メラトニンのサプリメントの素晴らしい点は、副作用がとても少ないところです。
この研究結果は、「ADHDの方では生活習慣の影響だけでなく、元々体質的に睡眠覚醒リズムが乱れやすい」ということが遺伝子解析を用いて確認できたということを示しており、当事者の方や周囲の方は、ADHDの方ではADHDでない方よりも睡眠覚醒リズムが乱れないような工夫(朝に光を浴びる、夜間のスクリーンタイムを減らす、適切にメラトニンを摂取するなど)を行うことが重要であることを示唆しています。今後、この結果が、ほかの年齢層の子どもや成人においても再現されることを期待します。
では、メラトニンを最大限引き出すにはどうすれば良いのでしょうか。
今回の研究の結果からは、夜間のメラトニンの分泌が多いか、少ないかは体質的なものであるが、それがADHDの診断や症状の強さと関連している可能性が高い、と言えます。メラトニンの分泌が少ないことがADHDの原因なのか、ADHDだからメラトニンの分泌が少なくなるのか、といった因果関係までは言及できないものの、メラトニン分泌とADHDには関連があるために、ADHD症状をもつ方、とりわけ確定診断をもつ方では睡眠覚醒リズムの乱れが起きやすいと考えられます。
メラトニンの生成には、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」という栄養素が必要になります。しかし、トリプトファンは食品からしか摂取することができません。肉や魚、乳製品、大豆などに含まれるタンパク質が胃腸の消化酵素の働きによってアミノ酸にまで分解されて、トリプトファンが取り出されます。胃腸の働きが低下するとタンパク質の消化が不十分になり、アミノ酸の吸収がうまくいきません。
また、腸内細菌の働きも大切です。トリプトファンは、5HTPという中間体を経てセロトニンに変化します。この反応のためには、ビタミンB6や鉄の助けが必要ですが、食事から十分に摂取することが難しいビタミンB6は、腸内細菌によっても合成されるのです。また、腸内環境が悪いと、鉄は腸から十分に吸収ができなくなります。
腸内細菌は、トリプトファンから5HTPをつくり、これが体内に吸収されて脳に入り、脳で使われるセロトニンに転換されます。こうした働きがある腸内細菌が活躍できる腸内環境を維持するために腸活が役立つのです。
生体リズムを整えるためにもメラトニンの分泌を促す必要があるといえます。
メラトニンは、体内時計のリズム調整に関わっていると考えられているホルモンです。生理的には20時ころから分泌されて真夜中にピークとなり、明け方になると少なくなっていきます。このように生理的な物質ですので、メラトニンが睡眠に効果があるのではと研究されてきました。
<図1>をご覧いただくとわかりやすいかと思いますが、仮にネガティブ・フィードバックがあったとしても、悲しいことに60代にもなると自力で作っているメラトニンの量がそもそもかなり少なくなるため、影響はかなり少ないことが予想されます。
セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
② メラトニン分泌が低くなる体質の方ではADHD症状が強い
次に、台湾バイオバンクのデータを使って算出したメラトニン分泌に関連するポリジェニックスコアが低いと、HBC studyに参加したお子さんのADHD症状が強いことが分かりました。
市販のメラトニンの製品において、メラトニンの含有量がラベル表示量を満たしていない場合があること、そして、セロトニンが混入している製品があることが、報告されています。
メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。
脳の松果体という部分から分泌されるホルモンで、体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があります。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て分泌されます。
就寝直前に食事や飲酒をすると、消化活動が活発なときに眠りにつくことになり、睡眠の質を下げてしまいます。十分な量かつバランスの良い食事は健康維持に必要ですが、食事の時間にも注意してください。できれば、夕食は寝る3時間前には済ませておきましょう。
加えて、寝る前のコーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物、アルコール飲料の摂取も良くありません。カフェインの覚醒作用は寝つきを悪くしますし、アルコールの摂取は眠りを浅くし、中途覚醒の原因になります。飲酒によって眠気を誘われても、睡眠の質は落ちていることを覚えておいてください。
れる)が不足することになります。 ☆「睡眠不足や不眠→日中の活動低下でセロトニン減少→メラトニン不足→眠りの促進なし→不眠」.
医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。
睡眠不足 と 肌の老化 | 札幌市中央区の皮膚科 宮の森スキンケア診療室
ここからはメラトニンの主なはたらきである生体リズムの調整機能、催眠作用、抗酸化作用について解説していきます。
睡眠不足になると、イライラしたり、元気がなくなったりします。一方 ..
十分な睡眠が記憶の定着や学習能力に重要であることはよく知られていますが、メラトニンは睡眠の質を向上させることで間接的にこれらの機能をサポートします。また、概日リズムの調整によって、昼間の集中力や作業効率の向上にも繋がるようです。
睡眠と覚醒のリズムを上手に調整して脳と体を休ませているのです。 しかし、10歳前後をピークにメラトニン ..
腸には約100種、100兆個から1000兆個の細菌がすみつき、互いに共存共栄しながら腸内フローラと呼ばれる生態系を形成しています。腸内細菌の数が多く、豊かでバランスのよい腸内フローラが形成されている腸ほど、結果的にメラトニンの生成も盛んになります。
ちなみに、心の安定をもたらすホルモン「セロトニン」は、メラトニンになる前段階のもの。腸内細菌のバランスが悪化して働きが衰えると、セロトニンが不足し、メラトニンも不足することに。うつ病と不眠症の発症が相関関係にあるのは、こうした理由からなのです。腸内細菌は睡眠の質や心の健康に大きく関与しており、健やかな生活のためにも、活発な腸内細菌がすむ腸内環境を維持することが大切です。
不眠症や睡眠の質の低下に直接関係します。 ; ② 体内リズムの乱れ
睡眠研究を基に独自開発したアルゴリズムと、睡眠研究で使用されている技術を応用。今までの睡眠計測デバイスでは見る事が出来なかった、個人の睡眠ステージ(睡眠の深さ)、寝姿勢、寝床内温度(布団の中の温度)、いびきが明らかになります。
メラトニン受容体作動薬は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介する事によって、睡眠と覚醒のリズムを整え、睡眠 ..
メラトニンの分泌量に関連する遺伝子の変化とADHD症状との関連を検討
本研究は、2つの部分から構成されています。①台湾バイオバンクの遺伝子解析データと世界的な精神疾患の共同研究グループであるPsychiatric Genomics Consortiumの遺伝子解析データを用いて、メラトニン分泌とADHD診断に遺伝的な相関があるかを検討しました。②浜松医科大学で行われている「浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)」に参加するお子さんのうち、遺伝子解析に同意した876名のDNAを解析し、約650万箇所の遺伝子の変化を測定しました。また、このお子さんたちの8~9歳におけるADHD症状の程度を調べました。ついで、①の成果をふまえて、すべてのお子さんのメラトニン分泌に関連する遺伝子の変化の数と効果の大きさを数値化した「ポリジェニックリスクスコア」を計算し、ポリジェニックスコアとADHD症状の関連を検討しました。
通常は約4~6週間の周期と言われていますが、睡眠不足になると周期 ..
前述の通り、メラトニンは睡眠に作用するホルモンですので、分泌量が減ると眠れる時間も減ってしまいます。
寝不足になるのも当たり前ですが、仕事や勉強におわれて慢性的睡眠不足 ..
人間の体内時計は24時間よりも少し長いため、毎日少しだけ体内時計を早め、24時間(1日分)の周期に調節する必要があります。体内時計が調整されないと、就寝時間・起床時間が遅くなり、生活リズムがずれやすくなってしまいます。
体内時計の調整にとって重要なのが「朝に太陽光を浴びること」です。太陽光には体内時計の周期を早め、睡眠に重要なメラトニンというホルモン分泌を促す効果があるので、朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びるようにしてください。
そして、セロトニンは脳の松果体(しょうかたい)でメラトニンというホルモンとなります。
メラトニンは大変優れた抗酸化物質でもあります。抗酸化物質として有名なビタミンCは1分子でフリーラジカルを2個中和できる能力がありますが、メラトニンは1分子でなんとフリーラジカルを10個も中和することができます。メラトニンはアルツハイマー病などの認知機能の低下を抑えることで有名ですが、この脳神経の保護作用もそうしたフリーラジカル除去効果に由来すると考えられています。
前述の通り、メラトニンは睡眠に作用するホルモンですので、分泌量が減ると眠れる ..
日中に眠気を感じる場合、短時間の昼寝が有効なケースもあります。長時間の昼寝は夜眠れなくなる原因になるので、昼寝をするときは時間に注意しましょう。厚生労働省のWebサイト(※3)によれば基本的には15分程度、高齢者であれば30分程度が効果的な昼寝の時間だとされています。適度な昼寝は日中の眠気を覚まし、睡眠の質の向上につながります。
また先述したとおり、寝だめも睡眠の質を下げる要因になります。日常的に睡眠不足を感じている場合、週末に寝だめするのではなく、平日に十分な睡眠時間を確保できるように工夫しましょう。平日と週末の起床・就寝時間の大きな差はソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)と呼ばれ、体内時計が狂う原因のひとつです。
(※3)厚生労働省 e-ヘルスネット 「快眠と生活習慣」
メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する
メラトニンは強力な抗酸化作用を持ち、脳細胞を酸化ストレスから保護します。こうした役割によって、アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患のリスク低下にも役立つ可能性があります。
睡眠不足の時、甘い食べ物やこってりした食べ物が欲しくなるというような ..
十分なメラトニンが分泌されないと、抑うつ症状や不安障害が増加する可能性も指摘されています。
メラトニンというホルモン自体あるいはメラトニン作動薬を用いて治療します。 ..
寝る前のスマートフォンやタブレットの使用が睡眠の質を下げるケースもあるので注意しましょう。スムーズな入眠のためにはメラトニンの分泌が重要になりますが、就寝前にスマートフォンなどの強い光やブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制されることが分かっています。ベッドに入ってからは部屋を暗くし、すぐに眠れなくてもスマートフォンなどを操作しないようにしましょう。
「トリプトファン」は、たんぱく質に含まれるアミノ酸の1つで、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の生成に関わっています。
スマートフォンやPCの普及により、画面の光を浴びることでメラトニンの分泌が抑制されることがあります。これにより、現代人はメラトニン分泌が乱れ、睡眠トラブルを抱えることが増えています。
対策としては、寝る1~2時間前にはスマートフォンやPCを使用しないようにします。やむを得ず使用する場合は、ブルーライトカット機能を使用するなど、対策を考えましょう。