副鼻腔炎(蓄膿症) | KARADA内科クリニック | 五反田(品川区)・渋谷


急性副鼻腔炎はさまざまな細菌により起こるため、原因となっている菌の種類に応じた抗菌薬を使用したり、ネブライザー治療などがあります。慢性の場合も抗菌薬を用いますが、治療が長引いたり効果が出なかったりすることが多々あります。


○ 急性鼻副鼻腔炎に対しては、遷延性又は重症の場合を除き、抗菌薬投与を行わないこ

成人急性副鼻腔炎に対するアモキシシリンの有用性を検討したRCT。
Primary Outcomeである3日後の症状には有意差を認めなかった。予定されたサンプル数に達しておらず、βエラーの可能性が残る。

重要性:急性副鼻腔炎は、小児における抗生物質処方の最も一般的な適応症の一つであり、米国では年間490万件が処方されていると推定されている。最適な経験的抗生物質に関するコンセンサスは存在しない。

目的:小児外来における急性副鼻腔炎の治療において、アモキシシリン-クラブラン酸塩とアモキシシリンを比較すること。

デザイン、設定、および参加者:全国規模の医療利用データベースにおいて、外来で急性副鼻腔炎と新規診断され、アモキシシリン-クラブラン酸塩またはアモキシシリンが当日新規処方された17歳以下の小児および青年を対象としたコホート研究。交絡を軽減するために傾向スコアマッチングを用いた。

曝露:アモキシシリン-クラブラン酸塩またはアモキシシリンの新規処方箋調剤。

主な転帰および評価項目:治療失敗は、新規抗生物質調剤、急性副鼻腔炎による救急部または入院での受診、副鼻腔炎合併症による入院での受診の合計と定義し、コホート登録後1~14日目に評価した。有害事象は、胃腸症状、過敏症、皮膚反応、急性腎障害、二次感染などを評価した。

結果:コホートには320例141人が登録された。傾向スコアマッチング後の患者数は198 942人(各群99 471人)で、内訳は女性100 340人(50.4%)、12~17歳の青年101 726人(51.1%)、6~11歳の小児52 149人(26.2%)、0~5歳の小児45 067人(22.7%)であった。治療失敗は全体で1.7%にみられ、0.01%に重篤な治療失敗(救急部または入院患者との遭遇)がみられた。アモキシシリン-クラブラン酸塩群とアモキシシリン群の間で治療失敗のリスクに差はなかった(相対リスク[RR]、0.98[95%CI、0.92-1.05])。胃腸症状(RR、1.15[95%CI、1.05-1.25])およびイースト菌感染症(RR、1.33[95%CI、1.16-1.54])のリスクは、アモキシシリン-クラブラネート群で高かった。患者を年齢で層別化した結果、アモキシシリン-クラブラン酸塩投与後の治療失敗リスクは、0~5歳ではRRが0.98(95%CI、0.86-1.12)、6~11歳ではRRが1.06(95%CI、0.92-1.21)、12~17歳ではRRが0.87(95%CI、0.79-0.95)であった。アモキシシリン・クラブラン酸塩投与後の有害事象の年齢層別リスクは、0~5歳ではRRが1.23(95%CI、1.10-1.37)、6~11歳ではRRが1.19(95%CI、1.04-1.35)、12~17歳ではRRが1.04(95%CI、0.95-1.14)であった。

結論と関連性:外来治療を受けた急性副鼻腔炎の小児において、アモキシシリン-クラブラン酸塩を投与された小児とアモキシシリンを投与された小児とで治療失敗のリスクに差はなかったが、アモキシシリン-クラブラン酸塩は胃腸症状およびイースト菌感染のリスクが高いことと関連していた。これらの知見は、急性副鼻腔炎における経験的抗菌薬選択の決定に役立つと考えられる。

急性副鼻腔炎の議論はかみ合わないことが少なくありません。研修医に「副 ..

日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌49(2):143-247,2010

土曜日に副鼻腔炎になりアモキシシリンカプセル250mgを1日3回のんでます。少し前に飲んだら脈が早くなり、とりあえず落ちついたら治ってきたのですが副作用ではないでしょうか?今は落ちついてます。飲む前に不安になってたのでその症状がでたのでしょうか?(30代/女性)

山口県山口市、県庁・ザビエル記念聖堂そばの耳鼻咽喉科かめやまクリニックの副鼻腔炎(蓄のう症)に関するQ&Aです。

2012;307(7):685-692

背景:
急性副鼻腔炎に対する抗菌薬治療のエビデンスは限られているが
いまだに抗菌薬はひろく使用されている。

目的:
臨床診断における成人急性副鼻腔炎に対する
アモキシシリンによる治療効果を同定する。

デザイン:
成人の非複雑性急性副鼻腔炎に対するランダム化プラセボ対照試験
Missouri between November 1, 2006, and May 1, 2009

介入:
10日のアモキシシリン(1500 mg/d)あるいはプラセボ。
全患者は5日から7日の疼痛、発熱、咳嗽、鼻汁などの症状治療を
受けることができる。

プライマリアウトカム:
プライマリアウトカムは治療3-4日後の疾患特異的QOL:
Sinonasal Outcome Test-16スコアとした。
セカンダリアウトカムはレトロスペクティブ・post hocの
副鼻腔炎症状の解析、機能ステータス、再発の有無、有害事象。
アウトカムは電話インタビューで3日目、7日目、10日目、28日目に施行。

結果:
166人の成人(36% male; 78% with white race)がランダムに割り付け
された:アモキシシリン(n = 85)、プラセボ(n = 81)。92%が1つ以上の
症状治療を受けた(アモキシシリン群94% v プラセボ90%; P = .34)。
ベースラインとして、プラセボ群の方が、high educational statusであり
喫煙歴も多い傾向にあった。
Sinonasal Outcome Test-16スコアは3日目に有意差はなかった
(アモキシシリン群減少 0.59、プラセボ群減少0.54;
平均群間差0.03 [95% CI, −0.12 to 0.19])。
10日目も同様に有意差なし(平均群間差0.01 [95% CI, −0.13 to 0.15])。
7日目においてはアモキシシリン群で良好な結果であった
(平均群間差 0.19 [95% CI, 0.024 to 0.35])。
また、3日目における症状改善報告では統計学的な差はみられなかった
(アモキシシリン37% vs プラセボ34%; P = .67)。10日目も同様
(78% vs 80%, respectively; P = .71)。しかしながら7日目では
やはりアモキシシリンにおいて症状改善の報告が多かった
(74% vs 56%, respectively; P = .02)。特に、鼻閉がある患者
においては、症状改善はやはり有意でOR4.59 (95% CI, 1.16-18.12)。
他のセカンダリアウトカムについては有意差はなし。重篤な有害事象もなし。

考察:
過去に抗菌薬使用によって成人副鼻腔炎症状を改善させたという
論文はいくつかある。

副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に大別されます。急性副鼻腔炎は細菌やウイルスの感染が原因となりますが、慢性副鼻腔炎は細菌やウイルスによる感染症ではなく病態(病気の原因や病状のタイプ)が多様で個々の患者様によって治療方法も異なります。それゆえ、慢性副鼻腔炎の治療に当たっては慢性副鼻腔炎の病態を鑑別して診断することが重要です。症状や病歴だけでなく、アレルギー性鼻炎・喘息・鼻中隔弯曲・鼻茸などの有無や鼻汁の性状、画像所見(検査や線検査)などを参考にして、個々の患者様の慢性副鼻腔炎の病態にあった治療を行います。
当院では内視鏡(電子スコープ)や撮影装置を備えており、初診時に慢性副鼻腔炎の詳細な評価が可能です。

急性副鼻腔炎ではAMPC/CVAよりAMPCの方が副作用が少ない

今回は副鼻腔炎についてです。山内診療所にも、副鼻腔炎で受診される方が多いですね。風邪症状のあとから発症するケースが目立ちます。

プライマリ・ケアを対象としたACP/CDCの指針では、急性細菌性鼻副鼻腔炎の診断と抗菌薬治療の
適応は、10日以上症状が持続する (10-day mark) 場合や重複例、ウイルス性疾患の軽快後に再度悪化
した場合に限定されています。一方、経過観察中に症状が増悪する (double sickening) 場合 (図2)
には、10日を待たずに急性細菌性鼻副鼻腔炎と判断し、抗菌薬の適正使用に基づく治療を行うことが
推奨されています。


◎ 中耳炎・副鼻腔炎・頚部感染症(複数菌や嫌気性菌の関与が想定 ..

副鼻腔炎が起こる原因としては、まず風邪などのウィルスや 細菌の感染によって鼻腔に炎症が起ります。副鼻腔は鼻腔とつながっていますから、副鼻腔にも炎症が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎ですが、急性の場合には自然に治ったり、短期間細菌を叩く抗生物質などの薬物療法で、比較的簡単に治ります。ただ、ここで問題となるのは、副鼻腔粘膜の炎症が長引いた場合で、そうなると本来うみを排出する能力を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、さらに炎症が治りにくくなるという悪循環におちいります。この状態が慢性副鼻腔炎、俗に言う蓄膿症です。ひどいときには腫れた粘膜が鼻腔まで広がって、ポリープ(いわゆる鼻たけ)になったりします。
この他にも、ハウスダストや花粉によるアレルギーや、喘息などが副鼻腔炎を治りにくくする場合もありますし、鼻中隔弯曲症や中甲介蜂巣などの骨構造の異常も悪化因子となり得ます。

成人急性副鼻腔炎に対するアモキシシリンの有用性を検討したRCT。Primary Outcomeである3日後の症状には有意差を認めなかった。

近年、小児の副鼻腔炎は程度が軽くなってきており自然に治る傾向もあるため、減少傾向にあります。しかし、一方ではアレルギー性鼻炎の合併が60%弱に認められ、滲出性中耳炎などの耳の病気や頑固な咳の原因にもなるために放置できない副鼻腔炎が多いことも事実です。治療は成人の副鼻腔炎とほぼ同様でマクロライド系抗生物質の長期少量投与や抗ヒスタミン剤などの薬物療法が中心となります。ただ、保存的治療で良くならない場合やポリープがある場合、耳や咳などの合併症が良くならない場合は手術が必要となります。一般的には小児の副鼻腔炎は7~8歳をピークとしてそれ以後は治癒傾向にあるために10歳を過ぎても良くなってこないときに手術を考えます。現在では内視鏡下手術により、骨の発育に悪影響を与えない手術もできるようになってきましたが、小児の場合は必要最小限の手術がふさわしいと考えられています。また、術後の治療も重要で、成人以上に完全治癒までの時間がかかるために術後数年間は経過観察が必要です。

急性副鼻腔炎|南馬込おかばやし耳鼻咽喉科 西馬込 耳鼻科 大田区

副鼻腔炎とは、鼻の奥にある空洞である副鼻腔の炎症のことを指します。主な症状は以下の通りです。

鼻づまり:副鼻腔が炎症を起こすことで、腫れや粘液がたまり、鼻づまりが起こります。
頭痛:副鼻腔が炎症を起こすことで、痛みが生じます。特に目や額の周りに痛みが生じることが多いです。
熱や倦怠感:副鼻腔炎が進行すると、発熱や倦怠感が生じます。
鼻水:副鼻腔が炎症を起こすことで、鼻水が出ることがあります。
嗅覚の低下:副鼻腔炎が進行すると、嗅覚の低下が生じることがあります。

副鼻腔炎による次の諸症状の緩和くしゃみ、鼻みず(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い)

最近、学会などでも治りにくい副鼻腔炎としてしばしば取り上げられているのが好酸球性副鼻腔炎です。これは鼻内に増加している好酸球(自身の血球の一種)が主体となって炎症を起こしているものであり、通常の副鼻腔炎に比べて治療抵抗性であることが知られています。

①風邪の中で抗生剤が必要な病気は? 抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎と急性副鼻腔炎です。 ・急性扁桃腺炎

研究デザイン自体はコホート研究であり、 本来あまり強い結論には至れません。 しかしながら、 小児急性副鼻腔炎に対するアモキシシリン・クラブラン酸の安易な処方に対する制限の大きな流れからJAMA誌に採用されたもの、 と考えます。

アモキシシリンカプセル250mg蓄膿症に関する医師への質問7件

顔の骨の中に、副鼻腔という空洞があります。副鼻腔は、頬骨の中、眼の内側、眼の上側など、鼻と両眼を取り囲むような場所にあります。頬骨の中の副鼻腔を上顎洞、眼の内側の副鼻腔を篩骨洞、眼の上側の副鼻腔を前頭洞といいます。また、これ以外に、鼻の一番奥と脳との間には、蝶形洞という副鼻腔もあります。各副鼻腔は、小さな穴で鼻の中(鼻腔内)とつながっています。鼻腔内に炎症がおこるのが鼻炎で、副鼻腔のなかに炎症がおこるのが副鼻腔炎です。慢性の副鼻腔炎のことを、俗に蓄膿症ともいいます。

土曜日に副鼻腔炎になりアモキシシリンカプセル250mgを1日3回のんでます。 少し前に飲んだら脈が早くな…

抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎急性副鼻腔炎です。

アモキシシリン 875mg で 副鼻腔炎、急性-臨床試験登録

鼻副鼻腔炎は鼻腔へのウイルス感染が先行し,次いで細菌感染が生じて発症する.鼻処置を優先し,急性では重症度に応じ抗菌薬治療を行う.第1選択薬はアモキシシリン(AMPC)である.3か月以上鼻漏や湿性咳嗽などの呼吸器症状が持続する場合は慢性と判断する.

高用量と標準用量のアモキシシリン/クラブラン酸による急性副鼻腔炎の治療:確認研究

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック後ではより的確な急性細菌性鼻副鼻腔炎の診断
(10-day mark,double sickening) が大切となる.「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年追補版」
に準じ、鼻漏、不機嫌・湿性咳嗽 (小児)、顔面/頭頚部痛・圧迫感 (成人)の臨床症状、鼻汁・後鼻漏の
鼻腔所見により急性鼻副鼻腔炎を診断するとともに、重症度を分類することが推奨される (表1)。

ちくのう症(蓄膿症)・副鼻腔炎の最も多い原因は風邪ですが、花粉症やハウスダストなどのアレルギー症状、細菌やカビなどの菌が原因にもなります。

まず、内視鏡を使って鼻腔と副鼻腔との交通路を観察することが重要です。副鼻腔炎になると、副鼻腔と鼻腔の交通路の部分の粘膜が腫れて狭くなったり、副鼻腔から膿が流れ出てきたりします。次いで、レントゲン撮影を行うのが一般的です。レントゲンでは、骨は白く写り、空気の部分は黒く写ります。正常の副鼻腔は空洞なので、黒く写りますが、副鼻腔炎がおこり、粘膜が腫れたり膿がたまったりすると白く写ります。

通常、副鼻腔炎にはアモキシシリン500mg/回を、1日3回投与する。 2013年10月10日

慢性副鼻腔炎の成因や病態は、様々で慢性副鼻腔炎といっても患者様によってその成因や病態は異なります。
大きく分けて好酸球性副鼻腔炎と非好酸球性副鼻腔炎に分類され、それぞれの中にもいくつかの種類があります。
病状や鼻腔所見、画像所見などから個々の患者様の副鼻腔炎のタイプを判断し、それに合わせた治療がとても効果的です。

CDTR-PI(cefditoren pivoxil,セフジトレンピ

病態が多様で治療方法も様々な慢性副鼻腔炎の治療では、個々の患者さまの病態を鑑別し、病態にあった治療の実施がポイントになります。そのため症状や病歴のみならず、アレルギー性鼻炎・喘息・鼻中隔弯曲・鼻茸などの有無、鼻汁の性状、X線検査やCT検査といった画像所見などを参考にします。