抗てんかん薬を使用するときは、睡眠や認知機能に考慮した治療選択を


それでは睡眠薬の開発の歴史についてお話いたします。1950年代のバルビツール酸系睡眠薬や非バルビツール酸系睡眠薬(麻酔薬や抗てんかん薬としても知られる)に始まり、1960年代にはベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発され、作用時間や強さの異なる非常に多くの薬が発売されました。ベンゾジアゼピン系の薬は一般的な睡眠薬として今でも数多く使われておりますが、その作用機序はGABAA受容体における神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を強めることであり、これにより、鎮静、催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩など様々な作用を示します。このため睡眠薬としてだけでは無く、安定剤などとしても幅広く使われます。この系統の薬は睡眠に関係のあるところだけを直接刺激するわけではないので、副作用として脱力やふらつき、一過性の健忘などが出ることがあり、習慣性や抵抗性、さらに内服を止めた時の反跳性不眠(かえって眠れなくなる)が問題となります。それらを改善すべく1989年にはベンゾジアゼピン受容体のうち睡眠作用に関わる部分だけをより選択的に刺激する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Zドラッグと呼ばれる)も登場しております。そして2010年には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの受容体を刺激するメラトニン受容体作動薬が発売され、今回さらに不眠症で過剰に興奮した覚醒中枢に直接作用するオレキシン受容体拮抗薬が発売され、より自然に近い睡眠を誘発できるのではと期待されております。


メラトニン受容体作動薬にはメラトニン(商品名:メラトベル)と ..

人間の体内時計は1日の24時間よりは少し長い25時間が1日であり、朝が来ると大体決まった時間に目が覚め、起きてから大体17時間くらいすると生理的に眠くなってくることが知られています。この仕組みは、朝になって光を浴びると脳内の体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。この時、体内時計からの信号で、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、オレキシンの分泌が高まります。そしてメラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌され、メラトニンの作用により身体の活動は低下して血圧・脈拍・体温などが下がり休息に適した状態となって眠気を感じるようになるわけです。また気持ちが高ぶって興奮すると眠れませんが、情動によりオレキシンの分泌が盛んになっているのだそうです。

てんかんは、最もよく見られる長期間にわたる神経系疾患の1つである。複数の抗てんかん薬が利用できるにもかかわらず、患者の30%には依然として痙攣発作(ひきつけ)が起こっている。報告によると、メラトニンはてんかんに有効な可能性があり、安全性プロファイルも良好である。メラトニンは体内で産生されるが、睡眠障害や時差ぼけなどの問題を治療するために医師が処方することもある。

Dravet症候群患者における抗てんかん薬との併用療法として、抗てんかん薬のフェン ..

てんかんは、最もよく見られる長期間にわたる神経系疾患の1つである。複数の抗てんかん薬が利用できるにもかかわらず、患者の30%には依然として痙攣発作(ひきつけ)が起こっている。報告によると、メラトニンはてんかんに有効な可能性があり、安全性プロファイルも良好である。メラトニンは体内で産生されるが、睡眠障害や時差ぼけなどの問題を治療するために医師が処方することもある。

てんかんは最もよくみられる慢性の神経障害の一つで、いくつかの抗てんかん薬を利用できるにもかかわらず、患者の30%では発作が継続してみられる。報告によると、メラトニンには抗けいれん作用があり、安全性プロファイルは良好であると示唆されている。参加者102名の4件の試験を今回のレビューに組み入れた。1、メラトニン対プラセボ、2、メラトニン5 mg対メラトニン10 mgの2つの異なる比較が実施されていた。選択した研究の方法論的質は不良で、発作頻度、発作消失、有害事象をシステマティックに評価していなかった。1件の研究のみが、ベースラインに比べた試験中の発作頻度をシステマティックに報告しており、1件の試験のみが生活の質に対するメラトニンによる直接の影響について評価していた。てんかんの人における発作頻度の低下および生活の質の改善でのメラトニンの役割について、明らかな結論を出すことはできなかった。

メラトニンは松果体で分泌されるホルモンであり、アミノ酸のトリプトファンから ..

医療データベースで、てんかん患者を対象にして、抗てんかん薬にメラトニンを追加する(付加投与)群と、抗てんかん薬に偽物の薬(プラセボ)を追加するか何も追加しない群を比較する臨床試験を検索した。参加者は任意の年齢または性別で、身体障害を有する小児および成人が含まれていた。試験では、痙攣発作の頻度の半減、痙攣発作のない患者(無発作状態)の割合、副作用、生活の質の改善を測定していた。

医療データベースで、てんかん患者を対象にして、抗てんかん薬にメラトニンを追加する(付加投与)群と、抗てんかん薬に偽物の薬(プラセボ)を追加するか何も追加しない群を比較する臨床試験を検索した。参加者は任意の年齢または性別で、身体障害を有する小児および成人が含まれていた。試験では、痙攣発作の頻度の半減、痙攣発作のない患者(無発作状態)の割合、副作用、生活の質の改善を測定していた。

中枢神経障害と睡眠・覚醒リズム異常におけるメラトニン動態の研究

解析対象とした試験は方法論的に質が低く、てんかん患者における痙攣発作頻度の低減または生活の質の改善にメラトニンが果たす役割について最終的な結論を導き出すことは不可能であった。

解析対象とした試験は方法論的に質が低く、てんかん患者における痙攣発作頻度の低減または生活の質の改善にメラトニンが果たす役割について最終的な結論を導き出すことは不可能であった。


フランスではメラトニンは医薬品、調剤薬品、サプリメントに使用されている。 ..

ランダム化比較試験;二重盲検、単盲検または非盲検試験;並行群間試験またはクロスオーバー研究。年齢、性別を問わず、障害のある小児、成人を含めたてんかんの人。抗てんかん薬に対する追加療法としてメラトニンの投与をプラセボ追加または無追加療法と比較しているもの

そしてメラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が ..

てんかんに対する追加療法としてのメラトニンの有効性および忍容性を評価すること。

てんかん,睡眠時パニック発作,睡眠関連解離性障害,外傷後ストレス症候群 ..

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

7 薬物療法以外のてんかん治療─てんかん外科,生活指導,精神症状における留意点

てんかんは、最もよくみられる慢性の神経障害である。多数の抗てんかん薬(AED)が現在利用可能であるにもかかわらず、患者の30%には発作が継続してみられる。第一選択の方法である単剤療法による発作のコントロールが奏効しないことから、この種の患者にはより積極的な治療が必要となる。しかし多くの場合、多剤療法により神経障害(傾眠、運動失調、めまい)、精神症状、行為症状、代謝変動(骨粗鬆症、肝酵素誘導または阻害など)などの望ましくない多数の影響がみられる。忍容性の高いAEDがこの種の患者には至急に必要である。報告によると、メラトニンには抗けいれん作用があり、安全性プロファイルは良好であると示唆されている。

エッセイ メラトニンと睡眠─特に「メラトニン受容体同定」と「ラメルテオン.

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。

オレキシン受容体拮抗薬の方がメラトニン受容体作動薬に比べ、入眠の効果には優れ ..

睡眠に関係するメラトニンは、脳の松果体という部分から分泌されるホルモン。日中はあまり分泌されず、夜になると活発に分泌されることから、眠りと目覚めのリズムをコントロールしていると考えられています。
時間的には夜であっても、明るい照明の中にいると、その分泌量は著しく減ってしまうことが知られています。近年、「夜、眠れない」「朝、起きられない」人が増えているといわれますが、真夜中でも真っ暗にならない環境、それによるメラトニンの分泌量の変化も影響しているのかもしれません。
メラトニンは時差ぼけや睡眠障害を改善するとして、アメリカなどではサプリメントとしても販売されています。しかし、からだに対する作用は決して小さくはないこともあり、日本では、メラトニンそのものをサプリメントとして販売することは認められていません。それでも、個人輸入などでメラトニンを入手する人は少なくなく、大量摂取によると思われるメラトニン中毒(意識障害など)を起こした例も報告されています。また、メラトニンは血圧や血糖値、眼圧などを変動させる、てんかんの発作を起こりやすくするともいわれ、鎮静作用をもつ薬剤(抗うつ薬、睡眠薬など)や血液を固まりにくくする薬剤(ワルファリンカリウムなど)の作用を強めることも考えられます。何か疾患をお持ちの方は特に、自己判断での摂取は避けるようにして下さい。
日本でサプリメントとして売っていないのなら、こんな相互作用関係ないのでは、と思われた方がいらっしゃるかも知れませんが、実は思いもかけない商品とメラトニンが関係しています。それが牛乳。牛も人間と同じように、昼間、活動して、夜、眠るというのが基本的な行動パターンですから、夜にはメラトニンの分泌量が増え、牛乳にも通常より多くのメラトニンが含まれることになります。牛がまだ眠っている夜明け前や夜中に搾った牛乳に自然な眠りを誘うとされるメラトニンを多く含むといわれています。そんな牛乳が売られていますから注意してみてください。
牛乳に含まれるメラトニンが、からだにどの程度の作用をもたらすのか、不明な点も多いのですが、摂取後は眠くなる可能性が高くなりますから、くるまの運転などは避けたほうが安心です。
あなたのメラトニンがちょっと足りないと感じた時、メラトニンを多く含むホットミルクを飲む。試してみる価値があるかも知れません。

親や養育者がてんかんと思っていても、実際はてんかん発作ではないことが5~6割 ..

130tionnaire of Japanese version;RBDSQ‒J)3)がある.確定診断には,病歴とともにビデオ監視下での睡眠ポリグラフ検査が必須で,レム睡眠中の動作や行動をとらえるか,筋緊張低下を伴わないレム睡眠(REM sleep without atonia;RWA)を確認する.◆◆鑑別診断 夜間の異常行動を起こす病態・疾患,例えば,ノンレムパラソムニア(夜驚症,睡眠時遊行症),睡眠関連てんかん,睡眠時パニック発作,睡眠関連解離性障害,外傷後ストレス症候群,悪夢障害,閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea;OSA),夜間せん妄などがある.◆◆治療 異常行動時の事故防止のため寝室環境を整備する.増悪因子となる過度の飲酒や精神的ストレスを避ける,重症のOSAの併存例ではCPAP(continuous positive airway pressure)療法を行う.薬物療法では,CZP,メラトニン(海外)が有効である.抑肝散,ラメルテオン,プラミペキソール,ドネペジルの有効例も報告されている.◆◆予後 中高年発症の特発性RBDを長期追跡すると,一部の症例でαシヌクレイノパチーに進展することが報告されている.文 献 1) American Academy of Sleep Medicine. International clas-sification of sleep disorders, 3rd ed. Darien, IL:American Academy of Sleep Medicine, 2014:246‒253. 2) Kryger MH, et al (ed). Principles and Practice of Sleep Medicine, 6e. Philadelphia, PA:Elsevier, 2017:993‒1001. 3) Miyamoto T, et al. The REM sleep behavior disorder screen-ing questionnaire:validation study of a Japanese version. Sleep Med 2009;10:1151‒1154.(宮本雅之)S◆◆概念 てんかん原性焦点が一側大脳半球皮質,特に前頭葉の内側,眼窩面あるいは側頭葉深部や下面などに存在し,てんかん発射が両側半球に同期して出現する現象を指す.〔解説〕 二次性両側同期(secondary bilateral synchrony;SBS)の概念はてんかん発射が起始より同期する一次性両側同期(primary bilateral synchrony;PBS)と対比するものとして,Jasper,TükelとJasper1),PenfieldとJasperにより“一側皮質焦点より発生する両側同期性てんかん発射”として記載された. TükelとJasper1) は,一側大脳半球の前頭葉や側頭葉における正中部内側面皮質にてんかん原性病変がある場合,発作間欠期に二次性両側同期の棘徐波複合がみられると報告している. その後の研究により,今日ではSBSの発生には,皮質よりのてんかん発射が中心構造を刺激し,次いで両半球に投射する説,脳梁等を介しててんかん発射が一方の半球から他側へ伝搬する説,帯状束メカニズムによる説が想定されている. 脳波で両側同期性の棘徐波複合を認めていても,その棘徐波の振幅に左右差を認める場合,その棘徐波複合に先行した焦点性てんかん発射を認める場合,棘徐波複合と無関係に焦点性てんかん発射を認める場合,発作時脳波で発作の起始に左右差を認める場合では,その両側同期性の棘徐波複合はPBSよりSBSである可能性が高い.しかし,脳波では一見両側同期性の全般性棘徐波複合がPBSかSBSかを鑑別することは,脳波の視察的検討ではしばしば困難である. Gotman2) はcoherence and phase analysisを脳波上一見両側同期性棘徐波を示すてんかんに応用し,棘徐波の左右半球間の時間差は部分てんかんにおいては6~40 msecであり,これに対して全般てんかんでは5 msec以下であるか,あるいは先行側が不定であることを明Secondary bilateral synchrony二次性両側同期REM

ドラベ症候群とは(詳細版) | ドラベ症候群 l DravetSyndromeJP

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

乳児期発症のてんかん性脳症(てんかん性活動そのものが背景病理から予想される ..

セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった 概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用がある。
以前から睡眠時間が短いと糖尿病になりやすいことが知られていたが、最近ではメラトニンが不足すると糖尿病の発症率が高くなるという研究が報告されている。

医師たちは数百に及ぶ種類のてんかん性症候群(てんかんを含む特定の徴候をいくつ ..

ドラべ症候群の症状のひとつで、成長するにつれて睡眠障害(入眠障害や夜間・早朝の覚醒)が頻繁に起こることがあります。
また、発作の起こる時間帯に関連して引き起こされることがあり、その場合は抗てんかん薬の服用時刻の調節を考慮すべきであるとされています。メラトニンや睡眠導入剤の処方が有効とされていますが、症状のひとつのため改善が難しいことがあります。
日中の活動を増やし、睡眠・覚醒等生活のリズムを整えることが役立つ事もあります。