エビリファイの作用について、他の抗精神病薬と比較してみましょう。



診療のポイント

躁うつ病を発症し過去14年間の薬物療法中に、薬剤性パーキンソン症候群(アカシジアを含む)、遅発性ジスキネジアなど錐体外路症状が散見されたが、その都度の薬物調整で錐体外路症状はコントロール可能で、外来通院を継続できた。糖尿病を合併している為、非定型抗精神病薬の選択肢は限られた。こうした中で、錐体外路症状惹起作用の少ないアリピプラゾールは選択可能な抗精神病薬と考えられ、処方してきた。ところが同薬を12mgに増量したところ、激しい錐体外路症状(遅発性ジスキネジア・ジストニア)を発症し、ジストニアによる歩行困難の為、67日間の入院加療を余儀なくされた。薬物療法には難渋したが、遅発性錐体外路症状の治療薬である、リボトリール・カタプレスの併用と気分安定薬はバレリン単剤とし(⇒)、少量のレボメプロマジンを併用する事で遅発性錐体外路症状は消褪し、躁状態も安定した。
長期間薬物療法の継続を必要とする双極性障害の薬物療法は、錐体外路症状を惹起し易いので、気分安定剤と抗精神病薬を適切に選択する事がポイントをいえよう。


エビリファイの副作用について、他の抗精神病薬と比較してみましょう。

11日目
ナースステーションの前をウロウロ行ったり来たりする。
看護師が「どうしましたか?」と尋ねても返答しない為、「口に出して言わないと分かりませんよ」と返答を促すと、「外を歩きたい」と発語あり。
看護師同伴で近くの海岸まで散歩に出掛ける。
散歩の帰りに病院体育館に寄ると、卓球台を見つめるため、卓球に誘うと応じた。

三環系抗うつ薬は効果が強くてしっかりと効いたのですが、副作用も強いのが難点でした。

このようにエビリファイでは、眠気と不眠のどちらも生じることがあります。

入院10日目
車椅子に乗車している。
不随意運動は全く認められない。
立位を取るように指示すると、テーブルに手を付き、立位は取れるが、歩行不能。
以後不随意運動の再現はないが、歩行困難で、歩行器を使い、歩行練習を行って貰う。
しかし、歩行動作は不安定でやや右に傾く様子(ジストニア)認められる。

しかし、うつ病にエビリファイが用いられるケースは少なくありません。エビリファイをうつ病に用いる判断は、医師によってそれぞれ考え方があるため、「こういったうつ病にはエビリファイが効く!」と明確に決まったものはありませんが、ここでは私見も含めてになりますが「エビリファイを処方されるのはこんな時」というものを紹介します。

うつ病の治療でエビリファイ(アリピプラゾール)を使用するときとは

入院5日目
終日鼾をかき眠っている。
覚醒時は上肢の振戦著明。
嚥下困難で食事は2~3割程度介助にて摂取。錐体外路症状の改善不十分である為、カタプレス追加処方し、レボトミン減量した。
処方
1)バレリン(200mg) 6T
リボトリール(1mg)3T
カタプレス(0.075mg)3T 分3 毎食後
2)レボトミン(5mg) 1T
ニトラゼパム(10mg)1T 分1 就床前

胃腸の血液の流れを増やし、粘膜を修復するとともに胃腸の運動をよくする働きがあります。強い不安や緊張感をやわらげ、心の病気で起きる幻覚、妄想などをおさえます。

レクサプロとエビリファイについて | 医師に聞けるQ&Aサイト

抗精神病薬はそれ以外にも、うつ病の増強療法で使われることも多く、エビリファイがその代表です。気分安定作用があるといわれています。このため、双極性障害のように気分の波がある病気に使われることも多いです。気分安定薬に比べると効果が早いですが、鎮静作用によって眠気が生じたり、体重増加の副作用が多いです。エビリファイの他には、セロクエル、ジプレキサ、リスパダールなどが使われます。
それ以外にも、イライラや興奮を落ちつけて衝動性を抑える、食欲を増加させる、睡眠を深くする、抗うつ剤の効果を増強する、といった目的で使われます。

薬物療法
抗精神病薬に関してはアカシジアとの関連で、エビリファイ1.5mgから6mgまで増減したが、1.5mgでは疎通不良となり、6mgではアカシジア出現する為、最終処方(入院71日目)は以下とした。。


現在のレクサプロ、エビリファイ、ドグマチールにプラスしてフルボキサミンマレインという薬が追加になった

入院治療経過
入院日
急性期治療病棟閉鎖サイドに医療保護入院。
独歩で穏やかに入室。主治医が看護師同伴で訪室するとベッドに腰掛けている。エビリファイ3mg1錠を看護師から手渡して服用を促すが、体を捻り後ろ向きとなり拒否する。
内服での治療不能と判断し、ハロマンス(50mg)1Aを筋注した。

【まとめ】抗うつ剤のリアルな使い心地:レクサプロ・プロザック・エビリファイ・ゾロフト・ドグマチール・エフェクサ.

アリピプラゾール(エビリファイ)は、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用、ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及びセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持つ薬剤である。明確な機序は不明であるが、これらの薬理作用が臨床における有用性に寄与しているものと考えられている。

エビリファイ(アリピプラゾール) · レキサルティ(ブレクスピプラゾール ..

エビリファイ(3mg)1T (抗精神病薬)
レクサプロ(10mg) 1T (抗うつ薬:こだわり改善目的)
リボトリール(1mg)1T (自律神経発作治療薬:不安改善目的)
セドリーナ(2mg) 1T (抗パーキンソン薬:アカシジア改善目的)
1日1回 朝食後

レクサプロ他)などの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI ..

64歳4月
このところ、万歩計を使って歩き出した。夜中に妻を起こして喋りまくる。
遺言状を作成したと言い、眼光鋭い。
躁転した為、抗うつ薬中止し、リーマス追加処方し、アリピプラゾールを3mgから12mgに増量した。

その中で薬物治療においては、エスシタロプラム(レクサプロ)が他 ..

過剰服用に注意が必要です。特に、アルコールのような他の中枢神経抑制薬を摂ってしまった場合は、十分な注意が必要です。中枢神経抑制作用が増強し過ぎてしまうため、呼吸中枢など生命維持に必須な部分までが止まり、命に関わる場合もあります。

レクサプロ, エスシタロプラム, SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)

こんな状態ではとても働けないので、医療にくわしい友人と面接していただき、「中村さんはこんな薬は必要ないですよ。新薬のエビリファイ1錠だけで充分です」と言ってくれました。
そしたら主治医も納得してくれました。
薬を変えていただいたら、ほとんど副作用はなくなりました。
この状態なら働けると思いました。
働く意欲が出てきました。
そしてハローワークに行き会社が決まりました。
病気になって働き始めて10数年になります。

エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)について解説します。統合失調 ..

抗うつ剤だけでは十分な改善が得られない場合は、増強療法としてエビリファイも検討されます。

精神科医がレクサプロ(一般名:エスシタロプラム)について解説します。

この薬は、セロトニンを増加させる作用に絞った薬です。セロトニンを高める作用のある薬で、うつ病以外の精神症状にも効果が期待できます。レクサプロは即効性を期待する薬ではないため、効果実感は、概ね約2~4週間ほどかかります。

[PDF] 新たに向精神薬に指定される内服薬の投薬期間について(案)

痙攣・セロトニン症候群※1・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)※2・QT延長・心室頻拍(torsades depointes含む)・倦怠感・異常感・発疹・湿疹・悪寒・頭痛・傾眠・浮動性めまい・あくび・睡眠障害(不眠)・異常夢(悪夢含む)・アカシジア・悪心・口渇(口の渇き)・味覚障害・腹部不快感・下痢・動悸・精神運動不穏・RBC・Ht・Hb減少・肝障害(肝機能異常)※3・排尿困難(尿が出にくい)・頻尿・耳鳴り・多汗症・回転性めまい・血小板増加、血小板減少など

薬物相互作用検索ツール | ゾコーバ | 塩野義製薬 医療関係者向け情報

同12月
手指振戦、遅発性ジスキネジア共に消失した。
以後安定。
62歳3月
「夜間家の中に人が入って来る感じがして、殺気を感じる」と妻に訴え、夜中にウロウロする為、エビリファイ6mg追加処方した。

エビリファイ錠3mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

診療のポイント
幼少時より極めて適応状態の悪い高機能自閉症青年が長期間自宅に篭もっていたが、幻聴・興奮など精神病状態を呈した為入院治療に導入された。入院時は拒食、拒薬で強い拒絶状態であったが、ハロマンス筋注にて拒絶状態が改善した。その後抗精神病薬エビリファイを主剤とし、レクサプロ(こだわり改善)、リボトリール(不安改善)、セドリーナ(アカシジア改善)を加え薬物治療を行ったところ、精神病症状のみならず、自閉症の中核症状である自閉、対人的接触性も改善し、入院前よりも高い社会適応能力レベルに至った。この治療効果は主にはエビリファイによるものと思われる。エビリファイは、2016年に、自閉症スペクトラムに伴う易刺激性への効能追加が承認されたが、本症例では中核症状の自閉にも有効と考えられた。薬物奏効時に、看護師の適切な介入や、知的障がい者施設の支援者との緊密な連帯により、『生活圏を拡大させる試み』をした事で、劇的な改善が得られたのであろう。

エビリファイ錠1mg~3mg~6mg~12mg、エビリファイOD錠3mg~6mg~12mg~24mg ..

双極症に対しての投与が認められている薬剤は、オランザピン(ジプレキサ)、ビプレッソ、エビリファイ(アリピプラゾール)、ラツーダです(日本うつ病学会治療ガイドラインⅠ.双極性障害 2020 では、オランザピン、リスペリドン、パリぺリドン、アセナピンといった非定型精神病薬(第2世代抗精神病薬)やチミペロン、ゾテピンなどの定型抗精神病薬(第1世代抗精神病薬)も使用されることがありますが保健適応外のため今回は省略します)。

医療用医薬品 : エビリファイ (エビリファイ内用液0.1%)

※1 不安・焦燥・興奮・錯乱・幻覚・反射亢進・ミオクロヌス※4・発汗・戦慄・頻脈・振戦・血圧上昇等があらわれる。
※2 痙攣・意識の低下・頭痛(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満)
※3 肝臓の重い症状:だるい・食欲不振・吐き気・発熱・発疹・かゆみ・皮膚や白目が黄色くなる・尿が茶褐色。
※4 突然生じる筋肉のピクッとした収縮

エビリファイ1mgを服用していました。 診断は社交不安障害です…(2024/03/08)

入院4年前
通所困難となり、家から一歩も出る事なく自宅に篭もっていたが、神楽衣装製作は継続していた。言葉が出ない。視線を合わせない。唯一会話をする母親とも単語のやり取りをする程度。両親に全面的に依存した生活を送っていた。
主治医(筆者)往診にて年金診断書を作成した。