薬”と称されます。
糖尿病用薬(ビグアナイド製剤,SGLT2阻害薬)の術前休薬期間
そこで両学会は、日本循環器学会と日本心不全学会は、「心不全治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を公表した。
一方、2 型糖尿病を合併しない心不全患者では、術前の終日絶食日に SGLT2 阻
※経口糖尿病薬も手術前後禁忌のため注意してください(インスリンによる血糖管理が望まれる)。
[PDF] Ⅲ.術前に投与中止する薬剤 ① 出血のリスクがある薬剤(薬効別)
経口血糖降下薬のなかで最も新しい種類の薬剤です。近位尿細管でブドウ糖の再吸収にかかわるSGLT2を阻害することにより、尿中へのブドウ糖の排出を促進して血糖値を下げる働きがあります(図)。
[PDF] 茨城県立中央病院 手術部運営委員会 術前中止薬一覧
SGLT2阻害薬が、心血管疾患のハイリスク2型糖尿病患者における心不全予防のみならず、2型糖尿病の合併や左室駆出率を問わず、心不全患者での標準的治療薬のひとつとして、その使用機会が増加している。
インクレチン関連薬の安全な使用に関するRecommendation
肥満を合併する、インスリン血糖値を下げるホルモンは潤沢に出ているが、それがうまく効いていない「インスリン抵抗性」が想定される患者さんでは優先順位第位、肥満のない、インスリンを自前で作る力がもともと体質的に弱い「インスリン分泌不全」が想定される患者さんでは優先順位は下位となっています。上述の通り、「インスリン分泌不全」タイプの患者さんでは合併症のリスクが高まるため、あまり優先して投与する薬ではないのですが、日回の内服で済む血糖降下作用の高い薬ですので、やせ型の「インスリン分泌不全」タイプの患者さんであっても、適切に他の薬と組み合わせて処方することがあります。
糖尿病治療における SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation
まずは基本事項の確認から。SGLT2阻害薬は最近話題の薬ですね。。尿細管におけるグルコースの再吸収を妨げて、インスリン非依存的に血糖値を下げる効果があります。単独では低血糖症状を起こしにくいのが特徴ですね。
前治療(ACE阻害薬、ARB又はサクビトリルバルサルタンナト ..
SGLT2阻害薬は術前に休薬しないといけないのに、その記載は添付文書内にしれっと紛れ込んでいるし、その理由もイメージしにくいのが、認知度を下げる要因だと思います。
1:フォシーガ、カナグル、ジャディアンス、スーグラ、ルセフィ、デベルザ、ト ..
今回はSGLT2阻害薬について、なぜ術前休薬の認知度が低いのか、その背景を考察しながら「手術前からやめるべき理由」と「休薬期間」について共有したいと思います。
副作用救済給付の対象となる健康被害は,医薬品又は再生医療等製品(以下「医薬品等」という。) ..
その後、2019年以降に公表された、2型糖尿病の有無にかかわらず左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)患者を対象とした大規模臨床試験で、同薬が心不全イベントリスクを低下させたことから、2020年以降に心不全患者への適応が拡大された。
SGLT2阻害薬というのは薬の種類名で、実際の薬物名でいきますと、院内では、ジャディアンス®、フォシーガ®の採用があります。 ..
阻害薬は糖尿病治療のために作られた薬なのですが、近年の研究で心臓・腎臓を傷めてしまった患者さんに大きな利益をもたらされることが実証されており、最近では糖尿病がなくても心不全・慢性腎臓病を患っている患者さんに阻害薬を投与しましょう、という動きが加速しています。
※造影剤を使用する検査を受ける前はいったん中止します。 ※たくさんお酒 ..
しかし、血液サラサラ系のように認知度は高くありません。手術を受けると聞いて、「あっ、SGLT2阻害薬を飲んでいないかな…」と咄嗟に思い浮かぶ人は少ないからです。
健康食品・サプリメントの中には抗血栓作用や薬剤の効果を増強または減弱させる作用などを持ち、手術に影響
※経口糖尿病薬も手術前後禁忌のため注意してください(インスリンによる血糖管理が望まれる)。
SGLT2阻害薬のうち、フォシーガ(ダパグリフロジン)及びジャディアンス(エンパグリフロジン)については、
これを受けて、日本循環器学会と日本心不全学会は「急性・慢性心不全診療ガイドライン」(2017年改訂版)で、SGLT2阻害薬について、心血管疾患のハイリスク2型糖尿病患者での心不全予防として、推奨クラスI・エビデンスレベルAに位置づけた。
前に寛解と言われ、現在は休薬中です。 先日、けっこう辛いものを食べた ..
本サイトでは薬についてのすべての情報が記載されているわけではありません。
使用中の薬についての詳細は、主治医、薬剤師、医療スタッフに確認しましょう。糖尿病以外にも病気がある方、妊娠中の方は特に注意が必要です。使用中の薬に対する不安、不明な点がある場合であっても自己判断で中止せず、まずはご相談ください。