また、CKDの初期にはほとんど無症状のため徐々に腎機能が低下していきます。
おもな副作用として、性器感染や尿路感染(膀胱炎など)が報告されています。その他、便秘や口渇、頻尿や尿量の増加なども報告されています。
また、重大な副作用として、低血糖、腎盂腎炎、敗血症、脱水などが報告されています。重大な副作用が発生することは稀ですが、下記のような症状があらわれた場合は適切な処置を行ったり受診して治療を受けたりしてください。
つまり、SGLT2阻害剤はさせるといった作用機序を有しています。
また、水分量の調節などの作用があるため、慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも使われます。
慢性腎臓病(CKD)患者は腎臓および心血管の有害転帰のリスクが高い.ダパグリフロジンが 2 型糖尿病を有する CKD 患者,有しない CKD 患者にもたらす効果は明らかにされていない.
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-
今回、研究グループは、SGLT2阻害薬の中でもエンパグリフロジン(エンパグリフロジン、以下EMPA)と呼ばれる薬剤を用いた実験を行い、尿蛋白の少ないマウスモデル(肥満モデル・5/6腎摘モデル)においてEMPAが糸球体過剰濾過を改善することで尿細管へのアルブミン曝露を軽減し、オートファジー障害を改善することを明らかにしました。さらに、によるマウス実験では、EMPAはオートファジーを改善し、急性腎障害(AKI)を軽減させることも明らかとしました。これらの結果により、尿蛋白の少ない非糖尿病患者さんにおいても、EMPAが幅広く腎保護効果を発揮する機序の一端が明らかとなりました(図1)。
アルドステロンの働きを抑えることで降圧効果を発揮するミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬も、2つの薬剤が開発を進めています。2019年に高血圧症治療薬として発売された第一三共の「ミネブロ」(エサキセレノン)は、糖尿病性腎症への適応拡大に向けたP3試験を実施中。バイエル薬品の「BAY94-8862」(フィネレノン)は、2型糖尿病を合併するCKDを対象とした2本のP3試験を終え、今年7月に米国で承認を取得しました。今年9月には糖尿病を合併していないCKDでP3試験を始めています。
糖尿病の薬なのに腎臓を守る?SGLT2阻害薬の腎保護作用について
国内では、▽「フォシーガ」(一般名・ダパグリフロジンプロピレングリコール、アストラゼネカ)▽「ジャディアンス」(エンパグリフロジン、日本ベーリンガーインゲルハイム)▽「カナグル」(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬)――の3つのSGLT2阻害薬が、心不全と腎臓病を対象とした開発を行っています(カナグルは糖尿病性腎症のみ)。
遠位尿細管では、緻密班でNa+濃度の低下を感知し、輸入細動脈を拡張させる事で糸球体に流れ込む血流量が増加しますので、腎灌流量が増加する事で、糸球体内圧が高まり、GFRが上昇し、蛋白・アルブミン尿が糸球体から染み出し、蛋白・アルブミンが検出されるようになります。
フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用
推算糸球体濾過量(GFR)が 25~75 mL/分/1.73 m2 体表面積で,尿中アルブミン/クレアチニン比(mg/g クレアチニン)が 200~5,000 の患者 4,304 例を,ダパグリフロジン(10 mg 1 日 1 回)群とプラセボ群に無作為に割り付けた.主要転帰は,推算 GFR の 50%以上の低下の持続,末期腎不全(ESKD),腎臓または心血管系が原因の死亡の複合とした.
慢性心不全では昨年11月、フォシーガがこのクラスの薬剤として初めて承認を取得し、ジャディアンスも適応拡大を申請。慢性腎臓病では、フォシーガが昨年12月に申請を済ませ、ジャディアンスも臨床第3相(P3)試験を行っています。カナグルは糖尿病性腎症を対象にP3試験を実施中です。
慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】
フォシーガによって体重が減少するという報告があり、ダイエット薬として処方されることもあります。
フォシーガは慢性腎臓病の患者において、2型糖尿病の有無にかかわらず
SGLT2は、ブドウ糖を細胞内に取り込む役割を持つタンパク質です。特に腎臓の尿細管に多く存在し、血液からろ過されて尿に排出されたブドウ糖を再吸収し、血液に戻す働きをしています。ここで血液中のブドウ糖の 90%以上を再吸収しています。これにより、体内のエネルギー源であるブドウ糖を無駄なく利用することができます。残りのブドウ糖の再吸収は SGLT1という別のたんぱく質によって行われます。
不全の治療薬ともなり得る SGLT-2 阻害薬の作用機序についてまとめてみました。 ○1.腎臓を介した作用
前述の通り、フォシーガは腎臓で糖を血液中に戻すこと(再吸収)を抑え、尿に排出し、血糖値を調整するお薬です。
上の図は 2019 年に発表された SGLT2 阻害薬カナグリフロジンの腎障害予防効果を確認したもの
図1. 研究概略
糸球体過剰濾過により尿細管へのアルブミン曝露が増加すると、オートファジー障害が生じる。SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)は、糸球体内圧低下と全身代謝改善により、尿中アルブミンの質と量を改善しオートファジー障害を改善する。その結果、CKD進展やAKI発症の抑制効果が期待される。
フォシーガ錠10mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO
糸球体とは、血液中の老廃物や塩分を濾過して尿をつくる毛細血管の集合体です。
この糸球体の働きが正常に調節されると、糸球体の血圧が下がり、腎臓が保護される効果が現れます。
本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロール ..
独立データモニタリング委員会は,有効性が認められたため試験の中止を勧告した.追跡期間中央値 2.4 年間に,主要転帰イベントはダパグリフロジン群 2,152 例中 197 例(9.2%)とプラセボ群 2,152 例中 312 例(14.5%)に発生した(ハザード比 0.61,95%信頼区間 [CI] 0.51~0.72,P<0.001,1 件の主要転帰イベントを予防するための治療必要数 19 [95% CI 15~27]).推算 GFR の 50%以上の低下の持続,ESKD,腎臓が原因の死亡の複合のハザード比は 0.56(95% CI 0.45~0.68,P<0.001),心血管系が原因の死亡または心不全による入院の複合のハザード比は 0.71(95% CI 0.55~0.92,P=0.009)であった.ダパグリフロジン群の 101 例(4.7%)とプラセボ群の 146 例(6.8%)が死亡した(ハザード比 0.69,95% CI 0.53~0.88,P=0.004).ダパグリフロジンの効果は,2 型糖尿病を有する患者と有しない患者とで同程度であった.ダパグリフロジンの既知の安全性プロファイルが確認された.
□新しい慢性腎臓病治療薬フォシーガもともと糖尿病治療薬として用いられてい ..
近年臨床応用されたSGLT2阻害薬は,糖尿病に伴う糸球体過剰濾過を是正する薬剤として注目されている。実際,大規模臨床研究においても,SGLT2阻害薬は心不全などのアウトカムを改善するだけでなく,アルブミン尿の改善やクレアチニンの2倍化,腎代替療法への導入も有意に抑制していることが報告された1)2)。糖尿病に伴う輸入細動脈の拡張に対して,RAS抑制薬が輸出細動脈を拡張させるのに対し,SGLT2阻害薬は輸入細動脈の拡張を是正することから,糸球体過剰濾過の根本的な改善となっている可能性がある。さらにSGLT2阻害薬は,尿細管細胞による過剰なブドウ糖再吸収を抑制することによる非血行動態的な腎保護作用を有する可能性もある。
フォシーガ錠10mg(小野薬品工業株式会社)の基本情報・副作用
フォシーガは錠剤で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使えるお薬です。
フォシーガは副作用が少なく、心血管リスクの低減や予防、腎臓 ..
SGLT2阻害薬にはいくつか種類がありますが、SGLT2選択性で大別でき、SGLT2選択性が高いのか、低いのかで考えていきます。
SGLT2選択性が高いとはどういうことかですが、SGLT2は腎臓に特異的に発現するたんぱく質です。つまり主に腎臓のみで機能し他の器官に影響しないため、余計な作用がなくなるので副作用が少ないことになります。
ではSGLT2選択性が低いとはどういうことでしょうか。
それはSGLT2阻害薬がSGLT2だけでなく、SGLT1にも作用することを指します。
SGLT1は小腸・心臓・気管・脳などに発現しますので、SGLT1を阻害することで、低血糖のリスク上昇、下痢などの消化器症状、虚血状態の心筋や脳への悪影響などが懸念されています。
当院で採用しているSGLT2阻害薬はSGLT2選択性が高い『フォシーガ』です。
薬食審・第一部会 6製品の承認了承 フォシーガにCKDの効能追加も
慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。 なお、DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらない、4,304例の慢性腎臓病患者(eGFR25以上75未満、かつ、アルブミン尿の増加が確認された患者)を対象とした、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験で、日本を含む21ヵ国で実施された。 同試験では、「フォシーガ」10mg1日1回を慢性腎臓病の標準治療に追加投与し、有効性と安全性をプラセボと比較検討した。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者における腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義された。副次的複合評価項目は、腎機能の悪化(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡のいずれかの発生)、心血管死または心不全による入院、全死亡のいずれかの発生と定義された。 「フォシーガ」はプラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(絶対リスク減少 = 2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成した。 同試験は当初の想定を上回る結果が出たため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、早期に終了したことを2020年3月に発表している。また、米国では、同試験の結果にもとづき、ブレークスルーセラピーの指定を受けたことを2020年10月に発表している。
フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】
近年、糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬の腎保護効果が明らかになり様々な機序が提唱されていますが、確定的なものはまだなく、またオートファジーに着目した機序も十分には検証されていませんでした。さらに最近の研究で、SGLT2阻害薬は尿蛋白の少ない非糖尿病患者さんでも腎保護効果が期待できることが示唆されていましたが、その詳細なメカニズムは解明されていませんでした。
また、フォシーガは心不全や腎不全にも適応を持つため、糖尿病の治療以外 ..
添付文書上、フォシーガとの併用が禁忌となっている薬剤はありません。しかし、糖尿病治療薬や血糖降下作用に影響を与える薬、利尿薬などとの併用には注意が必要です。他の医療機関で下記のような薬剤を処方されている場合は、診察時にご相談ください。
フォシーガで本当に痩せる?効果・飲み方・メトホルミン併用の真実
フォシーガはSGLT2阻害薬として「2型糖尿病」を効能・効果として2014年に発売されました。その後、順調に以下の適応拡大が行われています。