セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
メラトニン受容体作動薬の睡眠剤としての特徴は、他のGABA系に作用する睡眠剤(BZP系、非BZP系睡眠剤)に比較すると、生体内のホルモンと同じように作用するので、比較的「安全」といえます。
メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。
メラトニン受容体作動性の入眠改善薬、ロゼレムとメラトベルの二つです。
このメラトニンと同じように、メラトニン受容体(MT1・MT2受容体)を活性化し、自然な形の入眠
また、メラトニンは加齢とともに分泌量が減少するといわれています。
ビタミンDは日光を浴びることで生成されます。そのため、ビタミンD不足を解消するには日光浴が必要不可欠です。ではどのくらいの時間、日光を浴びればよいのでしょうか?この記事ではビタミンDと日光の関係について、以下の項目を中心に解説しま[…]
生活習慣病に大きくかかわってくるのが、睡眠不足です。毎日の睡眠が良い状態であれば、心身が健康になります。しかし、睡眠不足や悪い状態の睡眠は、心身に影響を与えます。記事では生活習慣病と睡眠の関係について以下の点を中心にご紹介し[…]
「メラトニンの分泌を促すにはどんなことに気を付ければ良いのかな?」
睡眠の質と腸内環境にも強い関係があります。
どうしてかというと睡眠ホルモンとして知られているメラトニンの原料であるセロトニンの95%が腸で産生されているからです。
つまり、宿便が解消され腸内環境がよくなるとセロトニンが正常に分泌され、良く眠りやすくなります。
一方、宿便により腸内環境が乱れてしまうとセロトニンの分泌が低下し、質の良い睡眠がとれなくなります。
腸内環境を整えるには、朝夕それぞれ100gずつヨーグルトを食べるのが理想的だと書きましたが、朝にヨーグルトを食べるとお腹の膨満感があるという人は、最初は夜だけ食べるようにするのも良いでしょう。
慣れてきたら食べるのを朝と夕の両方に変えてみましょう。
ヨーグルトと相性がいい食べ物として代表的なのはフルーツです。
特にオレンジやりんごにはヨーグルトと相性のよい食物繊維が多く入っていておススメです。
腸内に存在する細菌の種類が多様な方がいいとされるので、朝と夕でヨーグルトの種類を変えてみてもよいでしょう。
宿便(便秘)が原因となって悪化した腸内環境を整えるには善玉菌の代表である乳酸菌を多く含むヨーグルトを食べるのが良いです。
乳酸菌などの微生物の働きでつくられた発酵食品を食べることで、腸内の善玉菌を増やし腸内環境をよくすることができるからです。
乳酸菌を含む発酵食品には他にチーズやキムチなどもありますが、手軽さという点でもヨーグルトは優れています。
また、ヨーグルトは種類が豊富にあり、いろいろなフルーツなどとも相性がいいので飽きにくく、コンビニやスーパーなどで簡単に手に入れられます。
ヨーグルトの摂取量は、1日200g程度が理想的とされます。
例えば朝と夜に100gずつ食べるのがよいでしょう。
ダイエット中の方など、脂肪分が気になるなら低脂肪のヨーグルトもよいです。
腸のゴールデンタイムは、1日の中で副交感神経が最も高まり、腸が活性化する時間帯で夜10時〜深夜2時とされます。
腸のゴールデンタイムを利用して腸内環境を整えるなら、夕食後にヨーグルトを食べるのがベストです。
夕食後にヨーグルトを食べることで、寝ている間に善玉菌が働いて腸が整います。
腸内環境が整うと、老廃物の排せつが出ていきやすくなります。
なお、寝る直前に食べると太りやすく不眠の原因になることもあるので、就寝の2時間前までには食べ終えるのがよいです。
ここからはメラトニンを分泌させるために欠かせない三つのポイントを紹介します。
宿便をとるのも大事ですが、「そもそも宿便にならない習慣」をつけるのも、とても大事です。
残念ながら、宿便をとることで直接的なダイエット効果があるかどうかは疑わしいです。
しかし、宿便にならない習慣、便秘にならない習慣をつけることで結果として体重が減ってダイエットになる可能性はあります。
よくいう「腸活(ちょうかつ)」ですね。
腸活とは造語になりますが、一般的に言われる定義としては腸内環境を整えることです。
腸は食べた物を消化することで栄養を吸収し、その過程で出た老廃物を外に出してくれる臓器です。
腸は他にもたくさんの機能を持っており、免疫機能の調整をしたり、神経伝達物質の合成をしたりします。
人間の体には、細菌やウイルスを攻撃する免疫細胞が存在していますが、なんと腸には全ての免疫細胞の6割以上が存在しているのをご存知だったでしょうか。
感染防御において腸は重要な働きをしているのもご理解いただけるかと思います。
さらに、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンやドーパミン等の神経伝達物質を作っているのも腸です。
便秘や下痢などで腸の調子が悪くなると、何となく気分も落ち込んだ経験は誰しもあるかと思います。
逆にいうと、腸の調子を整えることで気分を整える効果もあると考えられます。
腸活をすることで、健康だけでなく、感染対策、肌への影響、ダイエット効果、精神面の健康、睡眠改善効果など、喜ばしい利点がいっぱいあります。
視交叉上核は視神経と深い関係にありますから、光が途絶えるなどすると、メラトニンの分泌を増やすシグナルを送るわけですね。
日中と夜間ではおよそ10倍ほど、メラトニンの分泌量に差があると言われています。
もし自然光で目覚めと睡眠をうまく調整できない場合には、メラトニンを摂取することでうまく入眠できるようになります。
また食材の中にも、摂取することで結果としてメラトニンが増える食材もあります。
【メラトニンが増える食材】
メラトニンは、脳の中心に位置すると呼ばれる器官から分泌されます。
私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。このような規則正しい睡眠リズムは、日中の疲労蓄積による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます。健やかな睡眠を維持するために、夜間にも自律神経やホルモンなど様々な生体機能が総動員されます。睡眠にはサイクルがあります。夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動し、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えます。
周波数とは、1秒間に空気が振動する回数(速さ)を表したものです。
宿便状態が続くと、重篤な病気を引き起こすことがあります。
代表的なものに宿便性イレウスと宿便性潰瘍があります。
宿便性イレウスとは宿便が腸管が詰まって塞がってしまう腸閉塞状態をおこしたものをいいます。
宿便性イレウスの初期症状は、腹痛、吐き気、腹部膨満感、食欲不振があります。
さらに、宿便が長い時間同じ場所に貯留することで、腸管の局所の血流が著しく悪くなり、虚血性大腸炎という病気を引き起したり、重症化すると腸管に穴が開いてしまう大腸穿孔がおこり、命に係わる場合もあります。
宿便性イレウスの宿便の画像を以下のA、Cにお示しします。
宿便の画像がCで、宿便によって腸がつまって、お腹が停滞した便が詰まった腸によってパンパンになった様子のCT断面図がAです。
海外では子供用のメラトニングミとしても人気で、甘めで柔らかい商品です。
脳幹は中枢神経系を構成する部位が集まっている器官です。
大脳に近い側から中脳、橋、延髄から構成されています。
この脳幹は視床下部と通信をすることで覚醒と睡眠間の移行を制御します。
視床下部と脳幹にある睡眠促進細胞(sleep-promoting cells)は、GABA(γ-アミノ酪酸:Gamma-AminoButyric Acid)と呼ばれる脳化学物質を生成して、覚醒中心の活動を低下させるように作用するのです。
また脳幹はレム睡眠時にも重要な役割をします。
体の姿勢や手足の動きに必要な筋肉をリラックスさせるシグナルを送ることで、睡眠中に夢を見ても体が動かないようにしています。
(メラトニンは、セロトニンを材料に作られ、脳の松果体から分泌されます。
快眠のための生活習慣にはふたつの役割があります。ひとつは直接的な役割で、「運動」や「入浴」のように習慣そのものが直接的に快眠をもたらす場合です。もうひとつは間接的な役割で、良い習慣で体内時計を24時間にきっちりと調節すれば、規則正しい睡眠習慣が身に付いて快眠が得られます。そのための習慣として「光浴」があります。そしてこれらの習慣はそれを行うタイミングが重要なことも分かっています。
そのため、セロトニンの分泌量が少ないと、メラトニンも少なくなります。)
ちなみに、大腸内視鏡検査で宿便は取れるのでしょうか?
大腸内視鏡検査を受けるときには、腸管洗浄液を飲みます。
この腸管洗浄液は、文字通り腸を洗い流すような薬剤で、飲んだら身体には吸収されず、腸を洗ってそのままお通じとして排出されます。
この強い腸管洗浄作用によって、宿便が排出されます。実際に「この薬剤をのんだ後から、お通じが出るようになった」と喜んでくださる患者さんもいます。
また大腸内視鏡検査には洗浄装置が付いているのですが、この洗浄装置で宿便を洗い流すことも可能です。
下剤そのものに直接的なダイエット効果はないと思いますが、大腸内視鏡検査の時に使う下剤によって便通が良くなる方は一定数おられます。
もう一つの大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の効果は、「大腸カメラによって腸が整復される」ことです。
元来、人間の腸の形は十人十色で、人によって大きく異なります。
特にS状結腸という腸の部分はかなり曲がりくねっており長さも長い場合が多いです。
人によってこのS状結腸の曲がりくねりが、便秘の原因となります。
大腸内視鏡検査をうけたあとに、このS状結腸の曲がりが直線化され、検査後しばらくの外来で「大腸内視鏡検査をうけてから、お通じの出がよくなりました」とうれしい患者さんの声をきくことがあります。
もちろん、大腸内視鏡検査の一番の目的は大腸がんの予防と治療ですが、腸活、便秘解消の副産物の効果も期待して、一度うけてみてはいかがでしょうか。
ロゼレムは大人用の錠剤ですが、メラトベルは小児用の粉薬です。
1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。
メラトニン | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。
[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。
メラトニン(めらとにん) 松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。 2024年2月1日
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。
松果体 脳のふたつの半球に挟まれる位置にある松果体は、視交叉上核からのシグナルを受信してメラトニンというホルモンを作ります。
NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
どこから読んでもOKなので、目次の興味のある部分から読んでみて下さい ..
メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。