白髪を予防するためにも、白髪になるメカニズムは知っておきましょう。
「まだ若いのに白髪が生えてきた…。」とお悩みの10代、20代の方に向けて、若白髪の原因や今日からできる対策について徹底解説します!
幸せホルモンのセロトニンの量が多いほど若返りホルモンのメラトニンもUP。
では、一体何が起こっているのでしょう。色素幹細胞の居場所は「ニッチ」と呼ばれます。色素幹細胞のニッチは、髪の毛がどんどん作られている毛包の根元ではなく、その少し上にあります。ニッチのあたりをよく調べると、黒い細胞があらわれていたのです。色素幹細胞は黒くありません。黒い細胞は、色素幹細胞からできる色素細胞です。未熟な幹細胞がまちがった場所で成熟して、「分化」していたのです。一般的に思われていた細胞老化とは違いますから、正真正銘の分化なのかどうか、よく調べました。電子顕微鏡でみると、やはりメラノソームと呼ばれる成熟した色素細胞がニッチの中にたくさんありました。この変化は、放射線の照射、酸化ストレス、抗がん剤などゲノムに傷を与えるようなストレス(ゲノムストレス)が加わると誘導されることがわかりました。色素幹細胞が分化してしまい、ニッチから消えてしまっていたのです。色素幹細胞がなくなると、色素細胞を毛包の根元に供給し続けることができなくなり、毛が白くなることがわかりました。
加齢による白髪は、色素幹細胞が老化により機能が低下してメラニン色素が生成されず、色素のない毛が生える現象を指します。個人差はありますが、30代後半で増え始める方が多いです。
スマフォやパソコンがなぜ白髪に悪いのか、というとそれはに関係します。
そうしたことが本当に起こっているのか、早く毛が白くなるモデルマウスで調べてみましたが、どうもそうではなさそうです。色素幹細胞は、致死量の放射線を照射したりするとアポトーシスによって細胞死してしまいますが、毛が白くなる程度の放射線や加齢によるDNAの傷によって、またはATM遺伝子の欠損によってさらにDNAの傷が蓄積しやすい条件においても、アポトーシスや細胞老化を起こすわけではないようでした。
一方、明確な定義はありませんが、一般的に。若白髪は遺伝やストレス、食生活の乱れなどが主な原因とされています。
若いうちから白髪が出ている人というのは遺伝の場合が濃厚でしょう。
10代~20代で白髪が目立つ若白髪は遺伝的な原因がある場合が多いと言われています。場合は特に、遺伝によって若白髪になっていると考えられます。
髪を黒くするメラニン色素が髪に取り込まれにくい、メラニン色素が生成されにくい、メラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)の生存・維持がしにくい、という体質が遺伝して若白髪になるとされています。
ですので、メラノサイトの働きがうまくいっていない=白髪となるわけです。
一連の過程をよく観察してみたところ、ゲノムストレスを受けた色素幹細胞は、毛周期において活性化されると、通常なら自己複製するところで分化してしまい、結果的に幹細胞のプールが減っていく現象が観察されました.つまり、幹細胞が活性化された際に未熟な細胞のまま維持するのか、分化という道を積極的にとるのか、運命を決めるチェックポイントがあることを明らかにすることができました。このようなチェックポイントの存在は、血液幹細胞にも見つかっており、のちにほかのグループが報告しています。
白髪が気になっているあなた、最近、よく眠れていますか?
正しい睡眠をとるためのさまざまな方法を知ることで、美しい黒髪を保ち、白髪予防とさらなるエイジングケアを目指していきます。
極度のストレスを感じた際には、短期間で白髪になってしまうこともあります。
次に、色素幹細胞の維持に重要な因子を明らかにしました。それは、色素幹細胞の隣に存在する毛包幹細胞という毛を作る細胞の元になる幹細胞でした。毛包幹細胞がつくるTGFβというたんぱく質が、色素幹細胞を未熟な状態で眠らせておくことに重要な役割を果たしていました。TGFβが働かないと色素幹細胞がニッチの中で分化してしまい、枯渇して白髪になります。
白髪には、その成り立ちの違いで大きく2種類に分けることができます。
よく寝ているつもりなのに、なぜか疲れが取れない、という方は、睡眠の時間帯を見直してみましょう。
夜の10時から夜中の2時までが、白髪予防のゴールデンタイム!最も身体が回復する時間といわれています。この時間帯に優位となる副交感神経の働きによって新しい細胞がつくられ、神経細胞が回復するとされます。神経細胞のひとつでもある色素細胞が力を蓄える時間です。色素細胞は、メラニンの働きを活発にします。このメラニンの力によって、白髪を黒髪へと整えていきます。また、脳の下垂体前葉という部分から2~3時間おきに成長ホルモンが分泌され、髪をはじめとする細胞の再生に関わり、エイジングケアへとつながっていきます。ここで重要なのは、眠る時間の長さではなく、適切な時間帯にいかに睡眠をとることができるか、という点です。
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最近、毛包幹細胞の研究も進め、毛包幹細胞の維持には17型コラーゲンが重要だとわかりました。この分子が欠損すると、ニッチ細胞である毛包幹細胞が維持されなくなり、TGFβも分泌されなくなるため、色素幹細胞の維持が出来なくなり、白髪と脱毛の両方を引き起こします.毛包のバルジーサブバルジ領域という非常に狭い領域に2種類の幹細胞がひしめきあって存在し、相互作用しています。
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最近ではグレイヘアーが注目されたりもしていますが、やはり白髪は隠したいもの。とはいえ、頻繁に白髪染めやカラーリングをすると、髪のダメージも気になります。
●「酸素・栄養不足の白髪」は側頭部に現れやすく、元に戻りにくい
今回は、白髪になるメカニズムを知ることで、身体の内側から根本的に白髪を防ぐ方法を紹介します。
なぜ白髪は生えるのでしょうか?白髪が生える原因をご紹介します。
睡眠が白髪にとても密接に関係していること、よりよい眠りによって白髪を改善しやすくなるということがわかりました。それでは、よい眠りを手に入れるためにはどんなことに気をつければよいでしょうか。良質な睡眠のための基本的なきまりをご紹介します。
白髪が生えやすいかどうかは、遺伝的な要因が関係していることもあります。
ここまでマウスの話をしてきましたが、ヒトでもほぼ同じ仕組みが働いていると考えています。ヒトの毛包でも加齢で色素幹細胞が減っていることは確認しました。重要な遺伝子はヒトもマウスも共通です。マウスの色素幹細胞の自己複製を促進する仕組みを調べることで、ヒトの白髪の始まりを遅らせるような物質が見つかるかもしれません。ニッチにまだ残っている色素幹細胞があれば、それを増やす作戦で、少しずつ研究を進めています。
しかし、白髪になるメカニズムや原因がわかれば、予防の方法もわかります。
白髪を完全に黒髪に戻すことは不可能でも、白髪が生えにくくなる状態をキープすることはできるようになります。
白髪をこれ以上増やさないためにも、できることからはじめてみましょう!
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。
それにより、毛母細胞の働きが悪くなり白髪の原因となることもあるのです。
加齢により、体細胞に、DNAの損傷が少しずつ蓄積していくことは知られていました。マウスのATMという遺伝子は、DNAの損傷を修復するために重要な役割を果たしますが、この遺伝子が壊れるとマウスの毛が早く白くなります。DNAに傷が蓄積すると、細胞の自殺であるアポトーシスを起こすと考えられていました。また、細胞分裂回数の限界を超えると分裂を停止する「細胞老化」と呼ばれる現象がありますが、分裂回数の限界に達する前でも細胞にストレスがかかると分裂を停止することも知られていました。
白髪を隠す方法として、セルフで白髪染めをしようと考える方も多いでしょう。
最近、色素幹細胞が皮膚の汗腺の中にもあることを見つけました。ところが、この色素幹細胞のDNAに傷をつけると、分化に向かわず、活性化して自己複製すると同時に色素細胞を表皮に供給するのです。どんどん細胞が供給されれば、皮膚のがん悪性黒色腫(メラノーマ)を作る可能性があります。メラノーマは毛包内の色素細胞が多く存在する頭皮にできやすいわけではなく、手のひらなど毛包のないところにできやすいことが知られています。同じ幹細胞でも、その居場所によって、DNAの損傷に対する反応性が違い、一方は、悪い細胞が増えないように分化して消えてしまい、白髪にはなるが、がんにならない。もう一方は、表皮でがんを作っているかもしれません。これらの違いを調べることは、老化やがんの理解につながると考えています。
・髪のダメージが気になる方・しっかり白髪を染めたい方・好きな髪色を楽しみたい方
メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。
さて、白髪の原因について、僕の知っていることを書いてきましたが、
NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
染めて白髪がなくなれば、あなたのストレスも少しは軽減されるでしょう!
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。