全乗せ [薬理ゴロ]抗悪性腫瘍薬(代謝拮抗薬) 2019年12月19日 今回は抗悪性腫瘍薬(代謝拮抗薬)について、ゴロ ..
CTLA4 (cytotoxic T lymphocyte antigen 4, CD152) CD80/
CD86 に結合してCD80/CD86-CD28 による副刺激路を阻止,
⑤ リンパ球に対する細胞毒
性(シクロホスファミド)
⑥リンパ球サブセットの除去① 細胞間相互作用の阻害 ② サイトカインの作用の阻害
→ いずれかの段階を阻止すると免疫応答は抑制される。
1)主な免疫抑制薬、
①シクロスポリン:土壌真菌から抽出された 11 個のアミノ酸からなる環状ペプチド
・ヘルパーT 細胞内のイムノフィリンに結合し、カルシニュリン活性を阻害することにより、ヘルパーT
細胞からのサイトカイン(IFN-y, IL-2など)の産生・分泌を抑制する。サプレッサーT細胞、マクロファ
ージ活性には影響しない。
・適応:臓器移植における拒絶反応抑制、ベーチェット病、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血
・副作用: 腎・肝・膵障害、高血圧、高血糖などの副作用を起こす。歯肉肥大が生じる。
②タクロリムス: 筑波山麓の土壌中の放線菌から分離されたマクロライド系化合物
・シクロスポリンと同じ作用機序(ヘルパーT細胞からのサイトカイン産生・分泌抑制)
・免疫抑制作用はシクロスポリンより 10~100 倍強い。
・適応:臓器移植における拒絶反応抑制、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎(軟膏)
・副作用: 腎・肝・膵・心臓障害など。定期的な臨床検査を行い、日和見感染症に注意。
③エベロリムス:
・T細胞における IL-2 受容体の細胞増殖伝達を遮断し、T細胞の増殖を抑制する。
・適応:心移植、腎移植における拒絶反応抑制
・副作用:悪性腫瘍、腎障害、感染症、高血糖など
④アザチオプリン:プリン代謝拮抗物質(メルカプトプリンのプロドラッグ)
・生体内で代謝されて 6-メルカプトプリンになり、DNA に取り込まれた後に作用を発現する。
・適応:臓器移植における拒絶反応抑制、クローン病、潰瘍性大腸炎
・副作用:骨髄抑制、肝障害。日和見感染症に注意。
5ミゾリビン:プリン合成阻害作用を介して免疫抑制作用を示す。
・リンパ球におけるプリン合成系のイノシン酸からグアニン酸に至る経路を阻害して核酸合成を阻害
し、リンパ球の増殖を抑制し抗体産生を抑制する。核酸(DNA, RNA)中には取り込まれない。
・T, B 細胞の増殖、分化抑制。細胞性免疫抑制が強い。腎排泄のため腎機能低下患者には注意。
・副作用:骨髄抑制(アザチオプリンよりは軽度)、胃障害、高尿酸血症
⑥シクロホスファミド:アルキル化薬
・生体内で活性化され、DNAをアルキル化することにより細胞の増殖を抑制する。
・Bリンパ球、Tリンパ球の増殖を抑制する。
・適応:全身性エリテマトーデス、全身性血管炎
・副作用:骨髄抑制、出血性膀胱炎など
⑦副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン、デキサメタゾンなど)
・免疫抑制作用:T 細胞のアポトーシス誘導、T細胞の活性化抑制、サイトカイン発現抑制
・適応:全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、溶血性貧血など
・副作用:感染症の誘発・増悪、骨粗鬆症、糖尿病の誘発・増悪、満月様顔貌など
⑧グスペリムス
・T細胞の分化を抑制するとともに、活性化 Bリンパ球の増殖、分化の抑制によって抗体産生を抑制。
・適応:腎移植後の急性拒絶反応抑制の治療のみに用いる。
「リツキシマブ(分子標的治療薬)
・CD20 に対するモノクローナル抗体で、B細胞を標的とする分子標的治療薬
10 バシリキシマブ(遺伝子組換え)
・抗 CD25 ヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体
・活性化T細胞において、細胞表面に選択的に発現する IL-2 受容体a鎖(CD25)に対して親和性を
示し、IL-2の受容体結合を抑制する。
・適応:腎移植後の急性拒絶反応の抑制
2)主な免疫疾患
(1)全身性エリテマトーデス(SLE)
・原因不明の多臓器を障害する全身炎症性疾患で、臓器非特異的な自己免疫疾患である。
・病因として遺伝的因子に環境因子(紫外線、寒冷暴露、感染、ストレスなど)や、薬物(プロカインアミ
ド、イソニアジドなど)、ホルモン(女性に多いことや妊娠・出産により増悪することから)が関与して免疫
異常が生じると考えられている。
・各種自己抗体(抗核抗体、特に抗 DNA 抗体)の出現と免疫複合体の形成が認められる。これらが全
身の組織へ沈着し、II型アレルギー機序による臓器障害が出現する。
・症状:蝶形紅斑、口腔内潰瘍、円盤状皮疹、レイノー現象、ループス腎炎など
・治療:重症度に従い、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を組み
合せて用いる。血漿交換や免疫グロブリン投与なども行う。
(2)ベーチェット病
・①口腔粘膜のアフタ性潰瘍、②外陰部潰瘍、③皮膚症状、④眼症状の4主徴を示し、他に血管、関節、
末梢・中枢神経障害をきたす慢性再発性の全身性炎症性疾患(全身性自己免疫疾患)である。
・治療:症状や重症度に応じて治療が行われる。
症状
治療薬
皮膚・粘膜症状 ・口腔粘膜アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍には外用薬として副腎皮質ステロイド薬
軟膏を局所塗布する。
眼症状
・副腎皮質ステロイド薬の点眼薬・内服薬を用いる。
・難治性網膜ブドウ膜炎にはインフリキシマブ(点滴静注)を投与する。
血管病変 ・副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬(シクロスポリン、シクロホスファミド、アザチ
オプリンなど)を用いる。
腸管病变 ・副腎皮質ステロイド薬とサラゾスルファピリジン、メサラジンなどを用いる。
・消化管ベーチェット病にはアダリムマブ(TNF阻害薬)を用いる。
(3)シェーグレン症候群
・涙腺や唾液腺の外分泌腺に炎症症状が生じて涙液、唾液の分泌が低下し、眼球、口腔の乾燥症状を
きたす臓器特異的自己免疫疾患である。
・原因は不明であるが、T細胞の涙腺・唾液腺への浸潤、自己抗体の出現などが認められる。
・症状: 涙腺と唾液腺を標的として、ドライアイ、ドライマウス、鼻腔の乾燥症状を呈する。
・治療:①ドライアイ:レバミピド、ジクアホソルナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムの点眼薬、人工涙液、
②ドライマウス:ムスカリン受容体作動薬(セビメリン、ピロカルピン)、人工唾液、漢方薬(白虎加人参
湯、麦門冬湯など)、含歌薬、粘膜保湿改善薬を用いる。
【関節リウマチ・治療薬】
(1)病態
・関節リウマチ(RA)は、関節の滑膜炎を主病変とする慢性炎症性疾患である。
・RA は関節のみの症状だけではなく、全身症状や臓器病変の合併を認め、リウマトイド因子(変性 IgG
の Fc部分に対する自己抗体)など種々の自己抗体を認める全身性の自己免疫疾患である。
・好発年齢は 30~40 歳で、女性に多い(男女比は約 1:4)。
・炎症は関節の滑膜から始まり、滑膜細胞が増殖し、肉芽組織(パンヌス)を形成しながら周囲の軟骨や
骨に浸食して破壊して増殖していき関節の変形を起こす。
・Ⅱ型アレルギーによる自己免疫疾患であり、リウマトイド因子は患者の 70~80%に検出される。
・軟骨、骨破壊には、パンヌスから分泌されるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と破骨細胞が重要
な役割を果たしている。活性酸素も関節破壊をもたらす。
・RA 患者の滑膜細胞からはプロスタグランジンなどのケミカルメディエーターと共に、炎症性サイトカイン
(TNF-a、IL-1、IL-6など)が分泌され、炎症の活性化、滑膜細胞の増殖、破骨細胞の分化・活性化な
ど、RA の病態形成に関与している。
(2)症状
・初期症状は朝のこわばりで、その持続時間は、病変の進行度の推定に役立つ。
・病変は、小関節に起こり、進行すると大関節が侵される。両側の関節に対称的に出現するのも特徴。
・関節炎が長期間持続進行すると手指のスワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位や外反母趾など
特徴的な関節の変形をきたす。
(3)薬物治療、
・RA の薬物療法には、①疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、②免疫抑制薬、③生物学的製剤、④
NSAIDs,5副腎皮質ステロイド薬 が主に用いられる。
・骨破壊は発症の早期に起こるので、早期薬物療法として強力な DMARDs が用いられる。
治療薬
特徴
(DMARDs)>
である。骨破壊の抑制効果は強いが、腎障害や間質性肺炎などの発
・金チオリンゴ酸ナトリウム 現頻度が他のDMARDSより高いので使用頻度は減少している。中
・D-ペニシラミン
等度以上のRA が適応となる。
・サラゾスルファピリジン ・オーラノフィンは経口金製剤で、軽度で早期の RA に有効である。
・ロベンザリットニナトリウム ・ペニシラミンは RA に対する使用頻度は減少しているが、錯体形成
・オーラノフィン
作用があるので、銅代謝異常の Wilson 病や重金属中毒に用いる。
・アクタリット
ビタミン B.
じきにひどくならないように ジヒドロテストステロンへの変換抑制
(ゴロ)
「男性に抗う」抗男性ホルモン薬→アンドロゲン受容体に拮抗
「クロールマジ」クロルマジノン(商:25mg製剤としてプロスタール)
→・を用いる。
※一方、として月経異常や黄体機能不全による不妊症に用いる。
「エースとれる」アリルエストレノール(商:パーセリン)→前立腺肥大に用いる
腫瘍マーカー
全9種類の腫瘍マーカーのゴロとまとめ一覧
関西のVIPはアホ
関西の:肝細胞がん
VIPは :PIVKA-Ⅱ(VIP→反対にするとPIV)
アホ :AFK
※腫瘍マーカーのPIVKA-ⅡとAFKといえば、肝細胞癌。
CAの須田さん
CA:CEA
須:膵臓がん
田:大腸がん
※腫瘍マーカーのCEAと言えば、膵臓癌と大腸癌。
CAとすいとん飯行くーく?
CAと飯行くーく?:CA19-9
すい :膵臓がん
とん :胆道がん
※腫瘍マーカーのCA19-9と言えば、膵臓癌と胆道癌(消化器系がん)
C?いや、Aカップで大誤算!
CとAと大誤算で、「CA15-3」
カップなので、「乳がん」
※腫瘍マーカーCA15-3と言えば、乳癌。
寿司を至急返上しろ!
寿司:SCC
至急:子宮頸がん
返上:扁平上皮がん
※腫瘍マーカーSCCと言えば、子宮頸癌と扁平上皮癌。
パッサパサなパパ
パッサ:PSA
パサな:PAP
パパ :前立腺がん
※腫瘍マーカーPSAとPAPと言えば、前立腺癌。
シラフで非情な采配
シラフで :CYFRA21-1
非情な采配:非小細胞肺がん
※腫瘍マーカーCYFRA21-1と言えば、非小細胞肺癌。
第六回
1.アレンドロン酸の作用はどれか。1つ選べ。
ヒドロキシアパタイトに結合し、破骨細胞の機能を抑制する。
ビスホスホネート製剤(~ドロン酸)の作用
抗RANKL製剤 RANKL-RANKの結合を介した破骨細胞の分化を抑制して骨吸収を低下
デノスマブ
カルシウム受容体を刺激して副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する。
シナカルセト
小腸からのカルシウムの吸収を促進する。
アルファカルシドール
カルシトリオール
エルデカルシトール
2.スクレロスチンの働きを抑制して、骨吸収を抑制し、骨形成を促進する。
ロモソズマブ
3.骨粗しょう症に当てはまる記述はどれか。1つ選べ
脆弱性骨折を生じやすい。
椎体の脆弱性骨折によって背骨が曲がる。
老年女性に多い
子宮や乳房のエストロゲン受容体には作用しないが、骨組織のエストロゲン受容体に作用する薬物はどれか。1つ選べ
骨組織のみ→ラロキシフェン、バセドキシフェン
第七回
1.シスプラチンの抗腫瘍作用の主な機序はどれか。1つ選べ
●プラチナ(白金)でどんな橋をつくる?新人が耳にし、吐き気催す。
「プラチナ」語尾:~プラチン、プラチナなので白金製剤
「どんな橋をつくる」DNAに架橋を形成し、(DNAの複製を抑制)
「人」(副作用)腎毒性
「耳」(副作用)聴力障害
「吐き気催す」(副作用)悪心・嘔吐
DNAへの架橋形成
2.トポイソメラーゼⅡを阻害してDNA合成を阻害するのはどれか。1つ選べ。
ハクビシンは干支ポジションに見染められず
「ハクビシン」(アントラサイクリン系)語尾:~ビシン
※語尾例外で、ミトキサントロン
「干支ポジション」エトポシド(商:ラステット、ペプシド)
「に見染ら」Ⅱ、トポイソメラーゼ阻害
3.