髄膜炎菌感染症の発症リスクを高める要因には次のようなものがあります。
嚥下障害のある患者に対して,経皮的胃瘻造設術(PEG)が盛んに行われている.しかし,せっかく胃瘻を作っても,嚥下性肺炎のリスクは通常の経鼻胃管と変わらないことが明かとなっている.また,幽門を越えてチューブを入れても,やはり嚥下性肺炎のリスクは変わらない.これは,嚥下性肺炎の主な原因となる,口腔内の分泌物と細菌叢は,並びに食道胃逆流現象は,胃瘻でも経鼻胃管でも同様に起こるためと思われる.胎児ドパミンニューロンの移植:さえない結果C.
髄膜炎菌感染症におけるMRI所見には以下のようなものがあります。
くも膜下出血,脳炎,髄膜炎と間違えやすい(頭痛,嘔吐の他,意識障害が高頻度に生じる)が,診断のポイントはこれらの症状の他,低血圧や電解質異常などの副腎不全に代表されるような内分泌不全の徴候を示すことである.
精神状態の変化と筋硬直が認められた16歳の少年Case 12-2001: A 16-Year-Old Boy with an Altered Mental Status and MuscleRigidity. N Engl J Med 2001;344:1232.
これまで横断的研究しかなかった痴呆とホモシステインについて,有名なフラミンガムスタディで8年間のフォローを行なった結果,そう結論された.
パーキンソン病治療のエビデンス集
Olivier Rascol, Christopher Goetz, William Koller, Werner Poewe, CristinaSampaio.
小児例の細菌性髄膜炎の予後と後遺症を検討する. □ 解説・エビデンス
N Engl J Med 2001;344: 710頭蓋骨に穴を開けるだけのSham Operation(偽手術)を行って,二重盲検のプロトコールに従って行ったが,60歳以下の若年者では,ある程度の効果が認められたものの,ジスキネジアが33例中5例で発生した.60歳以上の高齢者では効果が認められなかった.Editorialでは,このようなさえない効果しか示せないのでは,組織のavailabilityを含め,胎児由来の細胞を使うことには大きな問題があり,今後認められないとした上で,培養細胞系や幹細胞に期待を表明している.これまで15年以上の歴史のあるパーキンソン病の移植がまだこの程度に留まっているのでは,他の神経変性疾患への外科的なinterventionの前途は多難なものであろう.Dissectionの総説W.
Lancet 2002;359:402 筋肉の血管は側副血行路が発達しやすいので,梗塞を起こしにくい臓器である.それでも糖尿病のような血管障害の時には筋梗塞が起こる.糖尿病に伴う筋梗塞の臨床的特徴を知っておくと,このまれな合併症の診断に苦しんだり足をすくわれないで済むだろう.その特徴とは,1. 男性と女性が半々
2. 平均年齢41.5歳
3. 糖尿病のコントロールが悪く,網膜症や腎障害といった細血管合併症がある.
4. 糖尿病の病歴が長い:平均15.2年
5. 症状は有痛性の筋の腫脹・腫瘤
6. 大腿四頭筋,股関節の外転筋群,腓腹筋群が多い
7. 通常片側性
8.四分の三の症例でcreatine kinaseは正常にとどまる!!
9. MRIが診断に有効.病変はT2で高信号を示す.
免疫グロブリン療法の総説Kazatchkine MD and Kaveri SV.
小児の細菌性髄膜炎の予後に関する統計は時代とともに変化してきており,国や地域,起炎
Lancet 2002;360:384実は古くから知られていることなのだが,笑気は,ビタミンB12のコバルト原子を不可逆的に酸化することによりビタミンB12を不活性化してしまう.その結果,亜急性連合性脊髄変性症が生じることがある.大球性貧血があるとは限らない.また一回だけの暴露でも起こりうると言う.神経内科医として是非とも覚えておきたい合併症である.この症例は笑気依存症であり,ホイップクリームを作るためのボンベに詰めてある笑気を吸っていた.下記も参照のこと.
Mark Doran, Sahir S Rassam, Lucy M Jones, and Simon Underhill.
髄膜炎菌感染症の治療期間は病型や臨床経過によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
Pros & Cons 細菌性髄膜炎患者へのステロイド薬の適応
髄膜炎菌感染症の治療は病型によって若干のアプローチの違いがあります。
かつてステロイドが使われて今や捨て去られてしまった疾患は,神経内科領域では多い.脳梗塞,ギランバレー,ベル麻痺.だから細菌性髄膜炎にステロイドを使うなんて,聞いただけで目をむく神経内科医はさぞかし多いだろう.しかし,どうやらその態度を改めなくてはならないらしい.デキサメタゾン(10mg)を抗菌剤の初回投与と同時に投与し,その後6時間ごとに4日間投与したところ,転帰,死亡率ともに有意に改善した.転帰不良はデキサメタゾンでは26%だったが,プラセボ群では52%だった.一方,消化管出血の頻度は有意差がなかった.
Trousseau's syndrome
Case Records of the Masschusetts General Hospital.
その他の病原体による髄膜炎におけるデキサメタゾンの有効性は証明されていないが,肺炎球菌(S
髄膜炎菌感染症の治療において副腎皮質ステロイド薬の使用が検討されることがあります。
髄膜炎菌感染症(Meningococcal disease)
レボドパがパーキンソン病の治療の王道であることは間違いないが,長期にわたれば,症状の著明な日内変動やジスキネジアなどの不随意運動が著明になってくる.また基礎研究ではレボドパそのものが神経毒性を持つ可能性も示唆されている.そのため,ドパミンアゴニスト単剤による治療の可能性を探る動きがある.最近,PETやSPECTでドパミンアゴニスト単剤治療は,レボドパによる治療に比べて,線条体でのドパミンの取り込みの減少を有意に抑制するというデータが出てきている.線条体でのドパミンの取り込みは,線条体に軸索を送っている黒質のドパミンニューロンの活動性の目安と考えられているから,ドパミンアゴニストの効果は中脳黒質ニューロンの保護作用を示唆しているのかもしれない.もっともこの考察に対しては,画像上の効果は,単にドパミンのトランスポーターの働きに対するレポドパとドパミンアゴニストの効果の差を見ているだけで,決してドパミンニューロンの軸索の数を反映しているわけではないという,もっともな反論もある.いずれにせよ,ドパミンアゴニスト単剤がレボドパより優れていると言うエビデンスはまだない.レボドパの長期投与はとくに若い世代で副作用の出現が問題となるから,とくに若い世代の多数例で,今後さらに長期間フォローする研究が必要である.
黙って歩けばぴたりと当たる?
J.
[PDF] 抗菌薬選択に難渋した Listeria monocytogenes 髄膜炎の 1 例
Lancet 2002;360;204612年前からschizophreniaの既往のある28歳の女性が,数週間持続する歩行時のふらつき,めまい,脱力感,嘔吐を主訴に受診した.すでに一ヶ月前に,症状がより軽い時点で,鉄芽球性貧血の診断を受けていた.
救急外来から入院して数時間後に意識障害が進行し,除脳硬直状態となり,挿管,人工呼吸となった.MRI上では両側半球対称性,びまん性の小脳浮腫と小脳扁桃ヘルニアが認められたが,腫瘍はなかった.さて,あなたならどんな疾患を考えるだろうか?あなたが神経内科医を自認しなくても,この回答はとっても気になるはずだ.ましていわんや神経内科医においておや.ヒント:この患者はある妄想から,病気を治すためと称して,特殊な異食癖があった.回答は→ドパミンアゴニスト単剤によるパーキンソン病の治療
Clarke CE & Guttman M.
[PDF] 編集「細菌性髄膜炎の診療ガイドライン 2014」作成委員会
一日おきに皮下注射し,いくつかの有害事象に耐え,多額の医療費をかけた結果が,わずかばかりの再発率の現象.それも確かなのは最初の1年間だけで,それ以降はまだわからないという.これで,自信を持って患者さんに勧めることができるのだろうか.それとも,わらをもすがる思いで,何かいい治療法はないかと必死の患者さんに,差し出す高価な藁ができたということで,実際の効果の程なんか知ったこっちゃないというのが,本音なのだろうか.小脳浮腫と鉄芽球性貧血
Cerebellar oedema and sideroblastic anaemia.
CTX はセフェム系抗菌薬の中でも髄液移行性に優れ、さらに、細菌性髄膜炎の主要起炎菌
若い人の急性脳症というのは,しばしば診断に難渋する.ヘルペス脳炎と日本脳炎の証拠がないと,CNSループスをはじめとする膠原病関係か,肝性脳症(Portal-Systemic shuntや尿素サイクル異常症)ぐらいしか思い浮かばない.これも否定されると,ぐっと苦しくなる.
橋本脳症というのは,確かに大穴として覚えておくべきだろう.つい,最近も臨床神経に症例報告が載っていましたね.ステロイドの投与で劇的に良くなるということと,甲状腺機能とはまったく関係なく脳症が起きることもあわせて覚えておこう.
多発性硬化症でのインターフェロン治療への疑問
Fillipini G and others.
[PDF] 意識障害で肺炎球菌性髄膜炎を発症した高齢男性の2例
使用される抗菌薬は髄膜炎菌に対する有効性と髄液移行性を考慮して選択されます。
[PDF] 頭蓋底骨折の 1 年半後に細菌性髄膜炎を 発症した一男児例
抗菌薬療法を中心に支持療法や合併症対策など総合的な治療アプローチについても触れ、患者さんの理解を深めることを目指します。
[PDF] 関節リウマチの治療中にリステリア髄膜炎を発症した1例
Lancet 2003;361:1266非ヘルペス性の辺縁系脳炎では,voltage-gated potassium channelに対する抗体が血清&/or髄液に見出される例があるということを存知でしたでしょうか?そうなると,我々がしばしば悩まされる原因不明の脳炎の原因検索の一つが加わったばかりではありません.この病気は,γグロブリンの投与や血漿交換,ステロイドが効くというのです.非ヘルペス性辺縁系脳炎の中で有効な治療方法があるものということで,日本でも診断できるようにすべきでしょうね.すでに2001年にAnn Neurolに原著が出ています.
Buckley C, Oger J, Clover L, Tuzun E, Carpenter K, Jackson M, VincentA.
初期研修医〜一般内科向けに作成したスライドです。髄膜炎菌の部分は曝露後予防など少し踏み込んでいるので、興味があれば。
本稿では髄膜炎、菌血症(敗血症)、髄膜脳炎の各病型に対する治療方法、使用される主な薬剤、そして治癒までの期間について詳しく説明します。
髄膜炎で daptomycin、linezolid、tigecycline は十分なデータがない。 44
髄膜炎菌感染症は迅速な診断と適切な治療が患者の予後を大きく左右する重篤な疾患です。
肺炎球菌髄膜炎で抗菌薬投与前/同時 dexamethasone 投与は予後改善。 45
疑問蓋ついているのは,評価指標は例によって痴呆スケールの変化で,ぱっとしないエンドポイントだからという理由の他に,一番の問題は試験期間が半年しかないということ.せめて2年間ぐらいやってくれよな.
非ヘルペス性辺縁系脳炎における抗VGKC抗体測定の意義
Schott JM and others.
[PDF] 肝膿瘍の治療中,化膿性髄膜炎および脳室炎を併発した 1 例
髄膜炎菌感染症の画像所見は病態の進行や治療経過に伴って変化します。