MP)の静注療法,いわゆるステロイドパルス療法(intravenous methylprednisolone:IVMP)が広 ..


“強力なステロイド治療法”というと,ステロイドパルス療法を思い描く方が多いのではないだろうか。ただ,COVID-19に対するステロイドパルス療法についてのエビデンスは乏しい。1つ,COVID-19症例に対してステロイドパルス療法の効果を検証した論文を勉強したので,ここでお示ししたい。ただ,ステロイドパルス療法とは言っても,日本で汎用されている「メチルプレドニゾロン1000mg・3日間連続投与」ではなく,用量が1/4の「メチルプレドニゾロン250mg・3日間連続投与」(ここでは「ステロイド1/4パルス療法」と呼ぶ)による報告となっている。この研究では標準治療群に比べ,ステロイド1/4パルス療法群において生存率が高い結果(図9)18)であった。また,臨床的症状の改善も,ステロイド1/4パルス療法群で良好だったことが報告された。


And (パルス療法 (薬物療法 ) / TH))。結果、 8 例の症例を抽出

いずれの研究においてもデキサメタゾンは6mgの固定用量で規定されているのに対し,メチルプレドニゾロンは体重換算で薬剤の投与量がコントロールされている。したがって,実臨床の現場においてデキサメタゾンで治療するにしても,他のステロイド製剤で治療するにしても,体格の大きな若者と体の小さなおばあちゃまとで同量のステロイドで治療するのではなく,年齢や体重を勘案すべきである,と考えている。また長期にステロイドで加療するとなると,消化性潰瘍・血糖値・骨粗鬆症,そしてニ次的なその他の感染症の発症に注意する必要があることは言うまでもない。

デキサメタゾン以外のステロイド製剤のCOVID-19に対するエビデンスは乏しいが,メチルプレドニゾロンの報告をいくつか紹介したい。イランから報告されたランダム化比較試験で,日本での「中等症Ⅱ」以上の酸素投与が必要なCOVID-19症例に対して,デキサメタゾン(6mg固定用量)投与群とメチルプレドニゾロン(2mg/kg)投与群が比較検討された。この研究は86例と少数例での検討であるが,メチルプレドニゾロン投与群では投与5日目,10日目の臨床的な状態がデキサメタゾン群に比べて有意に改善した。また,入院中に死亡した症例を除外した検討では,メチルプレドニゾロン群で入院期間の平均値が7.43日とデキサメタゾン群の10.52日と比較して有意に短いという結果であった。

一方、デキサメタゾンは、ROR 値は有意差が有ったが、シグナル検

「RECOVERY試験」では,デキサメタゾン6mgを10日間投与した群が標準治療群と比較して試験登録後28日での死亡率を有意に減少(21.6% vs. 24.6%)させた(図3)。特に人工呼吸管理を要した症例において,デキサメタゾン投与群の死亡率が29.0%と,対照群の死亡率40.7%と比較して高い効果を認めた(図4)13)。ただし,サブグループ解析では,試験登録時に酸素投与を必要としなかった群では予後改善効果に乏しかった(図5)13)

COVID-19では経過中に全身性の炎症反応を発現し,広範な肺障害や多臓器不全を引き起こすことが知られている。このような過度の炎症反応を抑える,または予防する目的で,抗炎症薬としてステロイドで加療されることがある。特に酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」「重症」に分類されるCOVID-19に対しては,デキサメタゾンによる治療が推奨されている。なお,デキサメタゾンは重症感染症への適応がある。デキサメタゾンをはじめ,COVID-19に対するステロイドのエビデンスについて振り返ってみたい。

合、④パルス療法(メチルプレドニゾロン 500〜1000mg/日):急速進行型 ..

ただし,日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会COVID-19対策タスクフォースが策定した『日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)』の特別編 『COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations 第4.1版改訂』(2021年11月公開)では,「中等症/重症COVID-19患者にステロイドパルス療法を行うか?」というクリニカルクエスチョン(CQ)に対し,「酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者,ならびに人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者に対するステロイドパルス療法については,現時点では推奨を提示しない(no recommendation)」としているので,留意されたい。

上記の6種類以外にも臨床の現場ではデキサメタゾンや,血栓予防として抗凝固薬のヘパリンを頻用している。なお,COVID-19に対する非薬物療法としては理学療法や酸素療法,挿管/人工呼吸管理や体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)などがある。それだけでも膨大な内容となるため,本稿では割愛する。

・抗炎症作用:ヒドロコルチゾンの5倍 ・抗炎症療法,免疫抑制療法に[汎用] ・パルス療法 ..


・COVID-19は全身性の炎症反応から,広範な肺障害や多臓器不全を起こすことがあり,抗炎症薬としてステロイドが使用される。

・デキサメタゾンが標準治療に比べ死亡率を減少させたことから,酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上のCOVID-19症例に対する標準治療となっている。

・デキサメタゾン以外にも,メチルプレドニゾロンや,強力なステロイド治療としてステロイドパルス療法でCOVID-19症例に対する効果を検討した報告がある。

・シクレソニドやブデソニドなどの吸入ステロイドによるCOVID-19症例に対する効果を検討した報告があり,シクレソニドは肺炎増悪率が高かったと結論づけられたが,ブデソニドは症状回復までの時間を短縮させた。

パルス療法には従来からメチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)が使用されてきた。数日間の短期決戦後、漸減せずに経過をみる。それでも効果がみられない場合は数回実施する。ただし、それ以上投与すると全身の組織にコルチコステロイド受容体があるために、様々な副作用や有害事象が発生するので、本剤の適応と投与には慎重な配慮が必要である。


メチルプレドニゾロンパルス療法及びシクロホスファミドパルス療法によ

ステロイド・パルス療法の意義について説明する。パルス療法は、腎移植の黎明期から今日に至るまで一貫して急性拒絶反応(AR)の第1の治療として君臨している。このパルス療法が免疫介在性炎症性疾患である間質性肺炎(IP)の有力な治療手段と考える根拠を2つ挙げる。

内にステロイドを投与(デキサメタゾン静注またはステロイドパルス療法)すると予後が良

この感染症の流行早期から副腎皮質ステロイド薬やそのパルス療法が有効であることが報告され、わが国でもデキサメタゾン(デカドロン)が保険適用になっている。

保存的治療法① ステロイドパルス療法の説明 | 診療科のご案内

急性リンパ芽球性白血病と診断された小児が寛解導入療法により寛解を獲得した後の治療を考える場合、「+」パルス療法を選択しても早期強化療法に劣らない10年無イベント生存率が期待できる。

ビデンスレベル Ⅳb)は,プレドニゾロン内服よりもデキサメタゾンパルス療法のほうがより適

26歳女.約3年前に全身性エリテマトーデス及びループス腎炎と診断され,prednisolone内服で寛解状態となったが,今回,尿蛋白の増加を認め入院となった.入院後の腎生検でループス腎炎と診断され,methylprednisolone sodium succinateによるパルス療法を施行したところ,皮疹が出現した.大腿部の皮膚生検で真皮血管周囲の細胞浸潤を認め,皮内テストを行った結果,コハク酸エステル基によるアレルギーが疑われた.Dexamethasoneを用いたステロイドパルス療法を施行し,副作用なく,蛋白尿は減少した

• ステロイドパルス療法など、短期間に⾎糖値が⼤きく変動する場合は

ステロイドがウイルスの増殖を助長するのではないかという懸念があるが、患者のウイルス量は感染症発症時に一番多いことが報告されており、免疫担当細胞の働きによりIP発症時には減少しているので、パルス療法の適応の妨げにはならない。

パルス療法はステロイド大量療法を短期間することを言います。通常3日間が多いの ..

がん患者に対するステロイドの使用は実にさまざまです。固形腫瘍に対する化学療法の際の嘔気対策としてデキサメタゾンを散発的に使用することもありますし,悪性リンパ腫に対する治療であるR-CHOP療法のように比較的量の多いプレドニゾロンを使用することもあります。また造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)に対する治療として,長期間減量しながら使用することもあります。ただ,いずれの場合も注意しなければならないのが,ステロイドにより疼痛や発熱がマスクされることがあるということ。象徴的なのが「好中球減少者の発熱」でしょう。

メチルプレドニゾロンまたはデキサメタゾンによる高用量コルチコステロイドパルス療法(HDCPT)は,過剰な炎

2歳未満及び2~15歳の急性発作(中発作、大発作)には、プレドニゾロン1日0.5~1㎎/㎏を3回に分けて投与。
プレドニゾロンの内服が困難な場合、ベタメタゾンシロップあるいはデキサメタゾンエリキシル1日0.5mL(0.05㎎)/㎏を2回に分けて投与。

ステロイドパルス療法は、高用量のステロイドを投与する SARS などのウイルス ..

ミネラルコルチコイド作用が強いと、Na保持、K排泄、心負荷増大等の副作用が起こりやすくなる。そのため、臓器移植後やパルス療法ではプレドニゾロンではなくメドロール(メチルプレドニゾロン)を使用する。

のパルス療法による急性膵炎と診断した( Day 23)。同薬の急激な

COVID-19肺炎患者において,デキサメタゾンに追加したメチルプレニゾロンパルス療法に追加効果はなかったようです。

⑤CPA の使用方法としては, (a)経口内服, (b)パルス療法, (c)シンクロナイズ法(パルスと ..

成人発症スチル病と血球貪食症候群は、臨床像や検査異常が類似し、共通の機構が示唆される。リポ化ステロイド(デキサメタゾンパルミチン酸エステル)、免疫グロブリン大量療法、ステロイドとcyclosporinやcyclophosphamideなどの免疫抑制剤の併用、血漿交換療法などによって加療された報告がある。

ステロイドパルス療法は、高用量のステロイドを投与する SARS などのウイルス性肺 ..

我々は、COVID-19肺炎における標準治療に加え、メチルプレドニゾロンのパルス療法の有効性と安全性を評価した。

<方法>

Dexamethasone-cyclophosphamide パルス療法の有効

コロナウイルス感染症2019(COVID-19)に関連した高炎症に対してステロイドパルス療法が行われている。

従来行われてきたステロイド大量療法(パルス療法を含む)は、急性型間質性肺炎 ..

エビデンスレベルに準じると、デキサメサゾンの6mg/dayを選択することになりますが、上記の高用量のメチルプレドニゾロンを用いた試験を考慮すると、デキサメサゾン6mgではステロイドの力価として不足する症例の存在を考えます。病態に応じて、ステロイドの増量またはパルス療法を検討します。ステロイドパルス療法を行った後の後療法については、病勢をみながら漸減することを考慮します。

デキサメタゾンよりも先に、または同時にレムデシビルを投与開始した方が、デキ ..

投与されたステロイド剤は、細胞内に取り込まれますが、細胞内ではステロイドに特異的なレセプター(受容体)と結合しステロイド・レセプター複合体がつくられます。このレセプターの存在は、細胞内におけるホルモン作用の発現に必要な条件であり、レセプターの存在は細胞ではホルモン作用が発現しません。
ホルモンの作用は、レセプターの数と、ホルモンとレセプターの結合親和性によって決定されます。現在、臨床的に使用されている合成ステロイド剤はいずれも天然型のヒドロコルチゾンよりも生物学的活性が強いのですが、その理由として血中半減期の延長のほかこのようなレセプターに対する親和性の増強があげられています。例えば、デキサメタゾンの場合、ヒドロコルチゾンの約30倍の強さを持っていますが、レセプターとの親和性はヒドロコルチゾンの約8倍であり、自分の副腎皮質ホルモンの生産抑制の強さである血中半減期は約3倍です。

「中等症Ⅱで、症状が悪化する場合は、パルス療法」「重症の場合は、パルス療.


COVID-19診療において抗炎症薬のデキサメタゾンが頻用されているが,第5波では多くのCOVID-19症例に対して日本全国で一斉にデキサメタゾンが処方されたため,また,自宅療養中の症例に対しても処方が推進されたために,デキサメタゾンの出荷調整がかかってしまった時期を経験した。病院にデキサメタゾンが残りわずかという状況に出くわし,プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンなど院内に残っているステロイド製剤でなんとか乗り越える必要があった。当時,「病院内でステロイド製剤が底を突くかもしれない状況が実際にありうるとは」と,本当に背筋が凍る思いで日々過ごしていたことが思い出される。