インスリン分泌がなくなることに加え、グルカゴンなどの血糖値を上げるインスリン拮抗 ..


膵癌の生存率を上げるのはわが国でも喫緊の課題です。
そこで、2007年にJA厚生連尾道総合内視鏡センター長の花田敬士先生が
膵癌の早期発見プロジェクトを立ち上げられ、連携医療機関(開業医など)で
膵癌の危険因子(糖尿病や、慢性膵炎、膵嚢胞など)を有する患者さんを
積極的に腹部エコーや膵酵素などをcheckし、異常を認めた場合、基幹病院に
紹介し、MRCP(MRIでの膵管造影)やEUS(内視鏡を用いたエコー)などで
定期的にfollowするという方法を導入したところ、
2 年半で16例(うち、10例は粘膜内癌)もの
1cm以下の膵癌を発見したとのことです。
膵癌は1cm以下であれば5年生存率は約80%ですから、
これは非常に大きい成果といえます。


インスリンとグルカゴンの関係は拮抗ホルモンで、作用が互いに拮抗することで、血糖値を一定の値に調節しています。 2024年10月21日

さて先日は糖尿病治療薬であるGLP-1作動薬(ビデュリオン)の
勉強会に行ってきました。
GLP-1作動薬とはDPP4阻害薬などに代表されるインクレチン関連薬と
位置づけされる薬剤であり、ビデュリオンは週1回の皮下注射する薬剤です。
皮下注射といいますと、インスリンを思われる方が大半だと思います。
しかしこの薬剤はインスリン注射ではないのです。欧米ではメトホルミンという
内服薬に次ぐ処方の多い製剤なのです。
作用としては血糖値が高いときのみインスリンの分泌を促し、血糖値を
低下させます。
ですから、インスリン分泌のないⅠ型糖尿病ではなく、インスリン分泌の
保たれたⅡ型糖尿病が適応なのです。GLP-1受容体作動薬には、
胃の中にある食べ物をゆっくり小腸へ送ることで、急激な血糖上昇を抑えて
満腹感を高めたり、脳に作用して食欲を低下させる作用もあります。
ですから、副作用に吐き気や嘔吐があるのですが、毎日注射する製剤に比し
週1回のビデュリオンは、消化器症状は少ないといわれています。

私たちの体の血糖値が上がったり下がったりするのには、目に見えない“ホルモン(内分泌)”の働きが関係しています。
ここではホルモンと糖尿病の関係についてお話しします。

メラトニンは網膜への光刺激が遮断されることにより松果体から分泌され,体内時計を調節するホルモンである.

とはいえ、すべての症例が薬剤師によるチェックを含めた術前管理に十分な時間を割けるわけではない。さらに内服薬に関してどの程度休薬期間を設けるか、経口摂取が不可能な期間の代替手段は、どの時点で内服を再開するか、などにも配慮が必要となってきた。実際に最近のオーストラリアからの報告でも慢性痛、糖尿病、てんかん、高血圧、メサドン療法、パーキンソン病で治療中の患者さんが全身麻酔を受ける際に術前内服薬の調節が不良であった場合、PACU での回復が遅れることが示されており(Notaras AP, et al. A cross-sectional study of preoperativemedication adherence and early postoperative recovery. J Clin Anesth 2016;35:129–35)、術前内服薬調節の重要性が示されている。

現在、睡眠薬はハルシオン、デパスなどに代表されるベンゾジアゼピン系、
マイスリー、ルネスタ、アモバンなどに代表される非ベンゾジアゼピン系、
ロゼレムというメラトニン作動薬、以前、当ブログでも
ご紹介いたしましたベルソムラというオレキシン受容体拮抗薬の4種類に大別
されます。
日本では、ハルシオンなどのベンゾジアゼピン系が最も使用されていますが
アメリカでは非常に減少傾向にあります。


ですから、現在は、なるべくその系統の薬剤は減量、中止すべきであると
いわれています。
当院では、当然初回投与では非ベンゾジアゼピン系やベルソムラなどの
薬剤を用いるようにしていますが、すでに長期にベンゾジアゼピン系を服用している
患者さんには、生活指導の上、減量を試みるようにしています。
講演会では、生活指導の方法として

キーワード:膵β細胞 インスリン分泌 メラトニン受容体 N‑アセチルセロトニン

血糖を上げる働きのあるホルモンが何らかの病気により正常よりも大量に分泌されるとインスリンとのバランスが取れず、血糖値が必要以上にあがってしまいます。その結果、糖尿病やその一歩手前の耐糖能異常を引き起こしてしまうのです。

高山病(赤血球・脳グリア細胞の炭酸脱水素酵素阻害による脳組織のCO2分圧上昇と腎尿細管細胞における代謝性アシドーシスを介する呼吸刺激作用)

メラトニン量が高まると、インスリン放出の抑制やインスリン感受性の低下が起こり、耐糖能が低下する可

インスリンの働きは、血中のがエネルギー源として細胞に取り込まれるのを補助し、血糖値を下げることです。食物が吸収されて血糖値が上がると、インスリンの放出刺激になります。

先日は高尿酸血症についての講演会に参加いたしました。
当院でも行っている鹿児島市の特定健診は、メタボの予防、すなわち高血圧、糖尿病、
脂質異常症(高脂血症)に加えて、昨年度より尿酸値が追加されました。
これはなぜかといいますと、尿酸といえば、痛風発作や、結石の
ことを考えがちだと思います。
しかし、最近の研究で尿酸値が高いと、血管の内皮機能が低下する
すなわち、循環器疾患の中心である動脈硬化性疾患の引き金になるのです。


与すると、筋・脂肪組織においてインスリンシグナリングが活性化され、インスリンの作用を増強することが

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」と「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」です。これまでの説明は「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬でした。改良を重ね副作用の低減を積み重ねましたが、2010年に「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」が販売されました。2021年現在では4つの種類があります。メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラとデエビゴになります。メラトニンは体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは脳の中にある松果体という部位から夜の20時頃から分泌されはじめ、深夜をピークに、朝になり太陽の光をあびると分泌されなくなる物質です。メラトニン受容体作動薬はメラトニンの分泌を促すお薬になります。従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、

薬物による低血糖の機序についても、インスリン分泌の促進とインスリン

グルカゴンの主な生理作用は、肝臓のブドウ糖産生を増加させ、血糖値を上昇させることです。そのため、低血糖時のインスリン拮抗ホルモンとして認識されてきましたが、糖尿病においてグルカゴン分泌の調節異常が注目されるようになってきました。糖尿病では食前における血漿グルカゴン濃度の上昇、さらに食後における血漿グルカゴン濃度の抑制不全(あるいは上昇)がみられます。糖尿病における食後高血糖にはインスリン分泌不全とグルカゴン過剰分泌とが等しく寄与しているという報告があります。最近、グルカゴン分泌に注目した糖尿病治療が重要となってきています。

インスリン 検索結果|page:34|医師向け医療ニュースはケアネット

ブドウ糖をはじめとする栄養素や各種ホルモンによるグルカゴン分泌制御のメカニズムに関して未だ定説はありません。ここでは主流と思われる見解や私たちの研究室のデータに沿って解説します。健常者にブドウ糖の静脈注射を行うと血漿グルカゴン濃度は低下(グルカゴン分泌の抑制)します1, 2, 3)
ブドウ糖はα細胞を直接刺激してグルカゴン分泌を促進させますが、同時にβ細胞やδ細胞からグルカゴン分泌抑制因子(インスリン、ソマトスタチン、GABA、亜鉛イオンなど)も分泌させます。ブドウ糖のα細胞への影響を総和した結果はグルカゴン分泌の抑制として表れ、抑制因子の作用が刺激作用よりも強いためと考えられます(図 a)。インスリン分泌の低下している糖尿病患者では、ブドウ糖の静脈注射によるグルカゴン分泌の抑制の程度が小さくなります1, 2, 3)。私たちはブドウ糖によりβ細胞から分泌される亜鉛イオンがパラクライン機構によりα細胞からのグルカゴン分泌を抑制することを発見し、現在そのメカニズムの研究を行っています4)
ブドウ糖と同様に、スルホニル尿素薬もβ細胞やδ細胞からのグルカゴン分泌抑制因子を刺激すると同時に、α細胞に対してはATP感受性カリウムチャネルの閉鎖による直接刺激作用を持っています(図 a)。健常者にスルホニル尿素薬を投与すると、間接的なグルカゴン分泌抑制作用が強くグルカゴン分泌は抑制されますが、インスリン分泌のない1型糖尿病患者においてはα細胞への直接刺激作用がやや強くなり、血漿グルカゴン濃度は上昇する傾向にあります5)
食事による血漿グルカゴン濃度の変化は、食事成分やインクレチン(消化管から分泌され、インスリン分泌を刺激するホルモン)によりさらに複雑な制御を受けます。高蛋白食では健常者と糖尿病患者のいずれにおいても、血漿グルカゴン濃度は上昇します6, 7)。それはアミノ酸がグルカゴン分泌を直接刺激するからです。高炭水化物食における血漿グルカゴン濃度の変化は健常者と糖尿病患者では異なります。これにはインクレチンであるglucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)とglucagon-like peptide-1(GLP-1)が関与しています。GIPは食事により上部消化管のK細胞から血液中に分泌され、β細胞やδ細胞からの分泌を刺激する(グルカゴン分泌の間接的抑制)と同時に、グルカゴン分泌も直接刺激すると考えられています。健常者にGIPを静脈注射すると、グルカゴン分泌の刺激作用と抑制作用が相殺され、血漿グルカゴン濃度はほとんど変化しません8)。一方、GLP-1は下部消化管のL細胞から分泌され、β細胞やδ細胞の分泌を刺激することにより間接的にグルカゴン分泌を抑制すると考えられています(図 b)。α細胞への直接作用は現在のところ否定的です。健常者にブドウ糖や高炭水化物食を経口負荷すると血漿グルカゴン濃度は減少しますが、糖尿病患者では減少しないか、かえって上昇します6, 7)。2型糖尿病患者の血中GLP-1とGIPの血中濃度は健常者と同等であることより、消化管から分泌されるこれらのホルモンの量も健常者と同等と考えられます2)。ところが、2型糖尿病患者にブドウ糖と薬理量のGLP-1を同時に静脈から投与するとグルカゴン分泌は抑制されます。同様にブドウ糖とGIPを同時に投与するとグルカゴン分泌が刺激されます9)。以上の結果より、これらのホルモンが消化管から分泌される条件下において、糖尿病患者ではGIPのα細胞に対する作用がGLP-1の作用より強くなっていると推測されます。糖尿病状態になるとGIPのインスリン分泌作用(β細胞への作用)が低下し10)、グルカゴン分泌作用(α細胞への直接作用)が増強していると推測される現象は興味深いところです。今後の詳細な検討が必要です。
ところで、健常者と糖尿病患者の両者において高炭水化物食における血漿グルカゴン濃度は、ブドウ糖静注時にみられる濃度よりも高くなります。食事により消化管からはインクレチン以外の未知のホルモンも分泌されていると推測されます。それらのホルモン作用の総和はグルカゴン分泌を刺激する方向に作用するようです。インクレチン以外でグルカゴン分泌を刺激する消化管ホルモンとして、glucagon-like peptide-2(GLP-2)が挙げられています9)

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)+Ca拮抗薬 · アンジオテンシンII受容体拮抗 ..

グルカゴン受容体は種々の組織(心、消化管、腎、脳、脂肪組織など)に発現しており、これらの組織におけるグルカンゴンの様々な作用が知られています(表)。消化管蠕動運動の抑制作用は、消化管のX線及び内視鏡検査の前処置に臨床応用されています。グルカゴンの主な作用は、肝においてグリコーゲン分解と糖新生によるブドウ糖の産生・放出を促進し、血糖を上昇させることであり、これは低血糖時の救急処置に応用されています。健常者の空腹時において、グルカゴンはグリコーゲン分解により血糖値を上昇させます。一方、カテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが上昇している状態(低血糖時やコントロール不良の糖尿病など)では、糖新生の基質が血液中に豊富となり、糖新生による血糖値上昇が優位となります11)

開始された。2020年からはゾルトファイ® 配合注とスタチンおよびアン

血糖値の調節に最も関与しているホルモンはインスリンと考えられていますが、グルカゴンの作用もそれに劣らず重要です。最近、糖尿病においてグルカゴン分泌の調節異常が注目されるようになってきました。糖尿病患者の空腹時血漿グルカゴン濃度は健常者より上昇し、肝の糖産生による空腹時高血糖の原因となっています12)。さらに、1型糖尿病におけるケトアシドーシスはインスリンの枯渇だけでは誘導されず、グルカゴンによるグリコーゲン分解、糖新生、ケトン体生成、および脂肪分解が関与します13)
食事やブドウ糖負荷後において肝の糖吸収を促進させる因子としてもインスリンが重要とされていますが、グルカゴンはインスリンのこの作用に対しても拮抗的に働きます。糖尿病患者における食後の血漿グルカゴン濃度の上昇(抑制不全)は、肝グリコーゲン合成の低下と肝糖産生の不十分な抑制をもたらし、食後高血糖につながります14)。筋肉におけるブドウ糖の取り込み量は健常者との差はみられません。食後の高グルカゴン血症は、膵炎やステロイドによる糖尿病でも観察されていますので、高血糖状態でみられるインスリン抵抗性などによる2次的な現象と考えられています15)

ジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)にて治療を行っている。昨年度まで

糖尿病患者にGLP-1を注射すると食後の過剰なグルカゴン分泌が抑制され、食後高血糖の改善がみられます。血漿グルカゴン濃度は、 2型糖尿病において約50%、1型糖尿病において約20%まで低下します16)。GLP-1投与による2糖尿病患者の治療において、グルカゴン分泌の抑制作用による血糖降下度とインスリン分泌促進作用による血糖降下度は同程度であるという報告があります17)。一方、2型糖尿病患者において、食事負荷時にGIPを投与すると、血漿グルカゴン濃度が上昇し、血糖値も軽度上昇します18)。従って、GIPは血糖コントロールという面においては糖尿病治療薬として適さないと考えられています。
現在、2型糖尿病の治療において2種類のGLP-1アナログ製剤が使用されていますが、いずれの製剤も食後の血漿グルカゴン濃度を低下させることが報告されています。また、臨床研究レベルでは内因性インスリン分泌が枯渇した1型糖尿病患者でも同様の作用が報告されています。この結果は、GLP-1の刺激によりδ細胞から分泌されたソマトスタチンがグルカゴン分泌を抑制することを示唆しています。

melanophore stimulating hormone ..

最近まで、高血糖の原因としてインスリン分泌不足のみが強調されていました。ところが、GLP-1関連薬の登場を契機にグルカゴンの高血糖への関与が注目され始め、グルカゴンの分泌や作用に関する研究が盛んに行われるようになってきています。今後の糖尿病の治療は、インスリンとグルカゴンの両者の血中濃度を制御することを目的とした方向へ進むと考えられます。グルカゴンについて現在までの研究成果を簡単にまとめましたが、未だ不明な部分が数多く残されています。当教室ではグルカゴン分泌とその作用について、基礎的・臨床的側面の両方から研究を進めています。