髄膜炎菌感染症の発症リスクを高める要因には次のようなものがあります。
ウイルス性髄膜炎では脳や脊髄を覆う髄膜に炎症が生じることで、特徴的な症状、急激な高熱、これまでに経験したことがないほどの激しい頭痛、首の動きが硬くなる状態が起こります。
髄膜炎菌感染症におけるMRI所見には以下のようなものがあります。
炎症の三主徴である発熱,痛み,腫脹に加え,内耳に存在する神経が障害されることによる感音難聴,めまい,顔面神経麻痺,味覚障害などがあれば内耳炎を強く疑う。ただし,乳幼児や髄膜炎により意識障害を併発した場合には,これらの症状を訴えないことがあるため,注意が必要である。
○巻頭言/三鴨廣繁
○疾患解説:感染症の基礎知識
○診断のための検査法
髄液検査/新庄正宜
○Discussion & Education
救急搬送から15分間の初期対応が患者の転帰を左右する―小児細菌性髄膜炎の一例―/(司会)笠井正志/(症例提示)庄司康寛/(解説)南希成
○微生物と感染症診療
髄膜炎菌/松本哲哉
○ガイドライン・エッセンス
髄膜炎診療ガイドライン/亀井聡
○Pros & Cons
○世界旅行と感染症
アメリカ合衆国―米国の多様な気候と風土にみる感染症―/大澤良介
○研修施設紹介
○Forum【講演】
“新型インフルエンザ等”の法的規制を考える
(第87回日本感染症学会学術講演会/第61回日本化学療法学会総会合同学会シンポジウム15)
・はじめに/(座長)岩本愛吉
・公衆衛生の立場から考える新型インフルエンザ対策/(演者)押谷仁
・臨床の立場からみた“新型インフルエンザ等”の法的規制/(演者)三鴨廣繁
・ウイルス学の立場から―鳥インフルエンザとパンデミックインフルエンザ対策の基本―/(演者)喜田宏
・法整備の必要性―行政の立場から―/(演者)田河慶太
・終わりに/(座長)岡部信彦
○抗菌薬・抗真菌薬一覧
細菌性髄膜炎は上気道に定着した細菌が血行性に中枢神経系に到達する経路と、近接 ..
症状は、髄膜の炎症が神経系全体に影響を及ぼすことによって生じます。
ウイルス性髄膜炎の症状は、発熱、激しい頭痛、首の硬直、さらに光に対する過敏反応や嘔吐を伴うことがあります。
CTX はセフェム系抗菌薬の中でも髄液移行性に優れ、さらに、細菌性髄膜炎の主要起炎菌
ウイルス性髄膜炎による発熱は、急激に体温が上昇し、38℃を超える高熱です。
頭痛については、患者さんの多くが「今まで経験したことのないような強烈な痛み」と表現するほど激しく、長時間にわたって持続します。
[PDF] 抗菌薬選択に難渋した Listeria monocytogenes 髄膜炎の 1 例
内耳炎とは,文字通り内耳に生じた炎症のことであり,ウイルスや細菌のほか,梅毒,自己免疫疾患によるものなど,原因は多岐にわたる。治療方針は原因だけでなく,炎症の進展経路まで考慮する必要がある。
首の硬直は、ウイルス性髄膜炎を特徴づける重要な症状の一つです。
Pros & Cons 細菌性髄膜炎患者へのステロイド薬の適応
細菌性髄膜炎と比べると症状は比較的軽く、多くの患者さんは治療と休養により自然回復へと向かいます。
初期研修医〜一般内科向けに作成したスライドです。髄膜炎菌の部分は曝露後予防など少し踏み込んでいるので、興味があれば。
結核性髄膜炎の症状は、持続的な高熱や激しい頭痛から始まり、次第に意識障害や多様な神経学的症状へと進展します。
デキサメタゾン投与も開始」 ↓ 「そのうえで髄液検査を行おう ..
結核性髄膜炎(tuberculous meningitis)とは、結核菌が髄膜に感染し、重篤な炎症を起こす疾患です。
[PDF] ῌ῏ ῑ῍ Haemophilus influenzae による小児化膿性髄膜炎の 3 症例
結核性髄膜炎の初期段階では、高熱が続き、頭痛の強度が増していき、症状は数週間にわたってゆっくりと悪化します。
[PDF] 意識障害で肺炎球菌性髄膜炎を発症した高齢男性の2例
hominis に有効な薬剤は限られており、すべて新生児には禁忌とされる抗菌薬であるため、菌の同定なしにempiricに使用することは難しい。さらに、菌の同定が困難なため、ほとんどの症例では発症から有効な抗菌薬投与までに日数を要している。早期に適切な治療が開始できるよう、今後、髄液からの培養同定以外にPCR 法により髄液から直接同定する等の、早期診断法の確立が望まれる。財団法人田附興風会医学研究所北野病院
小児科 羽田敦子 本田有衣子 中川権史 秦 大資
同臨床検査部 浅田 薫 宇野将一 藤川 潤
大阪府立公衆衛生研究所感染症部細菌課 河原隆二
国立感染症研究所細菌第二部 堀野敦子 佐々木裕子 見理 剛
髄膜炎で daptomycin、linezolid、tigecycline は十分なデータがない。 44
jolt accentuationは、髄膜炎(厳密には髄液細胞数上昇)に関して高い感度を有することが報告されています[4]。元々の報告では、外来に歩いてくる発熱、受診患者に対して、1秒間に2~3回頭を左右に振ってもらい、「頭痛が増強するかどうか」を見る診察です。「頭痛が増強するかどうか」を見る検査なので、痛み刺激への反応が怪しい意識障害のある人には用いることはできません。
肺炎球菌髄膜炎で抗菌薬投与前/同時 dexamethasone 投与は予後改善。 45
市中発症の細菌性髄膜炎のエンピリック治療について、表2に示します。
[PDF] 編集「細菌性髄膜炎の診療ガイドライン 2014」作成委員会
続いて,Girgis 6)らによって,肺炎球菌による髄膜炎の生命予後がデキサメタゾン投与群で統計学的有意に改善し,同じく肺炎球菌による髄膜炎患者において難聴が有意に減少することも報告された(表2)。
その他、低出生体重児において入院中の生後 2 か月以内に発症する細菌性髄膜炎では、上記の菌
ウイルス性髄膜炎では主要な症状に加えて、以下のような随伴症状が現れます。
18 結核性髄膜炎(tuberculous meningitis)
症状は、体内でのウイルス感染に対する生体反応や、髄膜の炎症が脳や神経系全体に及ぼす影響が原因です。
[PDF] 関節リウマチの治療中にリステリア髄膜炎を発症した1例
まず,ステロイド薬を重症の敗血症および敗血症性ショックに使用した場合のメタアナリシスでは重症化を招く傾向があると報告がなされていた2)。しかし,その後のメタアナリシスにおいては,敗血症または敗血症性ショックにおいても少量のステロイド薬は少なくとも悪い影響はなく,特に副腎不全を伴う症例においては有益であるとの報告がなされている3)4)。
前述したような理論的背景から,細菌性髄膜炎に対してステロイド薬を投与したランダム化比較試験がなされ,よい効果が認められたとする報告が相次いだ。初期の論文を紹介すると,明らかに難聴の発生率が減少したとするLebel 5)らの報告がある(表1)。
敗血症, 髄膜刺激徴候を認め, 髄液検査で細菌性髄膜炎の所見あり,髄液培養で Listeria ..
ウイルス性髄膜炎は、様々なウイルスが脳や脊髄を覆う髄膜に感染することで生じます。
細菌性髄膜炎について,正しいものはどれか. A: 患者の1%に聴力障害を合併する ..
ウイルス性髄膜炎を起こすウイルスは多岐にわたり、その中でもエンテロウイルスは最も一般的な原因です。
[PDF] 頭蓋底骨折の 1 年半後に細菌性髄膜炎を 発症した一男児例
ウイルス性髄膜炎(viral meningitis)とは、脳や脊髄を取り巻く保護膜である髄膜に炎症が生じる疾患のことです。
Penicillin 耐性肺炎球菌による細菌性髄膜炎の 1 成人例
診断がつき次第、早急に大量の抗生物質(医者は抗菌薬といいます)の治療を開始します。このとき、前述した髄液検査が大きな力を発揮します。原因となった細菌を特定できれば、一番効果が期待できる抗生物質を選べるからです。また髄液検査の結果、原因が細菌ではなくウイルスであれば担当医師は少し胸をなでおろします。なぜならウイルス性の髄膜炎は、後遺症も残らず、良好な経過をたどるケースが多いからです。ただし、その区別は慎重になされるべきで、時間を要することがあります。きちっと診断がつくまでは、細菌性髄膜炎の可能性を考えて強い治療が実施されることもあります。
細菌性髄膜炎と比べると症状は比較的軽く、多くの患者さんは治療と休養 ..
理論的に効果があるはずだという見解と,場合によっては患者の状態を悪化させる可能性があるという見解がある。
1.ステロイド薬が予後を改善する原理
細菌性髄膜炎の治療時にステロイド薬を併用すると予後が改善する原理については,わが国の『細菌性髄膜炎の診療ガイドライン』1)のなかでまとめられている。細菌性髄膜炎は,くも膜と脳軟膜に囲まれたくも膜下腔に細菌性の炎症が生じたものである。細菌成分のエンドトキシン,タイコ酸,ペプチドグリカンなどが,腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)-αやインターロイキン(interleukin:IL)-1などの炎症性サイトカインを誘導し,これがIL-6や血小板活性化因子(platelet activating factor:PAF)などを活性化し,サイトカインカスケードやアラキドン酸カスケードを介して,白血球の活性化,血管内皮細胞の障害,凝固系の活性化をもたらす。このような,さまざまな炎症の過程が脳実質や脳血管に波及すると,脳浮腫,頭蓋内圧亢進,脳血流障害,脳血管炎,神経細胞障害などを引き起こし,これらによって後遺障害や死亡などの転帰不良をもたらす。ステロイド薬は炎症性サイトカイン,プロスタグランジン,PAFなどの産生を抑制することによりこれらの炎症の過程を軽減し,後遺障害が減少すると考えられている。
2.ステロイド薬が予後を悪化させる可能性について
同ガイドラインのなかでもステロイド薬導入の可否について留意するべき事項を挙げている。
①重篤な敗血症を基盤に発症してきている髄膜炎,②すでに抗菌薬が開始されている症例,③適切な抗菌薬が投与されていない症例,に注意が必要であるとしている。
グラム陰性桿菌の敗血症や菌血症では抗菌薬投与時に大量にエンドトキシンが放出され,ショックに陥ることがある。そのような状態にならないためにステロイド薬をあらかじめ投与しておこうという意図で投与するならば,すでに大量のトキシンや菌体成分に曝露された重篤な状態や,抗菌薬が投与されている状態ではステロイド薬を投与する意義が相当程度薄れることになる。また,現時点では耐性度が高いために抗菌薬の効果が全く期待できないほどの耐性菌による髄膜炎はきわめてまれである。しかし,そのような細菌による髄膜炎がいつ増加してくるかわからない。高度耐性菌による感染時にステロイド薬を投与したために悪化することはないか想定しておくことは重要な課題である。髄膜炎患者では血糖調節異常や凝固異常がしばしば認められるが,ステロイド薬はこれらの異常を,理論的には助長し予後を悪化させる可能性がある。そのため,髄膜炎に対してステロイド薬を投与することに反対の意見もある。