海外では、日本よりも幅広くサインバルタの適応が認められています。


NNTとは、「Number needed to treat」の略で、「一人に治療効果を得るために何人を治療する必要があるかを示す指数」で、少ないほうがより有効な薬剤となります。逆にNNHは、何人に投与したら1名の合併症を生じるかを示す指標」なので、大きいほうが安全な薬剤になります。非がんの神経障害性疼痛で作成されているNNT、NNHの一覧表を示しました。左の図では、左上にいくほど「安全で有効な薬」、「右下に行くほど効果がなく副作用の多い薬」となります。ガバペンチン誘導体のNNTは6、NNHは16くらいで、三環系抗うつ薬(TCA)は同等の副作用でより効果があり、リドカインパッチは同等の効果でより副作用が少ないことがわかります。右の図は、痛みの原因となった病態ごとに分析したものですが、これをみると、しかし、痛みの原因はほとんどが糖尿病性神経障害や帯状疱疹後疼痛で、がんによる神経障害性疼痛はほとんど実証研究がないことがわかります。


サインバルタは、セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用します。

人前でのスピーチによって必発する動悸や発汗、紅潮などの症状に伴い2001年のTilloforsらの研究ではPET検査にて右の扁桃体の血流が過剰に増加しており1)、SSRIという種類の抗うつ薬による薬物療法や認知行動療法により症状が改善された場合、同じ場面においても扁桃体の血流の異常増加が改善されたという報告があり2)、社交不安障害の病態の一部として扁桃体の活動更新が関与していることが示唆されています。(実際にはこれに加え、行動の監視に関与している前部帯状回や前頭領域の活動亢進、大脳基底核での活動低下が推定されています。3))
また、社交不安障害の方は、他人の顔を見たときに、顔の評価や情報処理の特定のパターンを示すことがあることも知られています。たとえば、他人の顔の評価に関与する側頭前野や後帯状皮質の活動に異常を示すことがあります。

デュロキセチンが具体的にうつ病や痛みをどのようなメカニズムで改善させるかについてはまだはっきりと分かっていませんが神経末端においてセロトニンやノルアドレナリンが増えることで、「脳内に変化」が生じ徐々にうつ症状が改善に向かうと考えられています。一般的にこの「脳内の変化」はお薬を服用して最低2週間~4週間程度は必要とされています。飲み始めてからすぐに効果が得られるわけではないため、患者さん自身の判断で服用を中断するのではなく状態を医師や薬剤師に相談しながらお薬を継続していくことが必要です。

などが認められることも、多くはないですがサインバルタの副作用になります。

森岡の言う「無痛文明」は、(1)快を求め苦痛を避ける、(2)現状維持と安定を図る、(3)すきあらば拡大増殖する、(4)他人を犠牲にする、(5)人生・生命・自然を管理する、という特徴があります。現在の日本におけるサインバルタやリリカの乱用は、「快を求め苦痛を避ける」人ならば誰でも処方し、薬物の処方範囲を「すきあらば拡大増殖する」マーケティングの手法で、副作用で苦しむ「他人を犠牲にする」冷酷な商売(これはもはや医療と呼べません)となっています。

サインバルタは、になります。ノルアドレナリンの働きを強調されることが多いのですが、その作用の割合は9:1ほどといわれています。

サインバルタの体重への影響はどのようになっているのでしょうか。

(1)ジゴシン(ジゴキシン)とロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム水和物)で、ジゴシンの排泄抑制により血中濃度が上昇し、ジギタリス中毒(悪心、嘔吐、不整脈等)が起こる可能性があり、併用注意。
サインバルタ(デュロキセチン塩酸塩)とロキソニンで、出血傾向増大の可能性があり、併用注意。
アーチスト(カルベジロール)とロキソニンで、降圧作用減弱の可能性があり、併用注意。
エリキュース(アピキサバン)とロキソニンで、出血傾向増大の可能性があり、併用注意。
(2)エリキュースは抗凝固薬であり、十分な止血処置を行う。最高血中濃度到達時間(投与3~3.5時間後)を避けての外科処置が推奨される。
アドレナリンを含有する歯科用局所麻酔薬を使用する場合、
サインバルタ、アーチストとアドレナリンで、血圧上昇の可能性があり、併用注意。
ジゴシンとアドレナリンで、不整脈が起こる可能性があり、併用注意。

脳の神経伝達物質はシナプスから必要な時に放出され、必要な作用を終えるとすぐに回収(再取り込み)されています。

うつ病は、脳の情報伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減ってしまうことで起こると考えられています。
そのため、『ジェイゾロフト』などのSSRIは「セロトニン」の回収(再取り込み)を、『サインバルタ』などのSNRIは「セロトニン」と「ノルアドレナリン」の回収(再取り込み)を阻害し、シナプスの間(間隙)にある「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の濃度を高めることで、それぞれうつ病に効果を発揮します。

このためサインバルタで胃腸症状が認められた場合の対処法としては、

コメント2
Unknown2019年8月16日 0:47
こんにちは。もう更新されてないかと思いますが、大変勉強になりました。
私はまさにADHDによるストレスで鬱症状になった者です。
サインバルタとストラテラの説明が似ているなと素人ながらに感じ、
作用・副作用に重複が無いか調べていたところ、こちらの記事を見つけました。
ネット上で拝見できる中で最も専門的な考察で、大変参考になりました。
ありがとうございました。

副作用の頻度や程度がひどい場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。眠気が発現することがあるため、自動車の運転などはなるべく控えてください。


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新規頭痛治療薬抗CGRO受容体抗体の治験が進められています。片頭痛や群発頭痛、難治性頭痛の新たな治療薬として注目を集めています。効果発現の早さや安全性の利点がありますが、高価な点が欠点です。

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通常、医師は投与する薬の副作用について知っておきながら投与するのが常識ですが、サインバルタやリリカの投与に当たっては、その常識が機能していないようです。これは、私が思うに、患者さんを楽にしてあげよう、という善意の処方ではなく、これらの高価な薬を大量に処方して儲けようとする(院内処方ならば処方する医者が儲けますし、院外処方でも間接的に製薬会社から便宜を受けるのです。製薬会社は、サインバルタやリリカは脳に作用する向精神薬でもあるのに、気楽に処方できる薬だとして宣伝しています。しかも、体格の大きな欧米人と同量の多量投与を勧めるのです。その理由は言わずもがなですが。)作為だと思うのです。患者さんが痛みのような感覚を訴えれば「最新の薬で治してあげる」との偽善感情から安易な処方をする医師には御一考願いたいです。(痛みの診断・治療は、簡単なものではありません。社会状況や心の状態が大いにからんできます:を参照下さい。

サインバルタはSNRI で、特に鎮痛効果を前面に出した薬剤である。 抗うつ

引き続き、今回もお伝えしていきたいと思います。まずは、前回と同様に性格パターンを箇条書きにさせて頂き、それらについて説明を加えさせて頂きます。

SNRIは脳内で分泌されるセロトニンとノルアドレナリンを調整する薬です。 [サインバルタ] ..

四環系抗うつ剤や、選択的セロトニン再取り込阻害薬(SSRI)にも同様の鎮痛効果があるが、TCASやSNRIに比較しエピデンスが劣る。日本では、SNRIとしてデュロキセチン(サインバルタ)が神経障害性疼痛治療に用いられる。他のSNRIとしてトレドミン(ミルナシプラン:日本で開発された)が挙げられ、エピデンスにいまだ乏しいものの実験的・臨床的に鎮痛作用が示されつつある。サインバルタについては、これまで、「うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛」、「線維筋痛症に伴う疼痛」への健康保険での使用(適応)が認められていたが、28年3月、「慢性腰痛症に伴う疼痛」への適応が承認となった。

④ セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(サインバルタ®など)


今回の臨床試験は、プレガバリン(リリカ®カプセル)で治療効果を十分に得られない場合、プレガバリンとは作用機序の異なるデュロキセチン(サインバルタ®)を加えることによってさらに症状改善を期待できるのではないかと考えて行うものです。症状改善を図ることができれば、がん治療後のQOL向上に役立てると考えています。

これに対しては、神経痛の薬リリカや、抗うつ剤でもあるサインバルタなどで、痛みを和らげていきます。 ..

セロトニンだけでなくノルアドレナリンの働きも増強するため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)で起こりがちな
また、サインバルタにはうつ病などの精神的疾患だけでなく、に対しても効果を発揮します。

【精神科医が解説】デュロキセチン(サインバルタ)の効果と副作用

【11.1.1】悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)〔無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる悪性症候群が発現。投与中止。体冷却,水分補給等の全身管理を行う〕【11.1.2】セロトニン症候群〔激越,錯乱,発汗,幻覚,反射亢進,ミオクロヌス,戦慄,頻脈,振戦,発熱,協調異常等が認められた場合には投与中止。水分補給等の全身管理を行う。[10.2参照]〕【11.1.3】痙攣(0.1%未満)〔[9.1.5参照]〕【11.1.4】白血球減少〔血液検査を十分に行う〕【11.1.5】皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤な皮膚障害〔発熱,紅斑,掻痒感,眼充血,口内炎等が現れた場合には投与中止〕【11.1.6】抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)〔低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム増加,高張尿,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群が発現。食欲不振,頭痛,嘔気,嘔吐,全身倦怠感等が現れた場合には電解質の測定を行う。異常が認められた場合には投与中止。水分摂取制限を行う。[9.8参照]〕【11.1.7】肝機能障害(0.1%未満),黄疸〔AST,ALT,γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸が発現〕【11.1.8】高血圧クリーゼ〔血圧の推移等に十分注意しながら投与。[8.6,9.1.4参照]〕

抗うつ薬の種類・効果効能・副作用の解説 | 国分寺 精神科 心療内科

「セロトニン」は、消化管の活動にも関わっています。
「ノルアドレナリン」は、全身の交感神経の活動にも関わっています。

そのため、どちらも吐き気や下痢といった消化器系の副作用が起こりますが、『サインバルタ』など「ノルアドレナリン」にも作用するSNRIは、交感神経の関わる心臓・前立腺などに対する悪影響や、不眠の副作用も出やすい傾向にあります。

サインバルタカプセル30mg[うつ病・うつ状態] | くすりのしおり

実際、高血圧・心疾患や前立腺肥大の患者に対して「慎重投与」とされているのは、SNRIである『サインバルタ』だけです3,4)。

サインバルタ:デュロキセチン · イフェクサー:ベンラファキシン ..

回答
内田直2017年1月21日 12:54
Unknown様:コメントありがとうございます。実際にお会いして診察していない中でのお答えと考えていただきたいと思うのですが、私の考えは以下のとおりです。

まず、ストラテラを飲み始めたら診断が難しいということはないと思います。発達障害は、幼少時からの生活史なども非常に参考になりますし、最近の服用前の状態についても、自分自身の記憶からなくなってしまうわけではないのでそういった話を詳細にお聞きすることで、診断は可能であると思います。
サインバルタよりもストラテラが効くから発達障害というのは、治療的診断という考え方もできると思いますが、一般的には診断はあくまで症状を総合して考えた上で行うものだと思います。しかし、ストラテラで症状が改善されるということによりADHDである可能性があると考えることは、必ずしも間違いではないように思いました。

医療用医薬品 : サインバルタ (サインバルタカプセル20mg 他)

三環系抗うつ剤(TCAS)は、慢性疼痛に対する有効性の歴史が古く、また、安価であるという利点もあるが、副作用として抗コリン作用 (口掲、便秘、尿閉)、や心電図異常、過量使用で心不全リスクがあることなどから高齢者では使用しづらい。SNRIであるサインバルタ(デュロキセチン)には、抗コリン作用、キニジン作用がなく、使用しやすい。ただしサインバルタの副作用としては悪心をきたすことがある。しかし30mg/日以下で開始し、空腹時投与を避ければ問題になることはまずない。すなわち高価ではあるが、副作用が少ない点でSNRIが優れている。TCASおよびSNRIとも中枢神経系におけるノルアドレナリン再取り込み阻害作用があるため、緑内障、排尿障害がある場合には用いない。

メカニズムが異なるため、SSRIやSNRIとNaSSAを併用する治療法も効果的です。 ..

サインバルタは効果が十分に発揮され、状態がよくなったのを確認してからゆっくりと減らしていくお薬です。

30mg以上でSE留意、併用薬注意、1日1回、CRだとSEが軽減される、脱落も減少

サインバルタを服用すると脳内に存在するセロトニンの濃度が高まるため、効果が期待できます。
また、サインバルタによって脳内のノルアドレナリンの濃度が高くなると、点もメリットの一つです。